実は昨年の今頃から話題になっていたのですが、今回ようやく納得がいった課題がありました。
一昨年の秋、現場で大工さんが埋木(うめき)をするのに材料を手配することになり、
「梅の木がいちばんエエねんけどなぁ・・・」
と言うので、ボランティアで民家再生をしている兵庫県赤穂郡の現場で枝払いをした梅の木の残骸から太目の枝を持って帰ってくることに。
僕が持って帰ってきて大工さんに梅の枝を渡すと、大工さんはしげしげとその太い枝(もちろん皮付き)を見て、
「さとうさん、これ、桜の木ぃちゃうの?」
と言うのです。
赤穂の現場ではこの梅の木に付いた梅を収穫して、仲間のSさんが梅酒を漬けたりしているので、僕は絶対に間違いなく梅だと何度も主張したのですが、いろんな大工さんがその枝の皮付きの枝を見るたびに、
「これは絶対桜だ」
とほぼ全員が言うのです。
しかもみなさん東風で仕事を頼んでいる大工さんですから、この道30年以上のベテランの木造大工ですよ。
今まで、誰一人としてこの枝を見て梅だと言った人はいませんでした。
でも、絶対に梅なんです。
なにせ、この枝をもらってきた赤穂の現場には桜の木なんて1本も生えていないのですから。
おっかしいなぁ~と思いながら1年以上も悶々としていたのですが、先日ふとあることに気付いて調べてみたところ、
「ははぁ~なるほど!」
と思い至りました。
実は、桜と梅はどちらもバラ科サクラ属の木なのです。
知ってました?
これなら間違えてもしゃあないか・・・と思いました。
梅の木と桜の木は、立ち木の状態であれば枝の形が全く違うのでどちらが梅か?桜か?ということは一目瞭然ですが、枝を短く伐って樹芯の色を見るとどちらもほぼ同じ褐色をしていて見分けがつきません。
樹皮も見た目はよく似ているんですよ。
おもしろいもんだなぁ・・・と思いました。