昨日、奈良県御所(ごせ)市へ行ってきました。
毎月1回ずつ(?)開催されている御所町(ごせまち)講座の講師として、町並とか建築について話して欲しいとの依頼を受けていて、その下見に行って来たのです。
参考に、と御所の古い町家3軒を見学させて頂くことができました。
(註:一般には公開されていません。今回は地元NPOの委員会メンバーの方が前もって話をつけておいて下さったので見せていただくことができました)
御所の町並はあまり有名ではありませんが、手付かずの民家がゴロゴロしていて、中には築後200年以上経過したものもいくつかあります。
冒頭の写真は今回見せていただいたお宅のうちの一軒です。
このお宅は、もともと旅館を営んでおられたそうで(←現在は旅館業を行っていません)、立派な中庭(↓)がありました。
その他に2軒、合計で3軒のお宅を見せていただいたのですが、最後のお宅はとても風流な民家でした。
玄関や、みせの間からは一見普通の民家のように見えるおとなしいデザインにしてあるのですが、奥へ入るほどに風流なデザインになっていくように設計されていて、作者(棟梁)やクライアント(施主)の意図がはっきり伝わってきました。
築後250年以上を経た民家(大和棟)だそうですが、化粧丸太仕事が随所に施されていて、襖の縁には春慶塗が、障子の腰板や襖紙にはいろんな絵が描かれており、使われている材料もかなり気合の入ったものばかりでした。
僕も数多くの民家を見てきていますが、築後250年も経った古い民家で、このように風流なデザインを施したものは初めて見ました。
外観はごくごく普通の大和棟型民家なのですが、中はまるで隠居用につくった山荘のような佇まいでした。
きっとこのお宅を作った方は、大変洒落っ気に富んだ方だったのでしょう。
御所町講座の僕の担当日程はまだ決まっていませんが、また決まりましたらお知らせします。
もしよければ来て下さい。
【お知らせ】
3/11(日)に伊丹市で民家のセミナーを行います。詳しくはこちら
(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を
御礼が遅くなりました。
御所の中井です。ご足労頂いて、本当にありがとうございました。
例の3件目の大和棟民家は、これまでも研究者や建築家が見てこられましたが、
佐藤さんのようなユニークな(?)見解をされた方はおられませんでした。
「一部改変があるが、当初の形がよく残っている」「御所の中では最も古いタイプでは」という風なことは、素人の私でも分かります。
でも、木の質や造作を見て「風流」というのは、考えてもみませんでしたし、説明を受けて「なるほどな~」と納得できるものです。
さすが、木を見たり、棟梁の気持ちを推し量ったりする目のある方だなあと、思った次第。
お世辞でなく。
何はともあれ、ごせまち講座、本当に楽しみです。
よろしくお願いします。
佐藤さん。御所の中井です。
御礼が遅くなりました。
先だっては、わざわざご足労頂きまして、本当にありがとうございました。
3件目の大和棟民家は、これまでも研究者や建築家らが見に来られましたが、
佐藤さんのようなユニークな(?)見解をされた方はおられませんでした。
「一部に改変はあるが、当初の形をよく残している」「御所の町家の中では最も古いタイプ」ということは、素人の私でも分かります。
でも、木の質や造作を見て「風流」というのは、考えもしませんでしたし、「なるほどな~」と得心できる説明です。
さすが、木を見たり、棟梁の気持ちを推し量ったりすることのできる目がある方だなあと、感服しました。
お世辞でなく。
ごせまち講座、とても楽しみです。
どうぞよろしくお願いいたします。
二重に投稿してしまいました~
書いたのに、消えてしまったと勘違いしたので。
内容は一緒ですが、微妙に違う。。。
失礼しました。
中井さん、さとうです。
コメントありがとうございます。
研究者はともかく、建築家が見れば僕と同じような観方をするハズだと想うんですが、木造にあまり馴れていない方だったんでしょうね。
木造では材料・樹種の選択に作り手の思いを込めるというのが常套手段なのですが、現代建築ではそのような考え方が少し希薄になってきていますから、それも致し方ないかもしれません。
ここが木造の醍醐味であり、深さなんですが・・・。