4/14(日)兵庫県丹波市で再生古民家の完成見学会を開催します

兵庫県丹波市において昨年から工事を進めてきた、H様 + Y様邸2世帯住宅となる、築80年古民家再生工事が完成しました。

建築主様のご厚意により、完成見学会を開催させて頂けることになりましたのでご案内致します。

施工は(有)すぎもと工務店様が手がけて下さいました。

こちらのお宅の再生工事前の課題は、以下のようなものでした。

 ● 親世帯と子世帯が同居できる間取りにしたい

 ● 冬は寒く、暗い室内を、暖かく・明るく快適に過ごせるようにしたい

 ● 築後80年を経過した家を、これからも長く住み続けられるように手入れをしたい
   (耐震補強・通風・湿気の問題など)

お父様と息子様はお二人とも農家。
生活と農が密接に結びついているご家庭です。

今回の再生工事にあたって、上記の課題は以下のように改善しました

 ○ これまでは居室として使えなかった2階の断熱性能を高めて
   居住性を改善し、2階全域を子世帯の生活空間とする

 ○ 大型の薪ストーブを導入し、主な生活空間の2/3を 1台で
   暖めることで、厳しい冬を快適に過ごせるようにする

 ○ 傷んでいた構造部材は補強・入替を行い、土壁を増設し、
   耐震性能を向上

何点か写真をご用意しましたのでご覧下さい。

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建物外観/外壁は杉板を新たに張り替え、
開口部にはアルミサッシ(ペアガラス)を設置しました

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画像2.
2階居室/天井が低くて圧迫感のあった2階の納戸は、
天井を取り払って開放的にし、屋根下に遮熱層を設けて
快適な温熱環境を実現しました

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家族全員が集う居間は間接照明を設置して
温かな雰囲気に仕上げました

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画像4. 
洗面化粧台は、木とタイルでかわいい感じにつくりました

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玄関土間に大型の薪ストーブを設置しました。
これ1台で家の約2/3が快適に温まります

画像6. 
床板には杉の厚板(30mm)を使用しています
見学会当日は、住まい手であるY様ご夫妻から、
住み心地や再生工事前後での生活の変化などについて、
直接お話を伺うことができる大変貴重な機会です。

すでに建物内では建築主様の新生活が始まっているため、
1時間あたり1組限定で見学して頂きます。

先着順で定員(8組)に達し次第、受付を締め切らせて
頂きますので、どうぞお早めにお申込み下さい。
(完全予約制です)

【開催日時】 4/14(日) 10:00-17:00
        (最終組入場16:00)
       お申込の際、来場希望時間を必ずご記入下さい
       
【開催場所】 兵庫県丹波市内
       ※お申込頂いた方に住所をお送りします

お申し込みはこちらのページからお願いします。

4/20(土)、静岡市葵区で標高1700mの天然林を全身で感じるためのツアーを行います。
地元の林業家に案内して頂き、森の中の植物や生態系のことなど、
いろんな話を聴きながら、1日森の中を歩いて標高1700mの天然林
を目指します。

天然林の中に身をおいてみて初めてわかる素晴らしい感覚を、
ぜひ体感していただきたいと思って企画しました。
下の写真は、ブナの木立を見上げたものです。

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こんな景色を観に行きたい方はこちらからアクセスしてみて下さい。

雑誌・チルチンびと最新刊に掲載して頂きました

昨日3.11は東日本大震災が起こった日。
もう2年も経つのですね。

被災され、今なお大変な思いをされて毎日を過ごされている方々へは心よりお見舞いを、
そして残念ながら命を落とされた方々のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

昨日、風土社さまより出版された雑誌・チルチンびと 75号の中で、木造建築 東風を採り上げていただきました。

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今回採り上げていただいたのは、東風スタッフのOさんがチルチンびと編集部様にあてて、東風の資料を送ってみてくれたことがきっかけでした。

『Architect 各地で活躍中の建築家』 というコーナーの中で、205ページを1ページ使って、東風で設計させて頂いた淡路島のT様邸・古民家再生工事についての記事を掲載して頂いております。

もしよろしければ、書店などで手にとってご覧になっていただければありがたく思います。
快く掲載のご了解を頂きましたT様、ならびに風土社の佐藤様、ありがとうございました。

4/20(土)、静岡市葵区で標高1700mの天然林を全身で感じるためのツアーを行います。
地元の林業家に案内して頂き、森の中の植物や生態系のことなど、いろんな話を聴きながら、1日森の中を歩いて標高1700mの天然林を目指します。

天然林の中に身をおいてみて初めてわかる素晴らしい感覚を、ぜひ体感していただきたいと思って企画しました。
下の写真は、ブナの天然林で撮ったもので、高齢のブナが立ち枯れた写真です。

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こんな景色を観に行きたい方はこちらからアクセスしてみて下さい。

神戸市大きな吹抜けリビングの家/リノベーション工事打合せ

昨日(3/2)は午後から神戸市内のS様宅へ打合せをするために行ってきました。
とっても刺激的で、楽しい打合せでした。

S様宅は2008年に竣工した新築住宅です。

東風で設計させて頂いたお宅の中でも、とびっきり特異な家。
でも、大~好きな家です。

今回はお子様が成長されたことに伴う、増床計画の打合せ。
新築計画当時から、
「将来はこういう風にしましょう」
ということを想定しながら作った家なのですが、それを実際に工事する段階になってきました。

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S様ご夫妻。
打ち合わせの最中、なんだかいいなぁ~と感じて撮ったスナップ。
(掲載の許可はちゃんと頂いています)

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S様宅リビング。

プラン(平面図)をご覧になられた方はみな一様にビックリされますが(笑)、
2層吹抜けがらんどう×1LDKの家。
でも、これがS様ご家族の生き方にピッタリなんです。

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大黒柱の脇に、何やら発見!
手前に見える黒い筒は、薪ストーブの煙突です。
思わず笑みがこぼれました。

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ふきのとう発見、西宮茶道教室にて逆勝手の茶道稽古の建築家

今朝、現場で少~し待ち時間があったので、現場近くの公園に入ってみたら、足元にふきのとうを発見しました。
そういえば今日から3月。
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札幌に住んでいた時(←って言ってもすでに20年以上前・・・)は、減り始めてきた雪を自分(ふきのとう)自身の雪で溶かし、雪の中からピョコピョコ出てくる逞しい姿を見ていたので、それに比べるとこういう芽吹き方は少し違和感を感じますが、それでも春はすぐそこのようですね。

昨日は茶道の稽古で、初めて逆勝手(ぎゃくかって)の点前の稽古をしました。

足捌き、袱紗(ふくさ)捌きから、道具の置き方までいろんなところが逆・逆になっていくので、頭が混乱・・・。
きちんと1月も2月も、結局月1回しか稽古に行けていないのですが、ちゃんと3回行かないと、とても憶えられそうにありません・・・。

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原木買いするとこんな木も混じります。/原木からつくる木の家

昨日は1日中製材所に行っていて、大工さんの木材加工の手伝いをしたのですが、加工しようと思って用意した板の中にこんなものがありました。

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これはおそらく、立ち木の時にキツツキが突付いて木に穴を開けた痕。
その穴から水が入ってきたからでしょうが、傷の周辺の木が傷んで変色しています。

全て製材・加工された製材品を材木屋さんで買っていると、こういうものは不良品として跳ねられてしまうので目に触れることはないのですが、東風では原木で木を買っているので、たまにこういうものに出会うことがあります。

この部分は切って薪ストーブの燃料としてお客様に差し上げるのですが、山の生物の営みを感じます。

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竣工して3年。伝統構法・石場立ての家@京都市

昨日(2013.02.19)は、外構工事のご相談で、京都市N様のお宅に寄せていただきました。
2010年竣工の伝統構法・石場立ての家です。

こちらのお宅は、東風にとって、この上なく大切で思い入れの強い家ですが、
行く度に素敵に住んでいらっしゃるご様子に感心します。

最近飼い始めた犬のなじゅちゃん(メス)が、薪ストーブの前でまったりしてました(笑)。

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薪ストーブの目の前が、彼女の定位置なんだそうです。

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 ↑ 「ん? な~にぃ~?」

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 ↑ 竣工した時に撮った写真は調度品が入っていなかったので少し味気ないものでしたが、

やはり生活が始まると空間に断然潤いが出てきます。

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 ↑ 左脇に写っているのは、ご主人の趣味であるLPレコードの棚。

ご主人はオーディオや音楽が大好きで、ダイニングカウンターの下にも
びっしりCDが並べられていますが、使われているアンプは何と真空管です。

 

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 ↑ 昨日は定期点検をする目的もあって、2階へもおじゃましました。

上の写真は、たくさん入り節がある北山杉磨き小丸太でつくった階段手摺。

竣工当初に小さな割れが何箇所か入ってしまったので、割れがどんどん
大きくなっていかないように・・・と心配していたのですが、もう大丈夫なようです。

 

住み始められてから数年経った家へお邪魔して、お客様の楽しそうな表情や
暮らしぶりを拝見させて頂くのは、建築家にとって、とてもうれしい瞬間です。

作り手としては、「いい建物ができたなぁ~」と感じる竣工時も、もちろん魅力的
なのですが、やはり建物はお客様のために作っているわけですから、それを
喜んで・気に入って使ってくださっている様子は、何物にも代え難い喜びです。

このお宅の家づくりの全容は木造建築 東風(こち)の以下のページでご覧になって頂けます
→ http://www.mokuzo-architect.jp/works_kyoto1.html

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

高齢・大径木の樹皮と霜/原木からつくる木の家

先日、いつも × いつも東風がお世話になっている、兵庫県三田市の西本製材所に行った時のこと。

その日は、朝から大工さんが墨付け作業を行うことになっており、AM 07:30 ごろに製材所へ着いたのですが、寒い日だったので至るところに霜が降りていました。

西本製材所さんの敷地内には、そこらじゅうに大きな原木がごろごろ転がっているのですが、そんな中でも特に大きな原木は、やはりそれだけ古い(=高齢の)木ということになります。

人間と同じで、木も100年、200年、300年と生きながらえてくると、いろんな傷やシワ・ゆがみやクセなどが表面に表れてきて、樹齢50年程度の若い木では、逆立ちしたって出せない凄みや迫力のようなものがにじみ出てきます。

とかなんとか、つたない言葉で説明しても全然伝わらないと思うのですが、やはりそういう高齢・老齢の原木の表面に、その日の朝は霜が降りていて、しかも朝陽で照らされた陰影が何とも言えない美しい姿になっていました。

そんな一瞬の姿を写してみたのが下の写真です。

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↑ 3本の異なる樹種の原木が並んでいました。
  手前から、樅(もみ)の原木、中央が松、一番奥が桧です。
  どれも全て針葉樹ですが、樹種によって表面の樹皮ってこんなにも違うものなんです。

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↑ これは樹齢約300年の杉の樹皮です。
  杉の樹皮も、樹齢100年ぐらいまでは真っ直ぐきれいに並んでいることが多いのですが、
  これだけ高齢の木になると、こんな風に樹皮の方向もバラバラで、年輪もしわくちゃ×
  入り乱れたようになっていきます。

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↑ これは松の木です。
  この木は伐採されてからかなり年月が経過しているようで、表面の白太
  (辺材)部分が傷んでいます。
  しかしこうやって白太が傷んでいても、芯材(赤身)の部分は全く傷んで
  いないため、製材してあげれば素晴らしい木になります。

  風化して傷んでいる表情の下には、宝石のような美しい木目が隠れている
  のですが、そのアンバランスさ加減を想像すると、この荒れ果てた表情からも
  内に秘めたすごい迫力を感じます。

一般的には、【建築用材としての木】というと、木目や節が見えているものを
みなさんは想像されると思いますが、こういう原木の時に木を見ると、その表面や
形、年輪などから、それまでの木の歴史・育った環境など、実はいろんな情報が
読み取れるんです。

すごくおもしろい世界なんですが、でもそんなことを言っている僕は、ちょっと変人?
マニアックすぎますよね・・・(苦笑)。

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移築された江戸時代の石場建て伝統構法/横浜・三渓園に行ってきました

2/7-8の2日間にわたり、日本民家再生協会の研修会+会合に参加するため横浜・東京へ行っていました。

2/7は横浜市内にある三渓園へ。
2/8は横浜市内の街並みを見て歩くツアーに参加してきました。

三渓園は、原三渓という事業家が個人で建物を収集してつくり上げた名園です。
関西にあった江戸時代の建物も、園内には多く移築されています。

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聴秋閣。

屋根の重なり具合が軽やかでとても美しかった。
屋根が微妙に反っているのに、これだけ柔らかく見せられる作り手のセンスには感服です。

 

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天寿院前の梅。

まだほころび始めといったところでしたが、木の強い生命力を感じました。
 

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手前2棟が臨春閣、奥に小さく見えるのは聴秋閣。

臨春閣は三屋(さんおく:3つの建物)で構成されているそうです。
和歌山→大阪→横浜と移築されてきている建物ですが、横浜に来るまではもともと瓦葺だったのを、この地に移した原三渓が杮葺き(こけらぶき)にしたとのこと。
職人も施主も素晴らしい眼力・想像力です。

この後、普段は公開されていない臨春閣の内部を特別に見学させていただきました。
これも日本民家再生協会のおかげです。

やはり間近で材料を見られると、当時の作り手の想いを随所に感じることができますから貴重です。

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臨春閣 入側の栂の床板。

臨春閣内の材料には随所に栂が良く使われていました。
大面取りが施されて板巾も小さく、瀟洒な雰囲気になるように意識してつくられた意図が良く伝わってきました。

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臨春閣 2階欄干の柱

創建当初の材ではないかもしれませんが、200年は経っていそうな杉の面皮柱。
表面は全て白太となる杉の面皮柱が、吹きさらしの状態でこうやって長年の風雨に耐えているのを目にすると、僕のような杉好きの人間はとてもうれしくなります。
 

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臨春閣2階

障子を開けて外の景色を眺めるのもいいのですが、障子を全て閉めたときに漂う、凛とした美しさは何とも言えません。

 

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発想がいいなぁ

1か月ほど前ですが、大人数での打合せの会場として場所をお借りした、兵庫県川西市のHANAREさん。
エントランスにとてもすてきな発想のチェアが座っていました。

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HANAREさんはこんな外観の、素晴らしい古民家を改修された喫茶店&ギャラリー&家具工房です。
コーヒーやケーキも美味しく、雰囲気もすごくよいので、お勧めです。

お近くの方はぜひ行ってみて下さい。

天然林の中に佇んだことがありますか?

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上の写真は、ブナの天然林の中で撮った写真です。

天然林とは、簡単に言うと人の手が入っていない林のこと。
古い木が自然に倒れて腐っていったり、その後に新しい木が育っていったりする、というようなサイクルが人の手を借りずに自然に行われていく森林。

これが天然林です。

天然林の反対は人工林。

人工林は杉や桧、松など、産業に用いるための木材を、人が管理し、苗木を植えて育て、最終的に収穫(=伐採)してまた植えるという具合に、常に人間が面倒を見てあげている森林です。

人工林=木の畑、と言った方がわかりやすいかもしれません。

天然林と人工林はどちらも人間が生活していく上で欠かせないものです。

どちらも大切なんですが、しかし天然林の中へ入ってその場に佇んでみると、そこはとてつもなく優しく強いエネルギーで満たされているのを感じることができます。

そのエネルギーは言葉で説明できないのですが、あまりに素晴らしいのでぜひ1人でも多くの方に体感して頂きたいと思い、4/20(土)に天然林を感じるツアーを開催することにしました。

静岡市内の北部、山梨県との県境付近の天然林を訪れます。

当日は地元の林業家にガイド役をお願いし、森のこと、山のこと、いろんな木々のこと、土のこと、山に住む動物たちのことなどなど、山を一日かけてゆっくり歩きながら、林業家の説明を聞き、天然林を感じてもらいたい。
そんなツアーです。

お申込や当日のスケジュールなど、詳しいことはこちらのページでご紹介しています。

以前にもこのブログで一度ご紹介しましたが、天然林と人工林の違いをごくかいつまんで理解して頂くために、短い動画ファイルをアップしています。

興味のある方はご覧になってみてください。