東風の特性 長寿命の実現

よくあるご質問と回答/石場建て伝統構法と古民家再生(リノベーション)

2019年10月18日

【よくあるご質問と回答】

構造に関するご質問

耐震・免震・地盤

免震って何ですか?

免震構造というのは、すべり面を設けることで地震の揺れが建物に伝わらないようにして、巨大地震時の建物の被害を防ぐというものです。
石場建ては免震構造だと言われる方が建築業界関係者の中にもいらっしゃいますが、正確には石場建ては免震構造ではありません。
それはなぜかというと、石と柱との間に摩擦力が発生しわざと滑りすぎないように設計しているからです。
詳しくはお問合せ下さい。

制震って何ですか?

制震構造とは、免震のようにすべり面を設けるのではなく、建物に伝わってきた揺れを吸収してくれるようなダンパーをあらかじめ設置しておくことで、大きな地震力をまともに受け止めるのではなく、ある程度さらりと受け流すような構造です。

地盤調査の方法とその意味についておしえてください

木造住宅向けの地盤調査の方法には、スウェーデン式サウンディングと呼ばれる簡易な調査方法が一般的です。
調査する規模にもよりますが、一般的な延べ床面積 30~40 坪前後の住宅の場合、スウェーデン式サウンディングにかかる地盤調査費用は6万円程度です。
スウェーデン式サウンディングだけでは詳細な地質・地耐力を調べることができないため、場合によってはボーリング調査を行う場合もあります。
(鉄筋コンクリート造・鉄骨造の建物を作る場合には、必ずボーリング調査が必要で、石場建て伝統構法の新築においてもボーリング調査は必須です)
ボーリングによる地盤調査を実施した場合の費用は、およそ 40~70 万円です
(調査ポイント数によって価格が変わります)。

断熱について

どんな断熱材を使うか決まっているのでしょうか?
また、充填断熱と外張り断熱、どちらがいいのかおしえてください

どんな断熱材を使うかは決めていませんが、お客様のご要望に合わせて柔軟に変えています。
断熱の方法・材料にもいくつかの選択肢と、向き不向きがあるので、 建物全体のデザインや構造を考慮して断熱材および充填方法の選択を行っています。
一時期よく言われたような
「内張り(充填)断熱よりも外(張り)断熱の方が絶対に優れている」
ということよりも、一番大切なのは、あなたの要望に合った工法・素材を選択することです。

例えば、外壁の仕上材にタイルなど比較的重い素材を希望されている場合に、外断熱工法を採択するのは賢明とはいえません。なぜなら外断熱工法の場合は断熱材の厚みだけ外側へ持ち出す形になっているため、外壁を支える下地がその重みに耐え切れず、長年のうちにズレ落ちてくるというようなことも懸念されるためです。

つまり、総合的に考えて「建築主の方が望まれる建物の全体像」をまず固め、それに合った工法を選択するということが最も重要なのだと考えています。

伝統構法の家で高気密・高断熱ってできるのでしょうか?

可能です。実際大きな古民家を小さなエアコン1台だけで快適に暮らせるような改修工事をこれまでにも行っています。
ただし少し条件が付きます。

伝統構法の建物を高気密にすることは可能ですが、変形性能が大きい伝統構法の場合、巨大地震(震度6以上)に見舞われたら気密性能が低下しますので、その際はある程度の補修工事が必要になります。
これが先述した条件です。

サーモカメラで熱画像を撮影するとわかりますが、熱気・冷気が入ってくる最も大きな箇所はスキマと開口部(窓)ですから、当社でも開口部には断熱性能が高いガラスを使うことをお勧めしています。

伝統構法の建物では土壁を用いることが多いのですが、土壁には大きな熱容量がありますから、その特性をうまく活かした温熱改修計画を立ててご提案しています。
土壁は蓄熱性能と調湿性能がとても高いので、気密・断熱性能を高めた住宅の中に土壁があると過乾燥を防ぐことができ、とても快適な温熱環境を実現できることが経験的にわかってきました。

東風では、石場建て伝統構法/古民家の気密・断熱性能を高めることはとても重要なことであると考えています。
そのため、古民家の豊富な調湿性能を妨げないような断熱材・気密材を用いて断熱改修を行っています。
詳しくはお問合せください

家相について

家相を診てもらえますか?

いいえ、東風では家相を診ることはしていません。
家相を診るためには深い専門知識を必要とするためです。
そのかわりのサポートとして、当方では家相の鑑定を希望されるクライアントのみなさまのために、プラン(大まかな平面図)が完成した段階で、陰陽師・安部清明で有名な京都の清明神社へ行き、鑑定していただくことにしています。
その方がお互い安心ですしね。

家相についてどのように考えていますか?

東風では家相を否定もしませんし、こだわることもありません。
あなたが家相上良い形の建物を作りたいとお考えならば、それをご要望のひとつとして受け容れる、というスタンスで当方は捉えています。

設備に関するご質問

床暖房について

床板に無垢材を用いると床暖房は使えないのですか?

大丈夫です、使えます。
ただ、床暖房と無垢の床板を組み合わせた場合、床板が反ったり、床板が痩せて目地に隙間が空いたりすることがあります。
そういったことを気にされる方には、床暖房と無垢床板の組合せはお勧めしません。
ただ、これまでにも当方のクライアントの皆様が、無垢の床板と床暖房を組合せてお使いになっていらっしゃいます。

建具について

アルミ・樹脂サッシと木製建具の違いについて教えてください

アルミ・樹脂サッシの特徴は
  a 水密製・気密性が高い
  b 断熱性能が高い
  c 木製建具に比べて価格が安価
  d メンテナンスが楽。

一方、木製建具の特徴は
  a 美観に優れている
  b アルミサッシのようにレールがごつくならない
  c 建具製作時に消費するエネルギーがアルミサッシに比べると圧倒的に少なくてすむ
ということが挙げられます。

2018年の冬に北欧(ノルウェーとフィンランド)へ視察に行ってきましたが、北欧では圧倒的に木製サッシが使われていました。
ただし木製と言ってもすべて開き戸です。引き戸は全く使われていませんでした。
日本も将来的にはきっとそうなるだろうと思うのですが、現時点ではコストの問題と引き戸を望まれる方が多い事情から、日本(というか本州)ではまだまだアルミサッシが主流です。

外部に面した建具にアルミサッシを用いた場合と、木製建具を用いた場合とでは、価格にどのくらいの差がありますか ?

延床面積 35~40 坪前後の平均的な新築住宅の場合、アルミサッシ(ペアガラス入り)の価格はおよそ 100 万円前後です。
一方、外装建具に全て木製建具を用いた場合の外装木製建具の価格はおよそ 300 万円前後です。
(木製建具は建具材として使う樹種や木目などによっても価格が異なるのでご注意下さい)

木製建具にはどんな種類があるのですか?

木製建具には、大きく分けて四周に框(かまち)を巡らせてその中に面材(板やガラス)を挿入した框組建具(かまちぐみたてぐ/下左および中央)と、骨組みの両面にベニヤを貼り付けてつくるフラッシュ建具(下右)があります。

木製建具の違い_框組戸とフラッシュ戸
左:框組板戸     中央:框組ガラス戸      右:シナベニヤ製フラッシュ戸

問い合わせについて

問い合わせ前の不安

事務所に電話しても良いですか?
メールで問合せをすると、その後営業電話攻勢をかけられますか?

どうぞお気軽にお電話下さい。
ただし現場に出ていることも多いので、電話に出られないケースもあると思います。
メールや FAX でご連絡いただければ、こちらからお電話差し上げることもできます。
遠慮なくお申し出ください。
なお、私たちも営業の電話を受けるのは大ッ嫌いなので、あなたの電話番号を伺ったからと言ってこちらから何度も電話をするようなことは絶対にしません。
その点はご安心下さい。

土地や中古住宅入手(購入)時に、購入候補物件を見てアドバイスを頂くことはできますか?

当方に限らず、土地の購入判断をされる前にはぜひ建築家や工務店の方に一度物件を見ていただいてから購入されることをお勧めします。
なぜならその方が購入後の費用や問題などを想定しやすくなり、想定外の出費や問題などを回避できるからです。
敷地の条件とそれによって生じるリスク(※)を一通り把握した上で土地購入の是非を判断しておかないと、後で苦労されますよ。
※前面道路の幅員・工事車両のアクセスのしやすさ、資材置き場の確保、建築時に絡む様々な規制など

設計者選定に際して

他の建築家・工務店との相見積には応じていただけますか?

問題ありません。遠慮なくお申し出下さい。
当方では契約前の全てのクライアントの皆様に対して、他の建築家の方にも会ってみたり話を聞いてみたりして当方と別の建築家を比較していただくように進言しています。
なぜなら、あなたにとっては僕よりも相性が良い他の建築家もいるかもしれないからです

どの建築家に設計を依頼するかを判断する際には、どんなことに気をつけるべきでしょうか?

建築家を選ぶ際には、とかくコストとデザインによって決めてしまいがちですよね?
確かにそれはもっともだと思います。
なぜなら選定に際してとてもわかりやすい尺度だからです。

でも、建築家の本当の能力というのは、見た目のデザインで決めるよりも、むしろ
  1. 提案力があるかどうか?
  2. 自分たちとフィーリングが合うかどうか
     (話しやすさ、話の通じやすさ)
ということを基準に選定されるべきではないかと思います。

まず一つ目の提案力について。
敷地が決まったら、ぜひ複数の建築家(2~3人程度)にプランの提案を依頼してみましょう。
多くの建築家は 1 回まで なら無料でプランの作成・提案をしてくれる方が多いと思います。
提案内容には建築家の個性や提案力が如実に現れます。
ですから、その提案内容を見て建築家を選定するのは、とても理にかなった判断基準であると言えるでしょう。

次にフィーリングが合うかどうかという点について
実際に建物の設計をするのは確かに建築家の仕事ですが、その出来上がった建物で長い間にわたって生活していくのはあなた自身です。
だからあなたの要望・イメージに合った建物を作ってもらうべきなのです。
そのためには、何でも言いやすいこと、自分にとって話しやすい人であること、そしてあなたの話をきちんと聞いて気持ちを理解してくれる人であることが、家づくりにおいてはとても重要です。

土地を探していますが、まだ 見つかっていません。
こんな状態でも一度お話を伺ってみることはできますか?

建築家に話を聞いてみる、一度会ってみるというのは一向に差し支えありません。
建築家の方も喜んで会ってくださるでしょう。
何せあなたに選ばれた数名の一人であるからです (←これってとても光栄なことですからね)。

家づくりのスケジュールがどんな風に進んでいくのかおしえて下さい

土地探しからはじめる場合の家づくり全体の大まかな流れを、こちらのページにまとめてあります。

以上です。
上記以外にもしなにかご不明な点があれば、お問合せフォームからお気軽にご質問下さい。

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