先週、静岡県浜松市水窪町というところへ木を見に行ってきました。
水窪町は天竜杉(てんりゅうすぎ)の産地です。
そして、日本でもっとも大規模に新月伐採に取り組んでいる地域の一つです。
天竜杉の実物を(1本2本というちゃちな量ではなく大量に)見るのは、実は僕にとって今回が初めてでした。
僕自身、静岡県産の人間(?)であるにも関わらず、全国的に名前が知られた天竜杉は今まで使ったことがなかったので、その魅力がどこにあるのか、そして天竜では新月伐採にどのように取り組まれているのかを勉強しに行きました
↑こういうと聞こえはいいですが、正直偵察・情報収集ですね(苦笑)。
ちなみに、関西地方では構造材に天竜杉を用いるのはあまり一般的ではないように感じます。
これは単に天竜杉の販売促進上の問題でしょう。
今回は、伐採現場と製材所、および貯木場などを見せていただきました。
初めて見た天竜杉の感想は?というと・・・。
良いです。
すごくいい材料ですねぇ~。
正直、あそこまでいい材料だとは思っていなかったのでびっくりしました。
まず、赤身の色が素晴らしい。
奈良県吉野産の杉も、赤身の色が大変美しいことで知られていますが、天竜杉は吉野杉の赤より少し黄色味を帯びた感じのとても美しい赤身でした。
そして、年輪の間隔がとても詰まっています。
吉野産の杉と比べても、全く遜色ありません。
静岡県産材、おそるべしです。
天竜では、新月伐採材を徹底的にデータ管理しています。
上の写真を拡大して見てもらえればお分かりかと思いますが、一本一本全ての木の木口にバーコードのラベルをステープルで貼り付けて、
〇 材料固有の管理№(←一本ずつ全て異なる)
〇 伐採した年月日・時刻
〇 伐採した地球上の位置(緯度・経度)
〇 伐採時のおよその樹齢
などを記録として残しています。
そしてこのデータ作成のために、新月伐採時にはNPO新月の木国際協会の現認者の方に立ち会っていただいて認証を受けるというシステムです。
いや~素晴らしい。
恐れ入りました。
このことを教えてもらって、帰ってきてからすぐに僕も新月の木国際協会に入会しました。
天竜のみなさんに、僕自身も新月伐採&葉枯らし材での家作りに取り組んでいること(←現時点ではまだ試験段階ですが)、静岡市内で林業家と一緒にやっていて、それを主に関西で使おうとしていることをお話したところ、
「みんなで一緒に新月伐採を広げていきましょう!」
と快く全ての質問に答えていただきました。
天竜のみなさん、本当に勉強になりました。
どうもありがとうございました。
日帰りで早朝からみんなで(←総勢5名)静岡まで行った甲斐がありました。
新月伐採はまだ研究開発の途上で、正直よくわかっていない側面もたくさんあります。
ただ、伐採時期・葉枯らし乾燥期間などの違いによって、腐りにくい・虫に食われにくい材料になるらしい、ということは実証されています。
上の写真はそのことをさらに詳しく調べるべく、天竜の材木商・榊原商店さんが伐採日を細かく変えて杭を作り、昨年から地中に埋めている試験体です。
来年あたりにこれらの杭を引き上げてみて、伐採日と月の満ち欠けの関係・虫害や腐朽の具合などを細かく報告して下さるそうです。
今から楽しみです。
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世界に、300年先も美しい風景を
私の住んでいる下田市横川ですが、家の前に大きな杉の木(80年)10本ありますこれを伐採したいのですが
方法はありますか、前は耕作していない畑と山です。
教えていただければありがたいです。
森川さん、はじめまして。
コメントありがとうございました。
ご質問いただいた文面だけだと、状況がちょっとよく判らないのでお答えしにくいのですが、一度こちらからご連絡差し上げますね。
どうぞよろしくお願いします。