自分の家を自分の手で建てたい

今日、うちの事務所に一人の大工さんが打合せに来られました。

この方は、「自宅を自分の手で建てたい」と考えていらっしゃいます。
で、さすが大工さんだけあって、

「材木はできれば(奈良県)吉野産の乾燥した木を使いたい。
 でも木材の見た目にはあまりこだわらない。
 だから節はあっても構わない」

ということでした。



で、建築工事費用はできるだけ安くあげたいので、知り合いの業者などに頼めるところは自分で直接発注して、無駄な経費を省きたい、とおっしゃっていました。

これって、ごくごく当たり前の考えですよね?

でもこういう考え方は、一般的に日本の建築業界では嫌がられます。
で、僕は今日、この大工さんにこう答えました。

「うちはいいですよ。
 一向に構いません。
 うちは、自分のところでこなした業務に対する報酬を払っていただければ、それで構いません。」

と。

それを聞いた大工さんは、心なしかちょっと拍子抜けしたような表情でした。
まさかいきなりそんな答えが返ってくるとは思っていなかったようです。



こういう特殊なご要望をお持ちの方は結構いらっしゃるようですね。
うちも過去に似たような事情の物件をいくつか引き受けさせていただいていますが、みなさん大体よその工務店さんなどで散々断られたり、相手にしてもらえなかったりして、うちにたどり着いたというケースが多いようです。

木材支給とか、大工さんは親戚の方にお願いするとか、電気工事は知り合いに頼むとか・・・。


確かにうちでもお断りすることもあります。

それは例えば、
「業務はやってほしい。でもそのお金は払いたくない」
「タダでいろいろ教えてほしい」
という要望です。
これには、正直なところお応えできません。

なぜならうちもビジネスで仕事をお引き受けしているのであって、慈善事業でやっているわけではありませんから。
当たり前ですよね?



でも、行った業務に対する適正な報酬をお支払い頂けるのであれば、分離発注だろうが部分発注だろうが、何でも問題ないはずですよね?

と僕は思うのですが、でもこういう考え方は現実的に日本の建築業界では嫌がられるのです。

とここまで書いてきて、ふと思いました。
これってすごくチャンスが転がってるってことじゃないですか!
これからこの手の話はどんどん増えてくるでしょうしね。



何だか、今年に入ってからお客さんにいいヒントをいっぱい頂いているような気がします。
頂いたからには、ちゃんとお返ししていかないといけませんね。

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世界に、300年先も美しい風景を

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