東風の特性 長寿命の実現

旧家の新築

2019年11月3日


旧家向け新築300年住宅

なぜ?石場建て伝統構法なのか?

旧家によくある課題とは

当社へこれまでにご依頼いただいたお客様のお話を伺っていて気づいたことがあります。
それは、立派な旧家の方々には特有のお悩みがあるということでした。

主な課題は以下の2点です
1. 相続と継承者問題
2. 建物の寿命とメンテナンス費用

順を追ってご説明しますね。

 

よく耳にする、相続と継承者問題

築100年ほどの、とても素晴らしい佇まいのお宅を訪問させて頂いた時のお話です。
そのお宅は建物が傷んでいるというわけではなく、とても大切にされていたため状態も大変よく、デザインもとても洗練されていました。

そのお宅のご高齢の奥様にお話を伺うと、その立派な家を壊してマンションを建てることになっていると言います。
ビックリしながらお話を伺うと、以下のような趣旨でした。

おそらく20-30年以内に私たち夫婦がいなくなると、息子たちの代で相続問題が発生する。
自宅と土地は1筆になっているから、分割して相続するというわけにはかない。
息子たちもこの家に帰ってくるかどうかはわからない。
この建物と庭はとても気に入っているが、相続の時に子供たちがモメる原因を残すのは嫌だから、この家を解体してマンションを建てることにした。
この建物ももうそろそろ築100年を迎えるところで、あとどれだけの耐久性があるかはわからない。

資産家のお宅に伺うと、似たようなお悩みを耳にすることが多いのです。

もちろん軽微な課題はありました。
たとえば
A 電気のブレーカーが良く落ちる
B 網戸がなくて夏過ごしにくい
C 夏は暑くて、冬は寒いのにエアコンが効きにくい
などなど

ただ、上記のような技術的な課題は、建築工事で解決できます。
もっと根深いのは、冒頭の相続に関する課題だと感じています。

この課題に対する解決策は、後ほど詳しく説明させて頂きます。

 

私たちは300年の耐久性がある新築住宅をつくっています

木造住宅には2種類の建て方がある

日本の木造住宅の寿命は、一般的に2通りの建て方があることは、ほとんど知られていません。
・戦後に開発された、在来工法
・戦前から存在する、石場建て伝統構法
その特徴を比較した図が以下のものです

石場建て伝統構法と在来工法の違い

石場建て伝統構法と在来工法の違い イラスト

 

格式の高い旧家にお住いの方々は、生家が築後100年以上経過している建物だったという方が少なくないと思います。
中には200~300年、またはそれ以上古い建物で幼少期を過ごされた方もいらっしゃることでしょう。
そのような建物は、石場建て伝統構法(いしばだてでんとうこうほう)という建て方で建てられています。

簡単に言うと、いわゆる
「釘を一切使っていない建物」
のことで、築後1300年以上経過している法隆寺と全く同じ建て方のことです。

この石場建て伝統構法の新築や改築を正しくできる会社は、実はほとんどないのが実情ですが、当社はこの石場建伝統構法の専門家です。
これまでに何軒も石場建ての新築や、築100年を超える石場建ての古民家を、これから先あと200年もたせるように改修しています。
石場建て建築は築500年の建物も現存するので、軽く100年は当たり前、300年建て替え不要なのが、実際の建築物で証明されています。

外観は品格のあるモダンジャパニーズでありつつ、内部は気密・断熱を高くでき、夏・冬も快適です。
次世代の子供たちも住み継ぎたい
外国からのお客様にも自慢したい
そんな家になります。

この石場建伝統構法は、残念ながら一般的な工務店さんでは専門的・技術的な知識と経験がなく、手に負えないというのが現状です。
だから「建て替えた方がいいですよ」という安易な提案をされてしまいます

 

石場建て伝統構法の価値 とは

石場建て伝統構法の最も大きな特徴は以下の3つです。

 1. 長い間(300年以上)使われ続ける耐久性
 2. 良質な木材の存在感
 3. 洗練されたデザインと手仕事の価値

何百年もの長い間愛され続け、使われ続けるために、私たちは
「いつの時代になってもこれは美しい」
と、長く愛され続ける美しさを建物に持たせるべきだと考え、ていねいに心を砕いてつくっています。

 

そして長く使われるために最も大切なこと、それは実績のある素材で作ることです。
実績のある素材というのは、ブランド木材という意味ではありません。

今から300年前、500年前、1000年前に作られた伝統構法の建物が現代に残っているということは、その存在自体が

「このようにつくれば300年以上の耐久性がある」

ということを証明しています。
これが実績です。

それと同じ方法、材料、作り方をすれば、様々な社会的要因はあるにせよ、むやみに作るよりも300年、500年、1000年愛され、使われ続ける可能性がずいぶんと高くなるとは思いませんか?

 

私たちはそのように、すでに実績のある作り方を非常に大切にしています。
伝統的な古い建築から美しさを学び、奇をてらわずに当たり前のことを少しずつ積み重ねて行う。
流行に流されない、本質的な美しさを追求し、人々に世代を超えて愛され続ける建物を作る。

それは地道な作業かもしれませんが、日本人としての誇りを守る大切な、絶対になくならせてはいけない価値だと私たちは考えています。

そのために木は山へ行って現地で買い、伐採に適した時期に林業家に伐ってもらう。
そしてきちんと葉枯らしをしてもらい、最低でも2年以上天然乾燥させます。
大工が手で刻み、金物を使わずに木と木だけで構造材を緊結し、土壁で作る。

石場建て伝統構法の本当の価値は、そういう積み重ねにあると思います。

 

なぜ?旧家に向いているのか?

 

資産を継ぐ

大規模リフォーム・建て替え・解体時に次世代の家族から資産が流出します。300年にわたってこの流出を抑えることで、税金のかからない方法で実質的に資産を継ぐことができます。家を使って、将来世代に資産を継ぐ効果がどの程度になるか試算します。プライバシーを重視し、秘密厳守でご相談を受けております。

また、金融資産をお持ちの方が建てがちな鉄筋コンクリート建築物も60年たつと古い家なので、建て替えになります。それまでの固定資産税、建て替え時の高額な解体費用、災害時の復旧費用などどのように余計な負債をかかえることになるか試算します。

資産を生み出す

鉄筋コンクリートの家は固定資産税も高いので万が一使わなくなった場合には、早く売却したいところですが、30年、60年後には誰も住まない古い家が日本中であふれていますので売却も困難です。

売れなくてもせめて賃貸に出したいところですが、鉄筋コンクリートの家も、年月が経つと単なる古い家です。

それに比べて、東風の家は60年経過しても古い家ではなく、風格が増す家です。古い家のように大規模リノベーションもなく日本人・外国人共に需要のある家にできます。今後、人口減少を見越しても資産を生み出せます。

歴史建築として保有する価値もあります。また、売却・賃貸にせずとも、創業家の象徴として、また法人の所有する歴史建築として保有する価値もあります。

 

 

 

 

 

 

 

相続と継承者問題の解決策とは

先述した相続問題をどのように解決するのか?
これはいろんな課題があると思いますが、私たちのお客様宅で実際に何軒か目にしたのは、以下のようなやり方でした。

〇 所有している不動産をはじめ、自宅の不動産(土地+建物)を所有・維持管理する法人をつくる
〇 その法人から自宅を借り、法人に対して賃料を払う
〇 一つの敷地を2つに分筆する(実際に塀を建てて分離するわけではない)
〇 親世帯・子世帯別々の建物をつくり、一敷地二建物の形をとって独立した親子二世帯の住環境を実現する

工事中の写真

ここで当社で建てさせて頂いた、石場建伝統構法住宅の工事中写真をご紹介します。

天然乾燥の国産桧は旬伐り葉がらし乾燥で

構造材は林業家に直接依頼し、伐採時期を守り、木が育った環境を確かめます。
国産材しか使わないのは、外国産材では伐採時期と育った環境を確かめられないからです
伐採した後は約4か月間葉枯らしさせた後、2年以上天然乾燥させてから使います。

吹き抜けの梁には、国産桧(ひのき)の曲がった梁を使っています。
長さは10mで、自社で4年間天然乾燥させたものです。

外観が優しい表情になるように、大屋根にはゆるいムクリをつけています

壁土はあらかじめ約半年間現場内で土を寝かせ、発酵させたもの。
土が濃いグレーに変色しているのは、十分に発酵されている証拠です

竣工後の写真

 

 

 

 

 

 

石場建て伝統構法の新築について

石場建て伝統構法での新築に関して、よくお尋ね頂くことを書いておきます。

  • 坪単価はどのくらいですか?
    → 過去数年の建築資材高騰により、2024年7月現在は200万円/坪ぐらいかかります
  • 2階建てでも建てられますか?
    → 限界耐力計算を行い、建築確認申請を行うので、2階建てでも合法的に建てられます
  • 期間はどのくらいかかりますか?
    → ご契約頂いてから竣工まで、設計期間を含めて約2年半を要します。長期間かかる理由は以下の通りです
      構造計算・確認申請に約4~6か月かかること
      構造材の墨付け・刻みに、約6~12か月かかること
      土壁を何度も塗り重ね、その乾燥のために延べ約6~8か月かかること 
  • 遠方でも施工できますか?
    → 設計は遠方でも問題なくできます。オンラインの打合せを併用します
      施工については、現場近くの施工可能な工務店さんを探しますが
      もし見つからなければ、当社が出向いて施工させて頂くことも可能です。
      (ただし、宿泊費・移動のための交通費などの経費が別途必要です)
  • 都心の防火地域内でも建てられますか?
    → 防火地域内では、建築基準法により、延床面積が最大50㎡以下に制限されます。
      よって不可能ではありませんが、正直なところおすすめではありません。
      準防火地域内であれば問題なく建てられますし、当社でも実績があります

石場建て伝統構法の新築など、お問合せ・ご相談はこちらからお願いします。

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