月別アーカイブ: 2012年10月

林業家と奈良・吉野杉の山へ/伝統構法、木造専門の建築家・東風、和風住宅

10/26(金)に事務所スタッフ総出で奈良県吉野へ行ってきました。
この秋に伐採してもらう杉の相談をすることが目的です。

今年は桧は静岡で、杉は和歌山で伐採してもらう予定ですが、
和歌山での伐採をして下さるのは、奈良県吉野在住の福本林業
の福本さんです。

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林業家というとゴツゴツしていてぶっきらぼうな人を想像される方も
多いかもしれませんが、そんな方ばかりではないんですよ。

福本さんは大変上品で丁寧な紳士という印象です。
作業服や足袋を履いていなければ、林業家には見えないでしょう。

しかし材料を観る目や経験、技量は超一流です。
チェーンソーの切れ味も抜群で、信じられないほど早く木が切れます。
端で見ているとあまりに早く木が伐れるのでウソみたいです。

山のことは何でも教えてくださるし、東風も全幅の信頼を寄せています。
今回も東風スタッフ全員でいろんなことを教えていただきました。

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上の写真は70年生(=樹齢70年という意味です)の吉野杉の
立ち木の幹です。

人差し指の先に小さな節が見えますが、これは50年以上前に
枝打ちされた痕跡です。

吉野杉は節の無い木材を作るために、木が若いときに枝打ちを
します。

例えば樹齢10歳のときに枝打ちをすると、その枝の元は樹芯付近に
残りますが、11年目以降は次々に外側へ新たな年輪が形成され
続けるため、表面には全く節がない材料が育つのです。

2年後(2014)に使う柱材を伐るためにこの70年生の山を観せてもらいに 
行ったのですが、今回は赤身だけの柱を採りたいと福本さんに伝えると

「それならこの木では少し細いなぁ~。
 やっぱり和歌山の100年生の木から採るようにしましょうか」

ということになりました。

今回は70年生の杉の山以外に、130年生の杉の山も見せてもらいました。

130年生ともなると、木の幹はかなり太くなります。
下の写真に写っているのは東風スタッフですが、右横の130年生の杉の幹の
太さと比較してもらえれば、その太さがわかっていただけると思います。

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植林が日本で一番古くから行われている吉野には、樹齢が300年前後の
杉の人工林も見ることができます。

さすが、日本の3大美林の1つに数えられるだけのことはありますね。

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京都市・北山杉面皮柱と中塗土仕上、間接照明の和風空間/伝統構法の木造建築東風

京都市U様邸で先週竣工写真を撮ってきましたので、そのうちの一部をご紹介します。
うちの優秀なスタッフOさんが毎日大阪から京都へ通い、精魂込めてつくった家です。

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(うっとおしい勧誘メッセージなどは届きません。笑)
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玄関は杉の面皮柱を使って土壁で仕上げ、京都らしい雰囲気にしてみました。

玄関土間から見た取次部分。天井板は吉野杉の白太小幅板張りで、床板は吉野杉の赤身を使っています。
壁は京都産の土で切り返し仕上げです。

照明は写真に写っている間接照明のみで、天井面には一切器具をつけていないのですが、クライアントのU様も
「思ったより随分明るいんですね」
と仰っていたほど。
適度な明るさにしています。

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玄関を室内の別の角度から見たところ。
手前の襖は京唐紙の一分筋(いちぶすじ)という文様の紙を使って坊主襖仕立てにしたもので、引き手は竹製のものを使っています。

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リビング内観。正面棚の向こう側がキッチンです。

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リビングを逆方向から見返したところ。
吹抜けに架かる丸太梁は桧を八角形に削り出したものです。
床板は吉野杉で壁はホタテ漆喰塗り仕上げ。

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キッチン全景(と言ってもキッチン本体が見えませんが・・・)
食器棚や家電棚など、棚類の面材は全てシナ合板でつくっています。

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2階の個室内観。
天井は小屋組みをそのまま見せて仕上げています。

外観はまだ撮影できていません。

夜景がかなりいい感じなので早く撮ってきたいのですが、植栽が終わってからかな。
11月の中旬あたりまでお待ち下さい。

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玄関のなぐり式台×北山杉の磨き丸太/京都・数寄屋住宅、伝統構法の東風

今週末(10/6-7)に完成見学会を開催させて頂く京都のお宅から、今日は玄関の式台と磨き丸太の写真をご紹介します。

玄関土間からリビングまでを見通すとこんな感じ。
右上に見えているのは、間接照明のボックスです。
玄関の照明はこの間接照明のアッパーライトのみで、器具は一切見えないようにしています。
式台は和歌山県産の杉をつかっています。
北斜面で育った木なので、年輪が詰まっていて端正な顔立ちをしています。
式台は京都の原田さんという職人さんが、蛤刃のちょうな(刃先が弧を描くように少し丸くなっている刃です)で化粧なぐり加工をしてくれたものです。
式台の左奥に見えている柱は、京都北山産の杉磨き丸太。
控えめな天然入絞丸太です。
丸太の話は次の写真で。

壁を塗りたての時に撮った丸太の写真です。

磨き丸太は京都北山産で、いつもお世話になっている中儀銘木店さんがつくったもの。

筋状に入った柱表面の凹みを【絞り】といいますが、特に深く鋭く入った筋をエクボ(笑窪)と呼びます。

(右下にあるのがエクボ)
エクボは欠点のように捉える方もいらっしゃるでしょうが、僕の師匠は、エクボがあるものを好んで使いました。
理由は
「床柱や玄関の丸太にはエクボがあった方がいい。
 お客様を笑顔で迎えてくれるから」
というものです。
僕もそういう気持ちを大事にしたいと思っています。

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京都市・吹抜けと華奢なリビング階段/和風木の家、伝統構法の東風

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上の写真は、今週末(2012/10/06-07)に京都市左京区で完成見学会を開催させて頂く予定の、U様邸階段です。

納まり図を描くのも、実際つくるのにも手間がかかりましたが、なかなかいい感じの階段に仕上がりました。

材料はうちのカントクが美観にこだわったおかげで、これだけ華奢なのにオール杉 ♪
バキっと折れそうな感じに見えますが、実際触るとかなりしっかりしてます。
現場でじっくりご覧下さい。

この階段はリビングのど真ん中に面しているので、2階へ登る時は大黒柱に向かって登っていき、2階から降りてくる時は大黒柱のまわりを回って降りてくるような感じになっています。

この大黒柱は、2008年に静岡で伐採した桧。
8寸角で棟木まで伸びてます。

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