週末から出かけっぱなしの毎日が続き、ようやく事務所に戻ってきました。
今日はおとなしく、久しぶりにほぼ1日事務所にいました。
週末から、神戸・志摩・静岡・和歌山と各地を転々としておりました。
1日400-500kmの長距離運転が3日連続すると、さすがに疲れますね。
静岡へは、1年半前に伐った木の製材と、在庫の板を取りに行っていました。
今回は何たることか、デジカメを事務所に置き忘れてきたので、製材中の報告写真はありません。
すみません。
なかなか面白い製材だったのですが・・・。
初めて 【伐採後1年半経った、芯に割れが入っていた木】 を製材したのです。
この木です(↓)
写真を見るとお分かりになるかと思うのですが、芯あたりから放射状に大きな割れが入っています。
これはおそらく、立ち木の状態で木の中の水分が冬季に凍って起こる『水割れ』と思われます。
こういった原木は商品価値がとても落ちるので、普通は出荷されないことが多いです。
ただこの木はとても素性が良くて、太さも根元で70cmもあったため、割れが入っていないところで板が取れれば一部は充分使えるかも・・・と思い、製材してみました。
長さは4.5mあったので、半分の2mに切って使えればいいなぁと一縷の望みを託したのと、伐って1年半経った原木がどんな状態になっているのかを確認したくて、半ば実験のような感覚で製材してもらいました。
というのも、普通は原木のままで1年半も置いておいたら、白太の部分は虫に喰われまくっていてとても使えない・・・という状態になっているからです。
今回の製材では、それが伐り旬(晩秋)の新月期に伐って、その後充分に葉枯らしした木だとどうなっているのか?というのを実際に見てみたかったのです。
製材してビックリしたのですが、、白太には全く虫が入っていませんでした。
さすがに白太の色は少し悪くなっていましたが、腐っているという状態ではありません。
ただ、冒頭の【割れ】は予想以上に深く貫通しており、こればかりはいかんともしがたい状態でした。
われをよけて製材を繰り返しても、どうにも使える部材が取れない・・・という状態でした。
なかなかいい経験をさせてもらえました。
という製材で、一応形になって持って帰ってきたのが下の部材です。
写真で言うと、手前が末、奥が根元方向です。
長さは2.3m、巾は一番小さな末口の天端の面でも32cmあります。
厚みは75mm。
ご覧のように、節は全くなくてとてもおとなしく綺麗な木目なのですが、充分乾燥させたら白太がどうなるか?というのが未知数なので、商品としては使わない予定です。
(本当は、赤身だけでこれくらいの巾の板が取れれば使えるかも・・・と
期待していたのですが、割れがひどすぎたためにちょっと無理でした)
同じような木目の板が合計4枚あるので、
○ 異なる置き方による乾燥速度を比較する
○ 黄色くなった白太や黒ずんだ赤身の状態がどうなっていくか
というような研究材料として使う予定です。
また随時報告しますね。
どうぞお楽しみに。
ちなみに、製材直後のこの木の含水率はおよそ86%でした。