数年前からずっと「読みたい!」と思っていた本を、やっと読み終えました。
それは新月伐採に関する本で、オーストリア人のエルヴィン・トーマ著『木とつきあう智恵』です。
この本の中で著者は、木を伐採する日(正確には、その時の月の満ち欠けの状態と季節)が伐採・製材後の木材の性能に大きな影響を及ぼす、ということについて書いています。
自然のリズムに沿った時に木を伐採し、時間をかけて自然な方法で木材をゆっくり乾燥させてから製品化し、木がきちんと呼吸できるような状態で使うということの大切さと、その驚くべき効用についてまとめています。
建築の専門家ではない、一般の方にも理解しやすいような平易な表現で書かれている本ですので、興味がある方にはお薦めです。
先月末に、伊勢で職人がつくる木の家ネットワークというグループの総会があって僕も参加してきました。
(僕もこのグループのメンバーに加えていただくべく、現在審査手続き中です)
この時、静岡県浜松市の石川木材さんが比較実験された、新月伐採材のサンプルを見せていただくことができました。
とても興味深かったのでその時に撮った写真をご紹介します。
(註:この実験を行ったのは僕ではなく石川木材さんです)
下の写真は、満月の時に伐採した木(左)と、新月の時に伐採した木(右)とをほぼ同じ日数だけ葉枯らし乾燥させ、杭状に加工して土の中に埋めて放っておいた結果です。
左の木の根元はシロアリに喰われてしまってボロボロですが、右の木(新月伐採)は何ともありません。
※ぜひ画像をクリックして拡大してご覧下さい。
下の写真も、伐採する時期が違う2本の木を放置してカビの入り具合を比較したものです。
左の木にはカビが入って青黒くなり割れも入っていますが、右の木には全くカビが入っていませんし、割れもありません。
新月伐採は、まだまだ科学的にはきちんと証明しきれていない部分がかなり多いようですが、日本でも林業家が昔は同じことを実践していたようです。
昔の人は、やはり自然に逆らわずに生きる能力に長けていたんでしょうね。
脱帽です。
と、ここまで書いて思い出しましたが、うちの息子(4歳)は新月の日に生まれてきました。
僕は気付かなかったのですが、僕の母親が「新月だよ」とおしえてくれました。
彼も何か影響を受けているのかも?
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