神戸市内で進行中の I 様宅では、現在基礎工事が進行中です。
上の写真は先週末の様子ですが、掘り方・地業工事が完了し、これから墨出しをして鉄筋の組み立てに移ろうとしているところです。
白っぽく見えているのはポリエチレン製の土間シートで、これは基礎の下から室内へ上がってこようとする湿気を遮断する役目があります。
周辺のグレーに見えている、少しへこんだ部分には外周部の型枠墨出しをするため、捨てコンクリ-トを打設してあります。
当初の計画では、地盤改良剤を投入して既存の砂を撹拌・混合し、表層改良を行う予定でしたが、解体・掘り方工事を行う中で、現場の砂がとても良質な山砂であることがわかってきたので、地盤改良剤を混入するのはやめました。
改良剤を用いなくとも、少しずつ締め固めることで、木造住宅の積載荷重に耐えうるに充分な地耐力が得られることが明白だったからです。
地盤の改良方法はその土地の地質によって事情が変わってくるのですが、地盤改良剤を土に混ぜて撹拌する表層改良の場合に用いる改良剤はセメントのようなものなので、改良後の土はカチンコチンに固まってしまうだけでなく、アルカリ性の性質を持つようになってしまいます。
カチンコチンになってしまった改良体(←改良された土のこと)は基礎の下に埋まっているわけですが、将来、何らかの事情で建物を解体せざるを得ないという状況になった時、その改良体もハツリ機などで壊して撤去することになります。
ですから将来にわたって環境に与えるインパクトを考えると、地盤改良はできればしたくない・・・というのが建物をつくる側としての意見です。
ただ、軟弱地盤の場合は、地震時の揺れや近隣を通る大型車両によって引き起こされる微振動などが増幅されて建物に伝わることになってしまうので、快適性・安全性の観点から、建物の荷重と地耐力のバランスを考慮して地盤の方が柔らかい、という判定結果が出た場合には何らかの改良を施す、ということになります。
地盤改良にはいろんな方法があるのですが、コストだけでなく、改良深度(軟弱地盤の深さ)や現場の地質、搬工事車両の進入経路などによって適切な方法を決定することになり、一概にどれがいいということは言いきれない工種です。