神戸市S様邸増床工事 中間検査に合格しました

神戸市内で2008年に竣工したS様邸。
お子様達の成長に伴い、個室が必要になってきたため、竣工当初より計画に組み込まれていた、大きな吹抜けへの増床工事が始まっています。

下の画像は竣工当時のものですが、体育館のような大きな吹抜け空間の半分に、梁を何本か新設し、フローリングを張っていく工事です。

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(※画像をクリックすると、見やすくなります)

 

昨日は指定検査機関の中間検査を受けました。
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↑ 太い梁は竣工当時からあったもの。
それに架けてある細めの梁を今回新設しました。

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今週から大工さんが張っていく予定の、杉のフローリング。
国産の無垢材で厚みは35mm。
奈良県吉野産の杉で、人工乾燥がかけられた木材です。
フローリングだけは、いつも人工乾燥材を使っています。

「子供たちの通学期間に工事をするとやはり落ち着かないので、夏休みの間に工事をしたい」

というS様ご夫妻のお考えもあって、今月中には増床工事が完成する予定です。
また進捗状況をご報告しますので、どうぞお楽しみに。

 

 

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お知らせ/ブログの引越しを進めています

いつも木造建築家のヒトリゴトを観に来て頂き、ありがとうございます。

月日の経つのは早いもので、このブログを書き始めてから8年半が過ぎました。
最初の投稿は2004年12月です。

このブログはlivedoorさんの場所をお借りして書いてきましたが、今後は東風で運用している独自ドメインの中に設置した分野別の専門ブログに引越しをしていく予定です。

 伝統構法・原木・伐採などに関する記事 → 東風の伝統構法専用ブログ
  
 民家再生・リフォームなどに関する記事 →  民家再生とリフォーム・改修工事 専用ブログ

記事が800件もあるので、引越しも大変です。

今後少しずつ進めていきますが、今後の新しい記事は上記のブログに投稿していきますので、ブックマークをし直していただけるとありがたく思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

木造建築 東風  代表 / 佐藤仁

2013の杉 製材が始まりました/天然乾燥・葉枯らし材でつくる伝統構法の家

7/23(火)に奈良県桜井市で今年の杉の製材を行いました。
和歌山県田辺市の山中で伐採して頂いた、西北斜面に生えていた杉です。

樹齢は約100年のものですが、あまり大きな木は頼んでいないので、どれも小ぶりな木ですが、林業家の福本様が選りに選ってくれた逸材ばかりで、節はありますが目の詰み具合や通直性も素晴らしく、いい木ばかりでした。

この日は朝から1日かけて約30本の原木を製材して頂きました。
全て挽き終えるまでには、あと4-5日かかる見込みです。

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↑ 製材する前の原木たち。長さは4m。

今回は荒皮を先にむいておいてから製材します。
木口に書いてある番号は、木材1本ずつに打つ通し番号です。
製材時に、木目、色、節の多寡と大きさなどを記録しておいて管理データとして残しておくための番号です。

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↑ 年輪が非情によく詰んでいます。
芯の偏りもほぼなくて、とってもいい木です。
(ほとんどすべてこんな木を揃えて下さいました)

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↑ 市場で買うのではなく、山で買うと林業家が気を利かせて少し長めに玉切りしてくれます。
発注は4mでお願いしていても、だいたい20cmくらい長くしてくれるのはとてもありがたい限り。
人差し指で抑えているところが、端から測った木材の長さ4mの位置ですが、実際の材料は4230mmあります。

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↑ 今回製材をお願いしたのは、奈良県桜井市の森口製材所さんです。
50代前半の社長さんですが、とっても丁寧に挽いて下さってありがたいです。

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↑ すこし太目の木からはこんな素晴らしい梁がとれます。
末口φ320mmくらいなので、決して大きな丸太ではないのですが、どれもとっても素直な木ばかりでした。

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↑ この木は長さ4m、巾135mm、背305mmに挽きました。
これから1年以上天然乾燥させます。

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↑ 色合いはちょっと違いますが、木目だけなら吉野材と言っても通りそうです。

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↑ この日は梁・桁材、長さ4mのものばかりを固めて挽きました

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↑ 原木から梁・桁を採る際に出てくる切り落とし材。
これは鴨居や方立てなど、化粧の枠材として使います。
厚みは35mmと45mmの2種類で挽いてもらいました。

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梁・桁の厚み調整のために出てくる、15mmの切り落とし材は野地板として使います。
節の少ないものは化粧野地板や腰板用に、節の多いものは下地用にと分けて使います。

東風ではこうやって木材を作っています。
まず信頼できる林業家に直接依頼して、伐採・葉枯らしさせた旬伐りの原木を調達。

次に製材所で一本ずつ木を観ながら製材し、そこから1年以上かけてゆっくり天然乾燥させる。
(今、自社ストックしている材で一番長く寝ているものは、伐採後7年経っています)

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→ http://www.mokuzo-architect.jp/

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今月製材する100年生の国産杉原木

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7月に製材する予定の原木です。

和歌山県田辺市の北西向き斜面に生えていた樹齢100年生の杉。
製材所との日程が合えば希望者には見学して頂くこともできるかも・・・なんて考えていますが、製材見たい方いらっしゃいますか?
製材所は奈良県桜井市にあります。

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外壁和風モダン杉板張りの木の家&ビヨウヤナギ

日曜日に、神戸市北区のS様宅へ打合せに行ってきました。
夏休み中に子供室を3部屋増床する予定で、その打合せ。

時節柄、ビヨウヤナギがきれいに咲いていました。
下の写真の黄色い花がビヨウヤナギです。 

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このビヨウヤナギは、北面擁壁からお子様が落下しないようにと、スケスケの手摺と組み合わせて足元を保護するために植えたものですが、竣工後5年経ってようやく落下防止機能を果たしてくれるくらいに育ってくれました。

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京都/和風庭園石畳の敷石(あられこぼし)作業進行中です。

京都市左京区のU様邸にて、外構工事を行っています。
 
造園を手がけてくれているのは宮川庭園の宮川さん。 
庭に敷石を設置する工事の真っ最中です。 
 
自然石の形を活かし組み合わせてつくる敷石は大変地道な作業で、一日中一生懸命やってもなかなか進みません。
これから10日ほどかけて仕上げるそうです。

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低い軒と杉面皮の濡縁の目の前に敷石ができれば、とてもいい雰囲気になりそうです。

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宮川さん。
夏の太陽が照りつける中での作業は大変です。

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今回宮川さんが敷石の材料として選ばれたのは木曽石(きそいし)。
僕も初めて見ましたが、白っぽい石と、表面に溶岩が付着しざっくりした風合いの石とが混じっていて、落ち着いたいい色合いです。

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1日頑張ってもこのくらいしか進みません。根気の要る作業です。

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2人で端から手分けしながら進めてくれています

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同じ日に東風+大工さんでつくった勝手口前の目隠し塀。
お隣の方と視線が合うのを遮るためのもので、耐久性を重視して柱はアルミ、板は吉野の赤杉を使いました。
  


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和歌山県の100年生の杉 旬切り&葉がらし乾燥済み

5/13(月)に急遽和歌山県田辺市へ行ってきました。
昨年秋に伐採を依頼していた杉の原木の造材が出来上がり、納品目前だというので現場を確認しに行ったのです。

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今回の木は樹齢約100年生の杉です。
2012年11月頃に伐採を始め、約4ヶ月葉枯らしさせた木ばかりです。

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西北向きの斜面に生えていた木ですが、この目の詰まり方、もう最高です♪
今回伐採して下さったのは、吉野で長年林業を手がけてこられた福本林業の福本様。
「ここの木はいいですわ。
 吉野よりもいいくらいや」
と絶賛するだけあって、もんのすご~くいい原木でした。

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伐採現場へと登る山道の途中でちらほらと目にした実生(みしょう)の杉の芽。
こんなに小さいんですよ。

無事大木に育つかどうかは、これから迫り来る厳しい試練を乗り越えられるかどうかにかかっています。
がんばれ~!と声を掛けておきました。

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架線を張った出材現場。
今回の現場はキャレージで出材していました。
標高は約450~500mといったところです。

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伐採された株越しに見る、架線を張った谷

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針葉樹を燃やせる薪ストーブの燃料に国産杉桧端材

週末は薪ストーブ周辺の工事のため、昨年夏に竣工した京都市のU様邸へ行っていました。
雨に打たれて新緑のもみじがとてもきれいだったので写真を撮ってきました。

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白漆喰と瓦、杉板ともみじ。
ちょうど雨が降った後だったので、しっとりとした雰囲気が出ていました。

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玄関前のポーチから庭に入る枝折戸越しに見たもみじ。
竣工してまだ半年しか経っていないので、竹垣の竹にも青さが残っていて新鮮です。

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このお宅の暖房は薪ストーブです。
東風では現場で出た端材は全て薪ストーブユーザーのお客様宅へ差し上げています。

せっかく大事に天然乾燥させてつくった木材なので、最後の一片まで有効に使わないと木に申訳ないですからね。
東風ではお客様に針葉樹も安心してガンガン燃やせる、Hampton社製の薪ストーブをお薦めしているのですが、 こうやって木材を最後の最後まで使ってあげられれば、お客様も、林業家も、木も喜んでくれますよね。

 
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天然林ツアー2013.04@静岡

4/20(土)に静岡市葵区梅ヶ島にて、天然林の中を歩くツアーを行いました。

天候もあまり優れず、寒くて標高が高すぎて新緑が出ていなかったのが残念でしたが、霧がでてとても幻想的な雰囲気でした。

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静岡市安倍川筋の最奥、梅ヶ島温泉で天然林ツアーをスタート。

最初に林業家から概要説明を行いました。

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引率・案内をして下さった、梅ヶ島在住の林業家。
鈴木氏と森氏。

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参加者のみなさんへ、林業家から森の説明が始まりました。

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安倍川源流域のサカサ川。
この沢伝いに歩いていきます。
源流域ならでは、水流が少なく優しい水音がとっても心地よかった。

 

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森の要所でいろんなことを参加者の皆さんに話してくれる林業家の鈴木氏。
 
木のこと、動物たちの痕、雨と地表の関係、市民に水を供給する山の力など、初めて耳にする説明に、みなさん興味津々でした。

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これぞ天然林。
生命を終えた樹齢数百年の巨木が自然に倒れ、朽ち果てるまでそこに残って森を更新していきます。

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そこかしこに残る自然倒木。
ここからまた新しい生命が生まれます。
このサイクルを倒木更新といいます。

 

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すごい根曲がり・・・。

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斜面に横たわる倒木が森に新たな空隙をつくり、そこからこぼれた光が地表へ届くことで新たな生命が生まれる。
そのサイクルを説明する林業家の話に、みなさん感心されて聞き入っていました。

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山梨県と静岡県の県境となる安倍峠付近に広がる、オオイタヤメイゲツの純林。

聞きなれないオオイタヤメイゲツというのは樹種名で、漢字で書くと大板屋名月だそうです。
カエデ属カエデ科の木。

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みんなで大切に守っていきたいのですが、残念ながらゴミもちらほら落ちていました。

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オオイタヤメイゲツの次に多かったのがブナ。

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立ち枯れた2本の木。
いつしかこれらの木も倒れて、新たな生命の礎をなっていくのでしょう。

天候にはあまり恵まれず、まだ新緑も芽吹いていないのが残念でしたが、天然林に入って現地で林業家の説明を聞いて森を感じるというツアーを、みなさん楽しんで下さったようで少し安心しました。

今度はもっといい時期にやるのでぜひおいで下さい。

 あなたはどちらが好きですか?
 30年後に「そろそろ建て替えようか・・・」と言われる家と
 「200年前のおじいちゃんが建てたの」と2213年に言ってもらえる家 

天然林のイメージ

4/20(土)に静岡市内の北端部に天然林を感じに行くツアーを開催します。
(目下募集受付中)

主催は日本民家再生協会で、東風のスタッフや懇意にしている地元の林業家が運営のサポートを行います。
定員まであと7-8名となりました。

天然林ってどんなところ?
何が観られるの?

って、言葉を重ねても良くわからないですよね?
そこで、これまでに天然林で撮ってきた写真をアップしてみました。
(撮影地/長野県水木沢天然林、奈良県春日山原生林、秋田県白神山地)

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こんな風景の中に身を置いて、風の音を感じていると、脳波が明らかに変わります。
標高1700mまで登るので、山桜も楽しめるかな?というのが僕の密かな楽しみ。
もしよろしければ、東風日本民家再生協会までお申込み下さい。

開催日は4/20(土)です。