景観を守るために

すっかりブログの更新が滞ってしまいました。
楽しみにしていてくださる皆さん、ゴメンナサイ。

先週末に京都市内へ行った折、岩倉の円通寺へ行ってきました。

円通寺

 

 

 

 

 



ここは市内の便利なところからは離れていて、アクセスが少し不便なので観光客も少なくてお気に入りの場所です。

比叡山の借景庭園として知られているお寺ですが、僕は年に1~2回くらいのペースでたまに行きます。
比叡山の借景庭園には、他にも北区に正伝寺(しょうでんじ)などがあります。
ここも全~然人が来なくて静かなお寺でなかなかいいですよ。



ところで冒頭の写真を見て驚かれた方もいらっしゃるかと思います。
( ↑ そんなあなたは、かなりの筋モンですね)

というのも、円通寺はこれまで一切の写真撮影を禁止していた(僕の記憶の範囲だと・・・)のですが、今回行ったところ、庭園方向に限っては撮影を許可していました。
(建物は撮影不許可)

今回は帰りがけに、玄関でご住職がたまたま話しかけてくださったおかげで、円通寺周辺の景観を守るために、ご住職が過去数十年間にわたって並々ならぬご苦労・ご尽力をなされてきたことを知ることができました。



現在は円通寺から眺める景観を守るために、この一帯には景観規制が掛けられています。
高い建物は建てられなくなり、建物の屋根の色・形などにも制限があります。

ご住職は40年前から円通寺の景観を守るために、いろんな努力をされてきたそうです。



誤解を招く恐れがあるのであまり詳しくは書きませんが、ご住職は

 〇 景観が良くなれば京都に来る観光客も増える。
             ↓
 〇 そうすれば地元の企業も潤って、自治体の税収も増える。
             ↓
 〇 そして税収が増えればさらに景観を良くするための活動にも力が入る

という好循環を起こすことが必要だとお考えになっているようです。
自分とこの景観さえ守れればいいというような偏狭な考えではなく、みんなのための益となる方へ向かうように努力されているところが素晴らしいと感じました。



京都市内で建築する際の様々な規制がありますが、これまでは役所からその規制内容について条項として聞くばかりで、

〇 なぜそのような規制を掛けるのか?
〇 そのような規制を掛けることにどういった狙いがあるのか?

ということにまでは考えが及ばなかったのですが、今回円通寺のご住職のお考えをお聞かせ頂いて、景観問題に対する自分の意識をシフトさせることができました。

ご住職、感謝します。

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

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