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過去配信サンプル 東風のメルマガ2024

過去に配信したメルマガの原稿を、サンプルとして
公開しています。

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こんにちは、(株)木造建築東風のさとうです。

第3回目 今日のテーマは
「木造建築=木の魅力によるところが大 その2」
です。

昨日のメルマガでは、以下のようなことについて
お伝えしました。

〇 建物を調べる時は、まず最初にバランスを観る

〇 木造建築の魅力はやはり木によるところが大きい

〇 木造でも、1300年経っても大切にされる建物と
  たった60年でつぶされてしまう建物がある

今日はこの続きです。

 

【 建物にどんな木が使われているか? 】

柱や梁、框(かまち)、床板など、その建物に使われて
いる木を見ていけば、その木がどれぐらい貴重なもの
なのか?という、およそのグレードが分かります。

その木が貴重なものであればあるほど、建てた当初に
どれだけのエネルギーをかけたかということを感じ
取ることができます。

エネルギーという意味にはいろんなものがありますが、
わかりやすいものとしては、
  お金
  手間
  思い入れ、
  夢
みたいなものとお考え頂ければ、概ね外れていないと
思います。

 

最近はなかなか難しくなりましたが、長さ15~16m
の長い木を建物に1本の木として使っている事例は
古民家などを見ると割とザラにあります。

山で木を切るとわかるのですが、樹齢が100年ぐらい
の杉とかヒノキを伐採すると、だいたい樹高は30m
から35mぐらいあります

そういうものを半分ぐらいの長さ(15~16m)で
切って、継ぎ手のない1本の木として使うという
のは、実はすごく自然な考え方です。

今のように トラックで運んで経済効率の良い
(=できるだけ安くできる)つくり方をするという
場合は、長い材料を使うということは非効率ですし
お金もかかる話です。

しかし昔は今に比べると、ずっと木がとても高価
なものでした。

ですから100年前に作っていた大工さんが考えている
基準と、今僕らが作っている基準というのは、実は
かなり違っています。

  昔は材料が高くて、人件費が安い
  今は材料が安くて、人件費の方が高い

 

【 目の前の木は、誰が育て、伐ってくれた木なのか? 】

突然ですが、ちょっと以下の2つのケースを想像して
みてください。

 

一つ目は、木を近くの山で伐採してきて、その人
(かまたはその友人)が家を建てる素材として使う場合

二つ目は、どこの山から出てきたかもわからない木を
市場に行って競り落として買ってきて、あちこちの山
から寄せ集めた木で建てる場合

前者と後者とでは、木を扱う時の気持ちや、取組む
姿勢にずいぶん差が出ると思いませんか?

 

木だとあまり身近に感じられなくて、ちょっと想像し
にくいかもしれないので、魚に例えてみましょうか。

一つ目は、お父さんやご近所のおじさんなど
いつも身近にいらっしゃる方が釣ってきた魚

二つ目は、スーパーでパックに入って売られて
いた魚。

鮮度はどちらも同じだったとしても、どちらの
魚の方が、より食べた方の印象に残るでしょうか?

後日その魚のことを思い返して、話に花が咲くのは
どちらでしょうか?

 

やっぱり自分(または親しい方)が苦労して
山から木を出してきた場合は、その木をとても
大事に使おうとします。

僕らなんか本当にそうです。

自分で切ったわけじゃないけれど、どの山のどんな
ところで育った木か?ということが分かっている木を
使っているし、ここに至るまで何年ぐらい経っているか
というのも全部わかっています。

 

そういう木を使おうとする時には、

「一本たりとも無駄にしちゃいけない」

ということを、すごく強く思って木と向き合って
います。

古民家を見ると、同じことをよく感じるんですが
最近の規格化された寸法でプレカットして作る家
からは、残念ながらなかなかそういうものは感じ
られません。

 

でもそれは仕方ないと思います。

家の作り方が、効率化と経済性を最も重要視する
つくり方になってしまいましたから・・・。

もちろん経済性はとても大切だと思いますが
今の住宅産業界は、それがちょっと行き過ぎて
しまっているんじゃないかと感じています。

 

経済性最優先で建てる家づくりがあるのは構わない。

でもそれ以外の選択肢がほぼない、という現状が
問題だと思います。

 

〇 木がどんな環境で育ってきたのか?

〇 ご先祖も含め誰が育て、誰が伐ってくれたのか?

〇 伐採された時、樹齢何年ぐらいの木だったのか?

現代の住宅産業界では、残念ながらそういう
ことには、ほぼ配慮されずにつくられている
家がほとんどです。

 

そういう家は、やはり100年後・200年後において

「大切に扱わせてもらおう」

という気持ちになりにくいのではないかと思います。

 

この現状はすごく残念だと思っているので、何とか
そういうことを実感して頂きたいと常々考えています

また長くなってしまいました。
この続きはまた明日書きますね。

今日のお話が、あなたの参考になれば幸いです。
もしご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。
→ info@mokuzo-architect.jp まで

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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