上の写真に写っているお椀、仕上がりがお互いにかなり違いますが、どちらも同じ木地に国産の漆のみを塗って仕上げたお椀です。
(下地の段階で着色等は施していませんし、右側の器だけに研ぎ出しをしたわけでもありません。)

これを見せてもらって、僕は
「なんじゃこりゃ?」
と、すごくびっくりしました。
(ぜひ画像をクリックして、拡大してから見てください)

両者の違いは、産地と漆の採取時期だけなんだそうです。
それで漆の質がこれだけ変化するんですね。
奥が深すぎます。

これを作られたのは、香川県で国産漆だけを使った漆器などを作り続けている、和うるし工房あいの松本和明さん・宮崎佐和子さんのご夫妻です。
僕もはじめて知りましたが、国産の漆だけを使って漆器づくりをされている方は日本にもほとんどいないそうです。
( ↑ ほとんどのみなさんは、中国産漆、または中国産+ちょっとだけの日本産漆を使って製作をされているとのこと)

現在、京都・高島屋6階で個展(展示即売会)を開催されているので、京都へ行った折に僕も足を運んできました。

松本さんとお会いしたのは初めて(←愛媛県西条市のだんじり狂・Kさんにご紹介いただきました)でしたが、すぐに打ち解けて怒涛のように漆に関するお話を聞かせてくださいました。
松本さんは漆の質に深くこだわって、ご自身で山に入って行き、漆を掻くこともあるそうです。
今回は本当にいろんなことを教えていただきました。

ここでは書ききれないほどの情報量だったので、お伝えできないのがとても残念ですが、もし興味がある方はぜひ京都高島屋へ足を運んでみてください。
松本さんが作られている国産漆だけをふんだんに使った美しい仕上がりの漆器は、ため息が出るほどに美しく、とても静かな存在感に満ちています。

会期は8月29日(水)~9月4日(火)
会場は高島屋京都店(四条河原町にあります) 6階特選工芸ギャラリー

僕はこのフリーカップ(↓)を3つ買ってきました。
本当は漆のビールグラスが欲しかったんですけどね(笑)・・・。

(上の写真は和うるし工房あいのブログからお借りしました)

 

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

2 thoughts on “

  1. 応援団の K

    おっと、 どうもクシャミが出ると思っていましたよ。
    「あい」工房さんの作品は漆業界でも特異な存在だと思います。=良い品だと言うこと
    良い品を入手されましたね。
    漆製品の苦手なことは直射日光の紫外線。電子レンジもダメ。強く擦るのと漬け置き洗いも止めた方が良いです。
    漆製品は痛んだら修理が出来ますから一生使えると思いますよ。
    毎日使ってみてください。MY-漆製品を使い始めたら、きっと漆ファンになりますよ。
    私の失敗談
    インスタント焼きそばを作るのに、漆の塗り箸を使っていたら、先端が剥げてしまいました。 でも、自分で漆を塗って直しました。もちろん、今でも毎日そのお箸を使っています。愛用のMY-お箸です。

    返信
  2. さとう

    Kさん、コメントありがとうございます。
    >「あい」工房さんの作品は漆業界でも
    >特異な存在だと思います。=良い品だと言うこと
    そうですね。
    松本さんとお話ししてから、漆製品を観る目が変わりました。
    工芸品販売のお店などに行って見てみると、質感の違いがはっきりわかります。
    (中国製漆を使った製品に高いお金を出すのがアホらしくなってきました)
    一度徳島の工房にもお邪魔してみたくなってきました。

    返信

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