昨年の末、いつも懇意にしている木製建具屋さんにお願いをしました。
「お客さんに框組戸とフラッシュ戸の違いを説明をする時に
いっつも困るんですよ。
写真を見せるしかなくて、いまひとつピンと来ないんですよね。
小さなものでいいので、申訳ないんですがサンプルを作っていただけませんか?」
というお願い。
特に急ぎの用ではなかったので、頼みっぱなしでそのままになっていました。
しかしそれを建具屋さんがちゃ~んと作ってくれました。
しかも、僕がお願いしたものから30倍くらいパワーアップして(!)。
あまりに素晴らしいのでご披露します。
← これがその説明用建具セット一式
(合計6枚)
手前に置いているのはA3大の図面です。
(大きさが良くわかるでしょ?)
← そしてこれら6枚の建具セットは
持ち運びやすいように
キャリングケースに
納まるようになっています。
← 建具サンプルその1/框組格子戸
材料:米ヒバ
透明ガラス、型ガラスの違いがわかる
ように、3種類のガラスが入っています
← 建具サンプルその2/框組硝子戸
材料:ピーラー(米松)
← 建具サンプルその3/
スリット入りフラッシュ戸
材料:シナベニヤ
← 建具サンプルその4/紙貼り障子
材料:赤杉 (吉野産の杉の赤身)
僕が一番好きな建具です
←建具サンプルその5/めくらフラッシュ戸
材料:シナベニヤ
← 建具サンプルその6/
框組板戸(雨戸式)
材料:杉
デザイン、材料、構法の違いが良くわかるように、それぞれ別の材料(樹種)で作り分けてくれました。
もう感激!これから大活躍してくれることでしょう。
ついこの前の日曜日に、現場で西宮のクライアントMさんと打ち合わせをしたときにも早速活躍してくれました。
何よりも話が早いしわかりやすい!
百聞は一見に如かず、ですからね。
これを作って下さったのは、株式会社塚本建具の塚本さんです。
僕は塚本さんと知り合ってからまだ5年くらいしか経っていませんが、この方は間違いなく世界でもトップレベルの建具屋さんです。
会社の規模は決して大きくありませんが、技術力、センス、勘所、仕事の確実性など、僕は全幅の信頼を置いています。
(同じように感じているのはきっと僕だけではないと思いますが 笑)
本当はここで塚本さんの連絡先などをご紹介したいのですが、ここに掲載してしまうと
「上の建具セット、うちにも作ってくれ」
という人が絶対に出てきて、塚本さんを困らせてしまうと思うのでやめておきます。
(塚本建具さんにはホームページもありません)
ちなみにこの建具セットは、うちともう一社、塚本さんのご友人の設計事務所の方のために作って下さったそうです。
塚本さん、本当にありがとうございました。
(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を
佐藤さん、素晴らしい建具屋さんとお知り合いですね。建具の打合せでは、私もお客さんのイメージがつかめず、面材のサンプルを何種類も取り寄せて苦労した経験があります。
小川さん、コメントありがとうございます。
みなさん、きっと同様のご苦労をなさっているのでしょうね。
建材メーカーの既製建具を使っていればこんな苦労はしませんけどね。