前回に引き続き、むくり屋根のことを書いてみます。
前回は大工さんによる木下地ができるまでをご紹介しました。
木下地が完成したら、次は瓦屋さんの工事に移ります。
まずは防水層の設置(下葺き)工事です。
上の写真は瓦の下の防水層となる、ロールトントンを葺いたところです。
ロールトントンは杉を薄~く削った板を縫い合わせたもので、一般的に
よく使われているアスファルトルーフィングなどよりも通気性に優れているので
小屋裏での結露防止のためにはこの方が有利です。
軒先は角度が一旦折れてしまったりすることから、ルーフィングで
部分補強しています。
瓦を葺き終えた後、棟付近に登って下を見下ろして見たところです。
結構むくりが付いて屋根が全体に丸みを帯びている様子がお分かりに
なっていただけると思います。
ケラバ瓦と破風を棟付近から見下ろしたのが下の写真です。
下の画像はちょうど春の嵐が来た翌日に撮った写真です。
足場のシートが風をはらまないようにと、ネットシートをたたんだので
この時は建物の姿がよく見えました。
(今はまたネットシートで覆われていて、これほどよく見えません)
H様邸の外観は、最終的には木製の面格子がついて杉板張りと
漆喰仕上になるので、町家のようなイメージになります。
あなたはどちらが好きですか?
30年後に「そろそろ建て替えようか・・・」と言われる家と
「200年前のおじいちゃんが建てたの」と2212年に言ってもらえる家