一昨日、強行軍で長野県塩尻市に日帰りで行ってきました。
長野県林業総合センターというところで行われた、古材の曲げ強度試験を見学するためです。
こんな大きな機械に古材の梁(赤松)を載せ、上から荷重をかけていき、たわみ量と変形量の相関関係を調べるというのが試験の目的です。
赤矢印は僕が写真に描き入れたものですが、両端に支持支点があって、中央付近の2点で徐々に荷重をかけていきます。
上から荷重をかけている最中に撮った写真です。
最初は見た目変化がないのですが・・・
そのうちにパキパキ音を立て始めたかと思うと「ベキッ」と大きな音がして裂けました。
昨日の試験では、裂けてもさらに載荷を続け、完全に折れるまで圧し続けました。
試験終了後、反対側から見るとこんな感じ(↓)になっていました。
中央付近で真っ二つです。
この折れた箇所には小屋束を差し込むための断面欠損があり、見事にそこで折れていました。
木材は新材の時でも、個体差があって強度にばらつきが出ます。
それが古材になると経年変化も出てくるので、曲げ破壊試験をやる前にヤング率(※)を測定し、断面積(材料の太さ)とヤング率から実際の曲げ強度を比較する、という試験を行っているそうです。
(※)ヤング率とは/出典:wikipedia
ヤング率は、弾性範囲で単位ひずみあたり、どれだけ応力が必要かの値を決める定数である。
単位は応力と同じPa、tf/m2 など。
一方向の引張りまたは圧縮応力の方向に対するひずみ量の関係から求める。
ヤング率は、縦軸に応力、横軸にひずみをとった応力ひずみ曲線の直線部の傾きに相当する。
曲げ破壊試験自体はさほど目新しいものではありませんでしたが、その後の担当教授から非破壊測定機器を使った木材のヤング係数の測りかた、最近の研究動向などについて 様々なお話を伺うことができ、とても参考になりました。