伐採した桧を見に、今年最後の山へ/木造専門建築家、原木からつくる木の家

2012年、最後の現場です。
1228-29
2日間、静岡の山奥・葵区梅ヶ島へ行っていました。

目的は2つ。
今月中旬に林業家に伐採してもらった桧を見ることと、在庫の木材を整理することです。

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1日目。
夕方から雪が降り始め、茶畑もうっすら雪化粧。

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茶畑の脇に立つ栗の木。

秋にはたくさん実をつけた栗の木も、今ではすっかり落葉して
冬の佇まいです。

2日目の朝。

昨夜雪を降らせた湿度が山にまとわりついたのか、
あたりは朝から一面の深い霧。

すぐ目の前の木ですら、少し霞んでいます。

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ここの標高は約550m。
北東向きの急斜面・尾根付近に植林されている桧の山です。 

長谷川等伯筆・国宝 松林図屏風を思わせる雰囲気です。

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この桧が植えられたのは、今から約90年前。

地盤は割れやすい石交じりの砂地で、水はけが良く痩せていて
しかも北向き斜面なので、植物にとっては非常に育ちにくい条件です。

上の画像を見て頂くと良くお分かりになると思うのですが、樹芯
付近の年輪の幅が特に細かく、ほとんど数えられません。

この年輪の詰まり具合からは、植林後1020年のこの木が若い時に
とても苦労して育った木であることがよくわかります。

大事に大事に使ってあげないといけないなぁ・・・と
責任のようなものを感じます。 

 

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この桧は割と太くて通直だったので、根元の1番玉を使って
長さ7m×240×240の大黒柱を採ることにしました。

樹皮から見るところ、製材したら節は出てくる木ですが、
まっすぐ伸びた素直な良い柱になりそうです。


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先ほどの木の根元の部分を接近して写したもの。
年輪の詰み具合や木の太さがわかるように自分の手を
一緒に撮影しましたが、年輪の偏りもなく、とても素性の
良い木です。

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上の画像は、先ほどの木とは別の木ですが、この木は
根元付近の曲がりが大きかったので、化粧丸太梁として
使う予定です。

長さは7mで伐る予定。

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桧を育てるための人工林の中にも、広葉樹である
こんな楢(なら)の木が立っていました。

心ある林業家が、山のことを考えてちゃんと残したんでしょうね。
観ていてうれしくなりました。

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