昨日、阪急電車に乗って京都へ行きました。
僕は兵庫県の伊丹市に住んでいるので、京都まで行くためには
阪急伊丹線 → 阪急神戸線 → 阪急京都線
と3本乗り継ぐのですが、神戸線に乗った時、席が空いていなかったので吊革につかまって立っていました。
2日前から読み出したマーケティングに関する本に熱中していたところ、20歳くらいの女の子が携帯電話を片手に僕の後ろを通り過ぎて、少し行ったところで立ち止まり、吊革につかまりながら携帯メールを打ち込み始めました。
その時女の子の目の前に座っていたおじさんが、かすれた声で
「ケータイの電源切ってくれ!」
と言ったのです。
僕は熱中していた本を読むのを止めてそちらの方を見ると、僕は血の気が引きました。
そのおじさんの首からは、下のように書かれた手のひらくらいの大きさのカードを下げていたのです。
【 私はペースメーカーを使っています 】
すぐに僕も自分のポケットから携帯を取り出し、電源を切ったのは言うまでもありません。
その後、おじさんは十三(じゅうそう)駅で降車するまで、緊張した面持ちで常にあたりの様子をうかがい続けていました。
後になって考えると僕が乗っていたのは最後尾・最前の車両ではありませんでした。
そのおじさんもそのいずれかの車両に乗っていれば、もう少し安心して座っていられることができたのかもしれませんが、きっと普段電車に乗り慣れていないのか、または急いで乗り合わせたため、携帯禁止車両にまで行き着くことができなかったのでしょう。
まぁ、そんなことはさておき、自分の携帯が鳴る前に気付いてよかったです。
しかし自分も電車に乗り慣れていて頭では分かっていても、実際にペースメーカーをつけておられる方と同じ車両に乗り合わせたのは初めての経験でした。
おじさんもきっと、身の縮まる想いで電車に乗っていたであろうことが表情から読み取れました。
非常に気の毒に感じるとともに、自分の身の回りのことにもっと気を配らなければいけない、と強く感じた光景でした。
自分にとっては何気ない日常であっても、他の誰かにとっては身の危険が転がっているのかもしれないという事実に直面し、考えさせられました。
あたりまえのことですが、少なくとも最前・最後尾の車両では、携帯電話の電源を切りましょう。