移築された江戸時代の石場建て伝統構法/横浜・三渓園に行ってきました

2/7-8の2日間にわたり、日本民家再生協会の研修会+会合に参加するため横浜・東京へ行っていました。

2/7は横浜市内にある三渓園へ。
2/8は横浜市内の街並みを見て歩くツアーに参加してきました。

三渓園は、原三渓という事業家が個人で建物を収集してつくり上げた名園です。
関西にあった江戸時代の建物も、園内には多く移築されています。

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聴秋閣。

屋根の重なり具合が軽やかでとても美しかった。
屋根が微妙に反っているのに、これだけ柔らかく見せられる作り手のセンスには感服です。

 

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天寿院前の梅。

まだほころび始めといったところでしたが、木の強い生命力を感じました。
 

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手前2棟が臨春閣、奥に小さく見えるのは聴秋閣。

臨春閣は三屋(さんおく:3つの建物)で構成されているそうです。
和歌山→大阪→横浜と移築されてきている建物ですが、横浜に来るまではもともと瓦葺だったのを、この地に移した原三渓が杮葺き(こけらぶき)にしたとのこと。
職人も施主も素晴らしい眼力・想像力です。

この後、普段は公開されていない臨春閣の内部を特別に見学させていただきました。
これも日本民家再生協会のおかげです。

やはり間近で材料を見られると、当時の作り手の想いを随所に感じることができますから貴重です。

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臨春閣 入側の栂の床板。

臨春閣内の材料には随所に栂が良く使われていました。
大面取りが施されて板巾も小さく、瀟洒な雰囲気になるように意識してつくられた意図が良く伝わってきました。

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臨春閣 2階欄干の柱

創建当初の材ではないかもしれませんが、200年は経っていそうな杉の面皮柱。
表面は全て白太となる杉の面皮柱が、吹きさらしの状態でこうやって長年の風雨に耐えているのを目にすると、僕のような杉好きの人間はとてもうれしくなります。
 

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臨春閣2階

障子を開けて外の景色を眺めるのもいいのですが、障子を全て閉めたときに漂う、凛とした美しさは何とも言えません。

 

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