目前に海が広がる家

昨日、神戸市内の方から依頼を受けて、土地を見に行きました。

土地を購入したいと思っているが、敷地に至る道路を車が通ることができないことなど、いくつか気になっていることがあるので実際に見て欲しい、というご依頼でした。



現場までの道のりは途中までは車でも行けるのですが、敷地の手前100M前後のあたりから階段があったり砂利道だったりして、車は通れません。
クレーンで吊って現場に入れることも不可能です。

資材搬入の問題、職人さんの工事用車両の駐車場所の問題、産廃処分の運搬問題など、実際に工事を行う施工面から考えると、この土地はメチャメチャ厳しい条件です。



一方で、実際に住まわれる方(=クライアント)にとっても、生活のために車も使えず、自転車も無理。

つまり、完全に徒歩でしか行き来できない状況ですから、建物が竣工した後も実際の生活に不便を感じることも多々あるでしょう。



しかし。

この土地は海沿いの山の中腹にあり、豊かな植生とともに眼前には海が広がっていて、山からは涼しい風が吹き降りてきます。

ゆったりと生活するロケーションとしては、最高 ♪ です。
これほど恵まれた場所はなかなかないでしょう。



水曜日にうちのスタッフが神戸市役所へ行って、上下水道や建築基準法関係の下調べはすでに完了していて、法律面では建築が可能であることはすでに確認済みです。

あとはクライアントが望まれている規模の建物を作るのに必要な概算費用を算出して報告し、購入するか否かのご判断を頂くことになります。



もうすでに僕の頭の中では、いくつかのイメージが浮かんで動き出しているのですが、あの場所に家を建てるのを考え始めると、とってもワクワクしてきます。

どうなるか楽しみだなぁ~。



【お知らせ-1】
2008年晩秋の新月期に伐採・葉枯らし乾燥させた
静岡産の杉・桧を使って下さる方を募集しています。
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【お知らせ-2】
2007年に竣工した伝統構法の家で、2年間住んでみた
感想を聞く見学会を8/2(日)に大阪府四條畷市で開催します。
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あなたはどちらが好きですか?
30年後に「そろそろ建て替えようか・・・」と言われる家と
「200年前のおじいちゃんが建てたの」と2209年に言ってもらえる家

室生へ行ってきました

水曜日に、奈良県宇陀市の室生へ行ってきました。

以前から大変お世話になっている、美しい暮らしの舎・ゆらきの芦田様ご夫妻に会ってお礼を述べるためです。

芦田様には、今年の2月に事務所名を改称するにあたり、看板や名刺などに使わせていただくための『東風』という文字を書いていただきました。



3月にはその看板も出来上がっていたのですが、業務に追われてご報告に伺うことができないままだったのです。

先週ようやくほんの少しだけ余裕ができたので、このチャンスを逃す手はない!と思い、早速行ってきたというわけです。



で、「出来上がりました」と持って行った看板がこちら(↓)です。

東風

 

 

 

 

 




文字は先述の芦田様が孔雀の羽を束ねた、とても特徴的な筆を使って
書いてくださったものです。

板は愛媛県のKさんがお祝いにと贈って下さった桜の古材を削り直して
木裏使いにしています。
(Kさん、どうもありがとうございました。感謝)

拡大して見て頂くとわかると思うのですが、この板の右上には節になる
寸前の杢(枝の年輪)が出ています。

これが右から左へ流れる景色を作っているのを見て芦田様が、
「名前が東風なら、やはりこの向きで使われたらどうですか?」
とご提案いただいたのですが、それが大正解でこの杢はまるで銀河(=小宇宙)のようです。

最近うちの事務所に来られた方はご存知だと思いますが、この看板は
玄関内側の壁に掛けてあります。



と、話がそれてしまいましたので元に戻します。

室生は伊丹よりもずっと涼しくて、山から降りてくる風や川のせせらぎの音がとても心地よく、僕は着くと早々に図々しくも庭先の丸太のベンチで昼寝をしてしまいました(笑)。

写真を撮ってきたかったんですが、あまりにも心地よくて、もう写真なんてどうでもいいや~という気持ちになってしまったので、今回は写真がありません。
すみません。



芦田様のお宅は、築350年を経過した素晴らしい古民家です。

大分以前に重要文化財に指定されそうになったこともあったそうですが、当時の当主の方が断られて個人所有のままだったのを、数年前に縁あって芦田様が譲り受けられて現在に至っています。



教育のこと、食のこと、生活のこと、木のこと、そして建築のことなどについて、芦田様とゆっくりいろんなお話をさせていただいて、とても豊かな時間を過ごさせていただくことができました。

芦田様の奥様は、使われなくなった日本の古い着物を解体して、とても独創的な洋服に仕立て上げたものを上海で販売されています。

その洋服をいくつか見せていただいたのですが、どれもすごくセンスが良くて、その斬新さに驚きました。

僕も大島紬を使ったシャツを一枚作っていただけることになり、今度お伺いするのが楽しみです。



芦田様、どうもありがとうございました。



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古材の仮組み

世田谷の古材


 


 


 


 


 


 



東京都世田谷区で進行中のリフォーム現場より、古材(補強梁)の仮組み写真が届きました。
クライアントの奥様が撮って送ってくれた写真です。

遠隔地なので、古材の選定にも立ち会うことができず、実はハラハラしっぱなしだったのですが、クライアント夫妻のセンスの良さに助けられてどうやらちょうどいいサイズのものが選ばれたようです。

現場監督さんから材料の寸法(太さや巾)を聞き、部材一本ずつの表情を見て安心しました。



土曜日の夕方には上京して現物とご対面です。
今から楽しみ ♪

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京都のオススメ 正傳寺

今日は一日、京都市内に居ました。

市役所~クライアント宅~現場~大工さんと打合せというスケジュールだったのですが、昼過ぎに少し余裕があったので久~しぶりに北区西賀茂にある正傳寺(しょうでんじ)へ行って来ました。

ここは比叡山の借景が眺められる庭が特徴です。

比叡山の借景、と言うとやはり有名なのは円通寺でしょうが、この正傳寺は円通寺とはまた少し違った味わいがあります。

何より嬉しいのは、まずめったに人が来ないこと。



京都市内の優れた庭のあるお寺で、これだけ人が来ないお寺も珍しいのでは?と思いますが、とにかく美しい景色を見ながら、ひたすらに
「ぼ~っ」
としたい時にはとってもオススメです。



このお寺はいわゆる京都『通』の方でも意外と知らない方が多いと思いますが、実は桃山城の遺構を移築したと言われる由緒正しきお寺で、しかも作庭は小堀遠州とくれば、

「ナニ?それはぜひ行かねば!」

とある種のスジモンにはきっと響くことでしょう(笑)。



本当はこの後紹介する写真をみなさんにお見せしたいのですが、ここまでの文章を読んで

「ぜひ行ってみよう!」

と思ってくださった方には、当地でその感激を味わっていただきたいので、ちょっと控えめに公開します。
写真を見てみたい方は、下のリンクをクリックしてみてください。

正傳寺(しょうでんじ)の方丈から見た比叡山の借景は・・・
(注)本当に行くつもりの方はクリックしないで下さい。楽しみが半減します。
→ こんな感じです。


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散歩×読書

今朝も散歩に行って参りました ♪

今週前半でこれまで抱えていた仕事が大きな山場を越えたので、少し気持ちに余裕ができたせいか、先月まではなかなかできなかった読書とか、散髪とか、体のメンテナンスなどを行っています。

会いに行きたかった人にも来週あたりに会いに行っておかないと・・・。
またすぐに忙しくなってしまいますからね。



散歩に行く前に、今読みかけの本を読んでいるとam5:30になり、

「さ~てそろそろ散歩に行くか」

と思った時にふと気付いて、今日は本を持って散歩に行きました。



僕がいつも歩いてくるのは瑞ヶ池(ずがいけ)という池の周りの遊歩道で、いたるところにベンチがあります。

なぜいままでこんなことに気付かなかったのか不思議で仕方ないのですが、散歩に行った時にベンチに座って読書するのはとっても気持ちいいのです。

30分くらいのんびりと広い場所で、ゆったりと本を読んでいました。



すると面白いもので、なぜか今日はいろんな人が声を掛けて下さったんですよね。

歩いている途中とか、ベンチで本を読んでいる最中とかに。

もちろん、声をかけて下さったと言っても
「おはようございます」
という挨拶だけなんですが、とっても清々しい気持ちになれて、朝からいい気分です。
本当にありがたいことですね。



公園のベンチで本を読もうと座ってみると、実はベンチの回りにいろんなゴミが落ちていることにも気付きました。

吸殻とか空き缶とか。

明日はゴミ袋を持って行って、ベンチの周りだけでもきれいにしてこようっと。



このブログを読んで下さっているあなたにも、朝の散歩をぜひお勧めしたいのですが、さらに散歩×読書はお勧めですよ。

一度お試しあれ。



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なぐり加工の動画

なぐり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

6/23に京都市内の中儀銘木店さんの協力を得て行った、
杉の化粧なぐり加工の動画を先ほどYoutubeにアップしました。

出来上がりの製品や板材などを見る機会は割とあると思いますが
製作工程の動画はかなり貴重です。

興味のある方はぜひ覗いてみて頂けると嬉しく思います。

→ 杉の化粧なぐり加工



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ホーローの実力

昨日の夕方、京都市内での打合せの後にタカラのショールームへ行きました。
鋳物ホーロー浴槽のユニットバスを確認するためです。

僕はこれまで鋳物ホーローの浴槽は使ったことが無いので知らなかったのですが、ホーローの実力にオドロキました!



タカラのショールームでは、展示されている鋳物ホーロー浴槽に赤マッキー(極太)を使ってスタッフの方が遠慮なくゴシゴシと落書きをしていきます。

「え~、そんなんほんまに消えるんか?」

と半信半疑で眺めていたところ、なんと水をかけてスポンジでゴシゴシこすると簡単に赤マッキーが全て落ちてしまいました。

「・・・!!!」

って感じです。



しかも、「洗剤一切無しで」、ですよ。
特に力を入れてこすっていないのに、ですよ。

すごいです。
鋳物ホーロー浴槽。



浴槽はやはり高野槙(こうやまき)が最高 ♪ という僕の好みは変わりませんが、
メンテナンスを考えると、

「鋳物がいいかも・・・」

と思います。
ぜひお試しあれ。

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事務所にヌカドコ?

建築とは全然関係ない話で恐縮ですが・・・。

昨日、糠床が届きました。
漬物大好きな僕は、以前から
「ヌカドコが欲しい・・・」
と思っていたのですが、無精者なので絶対に腐らせてしまうと思い、躊躇していました。

しかし、このブログを読んで下さっている中将さんなどから、
「手を入れない時は、冷蔵庫に入れておけば2週間くらい大丈夫!」
と聞いて一気に火がつき、2週間ほど前に東京出張で実家へ帰った折、母親に相談。

本当は0から自分でヌカドコを作りたかったのですが、
「美味しく漬かるようなヌカドコになるまでに時間がかかる」
と母に諭され、ヌカドコを作ってもらいました。

で、昨日届いたのがこのヌカドコです。

実は漬物用のホーローの容器は、自分で2年位前に買っておいたものです。
ようやく日の目を見ることができました。

早速今朝も手を入れて糠をかき回し、ナスを1本漬けてみました。
5:30に入れたのですが昼ごろまで漬けておいてみようと思います。

胡瓜・生姜・ナスなど、いろんなものを少しずつ試してみます。
これで漬物に困らないと思うと、より一層ビールが美味しくなってきます(嬉)。

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静かな瀬戸内海と民家

土曜日の昼から、広島県福山市内海町に行ってきました。

8月下旬に開催を予定しているNPO法人・日本民家再生協会(以下、JMRA)の
イベント準備のための下見、および現地スタッフとの打合せのためです。

内海町から眺める海はとても穏やかで、まるで池みたいでしたよ。

内海町は瀬戸内に面した小さな島ですが、本土との間に橋がかけられたおかげでとてもアクセスしやすい場所です。

ここに住んでいらっしゃるJMRA会員の藤原さんのお宅(←築200年の古民家)に泊めて頂き、採りたての美味しいヒラメの刺身まるごと1匹や鯛の塩焼など、海の幸を存分に味わって、ちょっとのんびりさせていただきました。

現地では藤原さんの他に、いつも献身的に活動を支えてくださっている松広さん、僕と一緒に行ってくださった小川さんの4人でイベントの計画に関する話をしたほか、定年を迎えるシニア層が抱える問題などについても興味深いお話をお伺いしました。

そんな中で藤原さんから、「近くにある民家を知人から買い取って改修したいと考えている」と聞きました。

そこでふとひらめいて、ちょっと面白い計画を提案しました。
一棟、海辺の民家を買うことになりそうなのですが、JMRAの活動にとっても有益で、たくさんの方に喜んでいただけそうなプランができそうです。

ちょっと今はまだ公表できないのですが、これから企画書を書いて7月には常任理事会で検討し、8月には具体化に向けて動きたいと思っています。

発表できるようになったらこのブログでもみなさんにお知らせします。

海辺の民家で安く、ゆっくりと時間を過ごしていただける、ちょっと面白い計画です。
どうぞお楽しみに ♪

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天井の形と間接照明

一般に【照明】というと
【 天井面に器具を取り付けて、下方を照らすこと 】
という、暗黙の共通イメージをみなさんお持ちだろうと思います。

ところがこのような一般的な照明方法は、吹抜けの場合や梁組みが見える天井(※)などではとても相性が悪いのです。
※ 2階の床板と梁とが両方とも化粧として露出している場合

梁と天井面との間には梁の高さ分の段差があり、天井面に照明器具を直接つけてしまうと、陰影が強くなりすぎて、床面は確かに明るいけれど部屋全体としてみるとなんだか暗い・・・、という雰囲気になってしまうことがあります。

そういったケースで僕がよくご提案するのがこういう形(↓)です。

上の写真は京都府与謝郡にある飲食・遊技場(カラオケ・ビリヤード)の玄関の見返し側壁面に設置した照明です。
この物件は築後約80年経過した建物を改修し、飲食店として営業されています。

また西宮市内で昨年竣工した住宅では、造り付けの下足箱を利用して
こんな形(↓)の間接照明も行っています

このように光を上方のみに向けて照射すると、一旦天井面や壁面に反射してから光が下向きに落ちてくるので、とてもやわらかな雰囲気を演出することができます。

確かに本を読んだりするのには十分な明るさとは言えませんが、部屋全体を落ち着いた感じで照らす時に、このやり方はとても重宝します。

また、このような間接照明以外にも補助照明器具(フロアスタンドやスポットライト)も併設しておけば、リビングやダイニングなどでも読み書きする時/くつろぐ時とで照度を切り替えて使い分けると、空間の雰囲気ががらっと変わります。

間接照明にもいろんなやり方があります。

「間接照明=コストがかかる→あきらめよう・・・。」

と、早急に諦める方もいらっしゃるかもしれませんが、こんな形で設置すると、ランニングコストもイニシャルコストもかなり安く抑えられます。

これから設計に取り掛かったり、今まさに設計中、という方はこんな方法も検討されてみてはいかがでしょうか?

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