今、世田谷のリフォーム物件の木製建具のデザインを考えています。
木製建具とは、障子・襖や板戸などのことです。
木製建具のデザインというのは、実はヒジョ~に繊細で難しくて、
○ 材料 ・・・木材の樹種/木目の出方と色・艶
○ 框の大きさ ・・・巾と厚み
○ 組子(くみこ)・・・本数/プロポーションと配置と厚み
をどのように設定するか?によって室内の雰囲気ががらっと変わってしまう、デザイン上非常に重要なファクターです。
品と深みの中に、ほんのちょっとだけの華やかさを持たせる程度がいいのですが、そのさじ加減がとても難しい・・・。
華やかにするだけだと薄っぺらくて飽きがくる。
どっしりと落ち着きがあるだけだと野暮ったくなります。
ぼくがいつもデザインの時に考えるのはそのどちらだけではなくて、全体的には非常に落ち着いたデザインなのに、どこかはかなさを感じさせるような緊張感を持つ姿。
これを演出するための最後の要素が木割り(部材寸法のバランス)と樹種です。
これで全てが変わってしまいます。
建具というのは出来上がってしまうと何気ないもののようですが、とても気を使う繊細な仕事で、製作してくれる職人さんの気遣いによっても完成度が大きく変わってきます。
同時にまた、設計者の力量とセンスが如実に現れてしまうのも、この建具です。
だからこの建具のデザインを考える際には、また僕は原寸図を描きます。
どうしても原寸で考えないと最後の雰囲気が把握できないからです。
なんだか抽象的で面白くない話になってしまいましたね(笑)。
にも関わらず、最後まで読んでくださってありがとうございます。
蛇足ですが。
いつもね、記事を書きながら(または書く前に)思うんですよ。
このブログを毎日見に来て下さっているたくさんの方々のために、何か役に立つ情報やちょっと面白いネタを提供したい。
昨日は何かそんなネタがあったかな?
って思い起こしながら書いているんです。
だから、
「こんなことについて知りたいので記事を書いてみて欲しい」
っていうようなリクエストなどがありましたら、遠慮なくさとうまで送ってみてくださいね。
その方がみなさんのためになりますから。
お待ちしております。
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世界に、300年先も美しい風景を
いつも楽しく拝見させて頂いております。
魅力ある記事です、いつも。
さて、木製建具って本当にステキですね。
ぐるっと360度室内を見回した時の、リズムと言うか、韻をふむというか、、、、こうした建具の入った空間に入ると、惚れ惚れします。日本人で良かったと。
古民家の建具も、そうですね。
昔の建具職人の粋を感じて、見とれてしまいます。
家に対して、どのように建具のデザインを作り出していくのかの、建築士の思考の過程を垣間見れると、嬉しいです。
試行錯誤を含めて。
それでは。
とんぼさん、コメントありがとうございます。
> いつも楽しく拝見させて頂いております。
> 魅力ある記事です、いつも。
↑そう言って頂けると大変嬉しく感じます。
これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
> 家に対して、どのように建具のデザインを作り出していくのかの、
> 建築士の思考の過程を垣間見れると、嬉しいです。
> 試行錯誤を含めて。
わかりました。
ちょっと表現するのが難しいテーマですが、チャレンジしてみますね。
どうもありがとうございました。