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(事例写真)新築・石場建て伝統構法/兵庫県淡路市/吹抜け×木組みの家

2019年10月19日

概要・コンセプト

 

兵庫県淡路市内の石場建て伝統構法の新築住宅です。
構造材(柱や梁)同士の緊結には金物を一切使っていません。
建物自身も基礎となる石の上に置いてあるだけです。

We built this house in Japanese traditional wooden houses way.
All the posts are just put on the stone, and not tied with bolts or screws.
Posts and beams are assemmbled by using only wood pieces, the wedge.

   → 石場建て伝統構法とは?

   → 石場建て伝統構法と在来工法の違い

建て方作業(※)をドローンで撮影しました

【建て方作業】とは、柱や梁(はり)など建物の骨組みとなる構造材を、現場へ搬入し組み立てる作業のことを言います。
木造住宅を建てる中では、最もダイナミックで緊張感のある工程の一つです。
空中からの撮影にはドローンを使って頂いています。
※音楽が流れるので、閲覧の際は音量などに気を付けて下さい。
ヘッドフォンやイヤホンを使って視聴された方が、よりお楽しみ頂けると思います。

This is a film how to assemble the wooden-structure without a nail and bolts, in Japan.
Assembling operation is one of the most thrilling and amazing part of wooden architecture.
We hope you enjoy watching this video

石場建て伝統構法の建て方作業(骨組み組立)動画

 

建物の写真

 

 

石場建て伝統構法の価値 とは

石場建て伝統構法の最も大きな特徴は以下の3つです。

 1. 長い間(300年以上)使われ続ける耐久性
 2. 良質な木材の存在感
 3. 洗練されたデザインと手仕事の価値

何百年もの長い間愛され続け、使われ続けるために、私たちは
「いつの時代になってもこれは美しい」
と、長く愛され続ける美しさを建物に持たせるべきだと考え、ていねいに心を砕いてつくっています。

 

そして長く使われるために最も大切なこと、それは実績のある素材で作ることです。
実績のある素材というのは、ブランド木材という意味ではありません。

今から300年前、500年前、1000年前に作られた伝統構法の建物が現代に残っているということは、その存在自体が

「このようにつくれば300年以上の耐久性がある」

ということを証明しています。
これが実績です。

それと同じ方法、材料、作り方をすれば、様々な社会的要因はあるにせよ、むやみに作るよりも300年、500年、1000年愛され、使われ続ける可能性がずいぶんと高くなるとは思いませんか?

 

私たちはそのように、すでに実績のある作り方を非常に大切にしています。
伝統的な古い建築から美しさを学び、奇をてらわずに当たり前のことを少しずつ積み重ねて行う。
流行に流されない、本質的な美しさを追求し、人々に世代を超えて愛され続ける建物を作る。

それは地道な作業かもしれませんが、日本人としての誇りを守る大切な、絶対になくならせてはいけない価値だと私たちは考えています。

そのために木は山へ行って現地で買い、伐採に適した時期に林業家に伐ってもらう。
そしてきちんと葉枯らしをしてもらい、最低でも2年以上天然乾燥させます。
大工が手で刻み、金物を使わずに木と木だけで構造材を緊結し、土壁で作る。

石場建て伝統構法の本当の価値は、そういう積み重ねにあると思います。

 

工事中の写真

天然乾燥の国産桧は旬伐り葉がらし乾燥で

構造材は林業家に直接依頼し、伐採時期を守り、木が育った環境を確かめます。
国産材しか使わないのは、外国産材では伐採時期と育った環境を確かめられないからです
伐採した後は約4か月間葉枯らしさせた後、2年以上天然乾燥させてから使います。

吹き抜けの梁には、国産桧(ひのき)の曲がった梁を使っています。
長さは10mで、自社で4年間天然乾燥させたものです。

外観が優しい表情になるように、大屋根にはゆるいムクリをつけています

壁土はあらかじめ約半年間現場内で土を寝かせ、発酵させたもの。
土が濃いグレーに変色しているのは、十分に発酵されている証拠です

石場建て伝統構法の新築について

石場建て伝統構法での新築に関して、よくお尋ね頂くことを書いておきます。

  • 坪単価はどのくらいですか?
    → 過去数年の建築資材高騰により、2024年7月現在は200万円/坪ぐらいかかります
  • 2階建てでも建てられますか?
    → 限界耐力計算を行い、建築確認申請を行うので、2階建てでも合法的に建てられます
  • 期間はどのくらいかかりますか?
    → ご契約頂いてから竣工まで、設計期間を含めて約2年半を要します。長期間かかる理由は以下の通りです
      構造計算・確認申請に約4~6か月かかること
      構造材の墨付け・刻みに、約6~12か月かかること
      土壁を何度も塗り重ね、その乾燥のために延べ約6~8か月かかること 
  • 遠方でも施工できますか?
    → 設計は遠方でも問題なくできます。オンラインの打合せを併用します
      施工については、現場近くの施工可能な工務店さんを探しますが
      もし見つからなければ、当社が出向いて施工させて頂くことも可能です。
      (ただし、宿泊費・移動のための交通費などの経費が別途必要です)
  • 都心の防火地域内でも建てられますか?
    → 防火地域内では、建築基準法により、延床面積が最大50㎡以下に制限されます。
      よって不可能ではありませんが、正直なところおすすめではありません。
      準防火地域内であれば問題なく建てられますし、当社でも実績があります

石場建て伝統構法の新築など、お問合せ・ご相談はこちらからお願いします。

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