解体工事中@明石

今週の月曜日から、明石市内で解体工事に着手しています。

年末に竣工予定の木造2階建て新築住宅を設計中なのですが、建物が建つ予定の位置において地盤調査を行うためには、既存建物を撤去しなくてはならず、まず解体に着手しました。

 

解体1

 

 

 

 

 

 

 

 

 


外部には防塵・安全のために足場を立てて、シートで覆います。
近隣の皆様にはしばしご迷惑をおかけします。
申訳ありません。

 

解体2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋根の瓦を降ろした後に、屋根の上から撮った写真です。

この後で既存建物がなくなってしまうのですが、その前に2階からの景観(眺め)を記録しておこうと思い、屋根に上って周囲のパノラマ写真を撮っておきました。
(ここではご紹介しませんが・・・)



今回のクライアントであるK様は、僕の大学の先輩です。
( ↑ もちろん、在学中にはお互い交流などはありませんでしたが)

うちの大学も学生数は多い方なので、そこら中に先輩や後輩がいるはずなのですが、社会に出てからはなかなか同窓生にお会いする機会って無いものですね。
(っていうか、聞いてないから知らないだけで、実は身の回りにわんさかいてはったりして?)



Kさん宅は、ご主人のご意向で、室内に積極的に段差を設けた空間になる予定です。

かなり個性的な空間になりそうでわくわくしますが、その一方でいろいろと難しい面も出てきます。

現在は基本設計の最終局面ですが、今週末に3Dイメージを用いてプレゼンテーションを行う予定です。
出来上がったらまたご紹介しますね。

どうぞお楽しみに。



【お知らせ】

3/13(土)-3/14(日)の2日間にわたり、京都市左京区で
新月伐採材を使った石場建て伝統構法住宅の完成見学会を行います。
詳しくはこちらをご覧下さい。

構造材は全て、新月期(下弦の月~新月の時 ↓ )に伐った木で作りました。
そのあたりのお話も当日ご紹介します。お楽しみに

下弦の月s

 

 

 

 

 


 

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

夜景/天然乾燥・葉枯らし材でつくる伝統構法の家@京都市

一昨日の夜、京都市N邸でNさんご夫妻と外構の打合せをしている時に、夜の建物をまじまじと見る機会がありました。

奥様から
「さとうさん、階段めっちゃきれいですね」
と言われてふと思いつきました。

見学会の時に夜景を見てもらうのも良いのでは? と。

 

実は東風でつくる建物の多くは、夜に外から見ると建物の中の木組みが間接照明に照らし出されて、昼間とは表情が全く逆転してなかなかいい感じになるのです。

今回のNさん宅の夜景写真はまだ撮っていないのですが、東風のホームページでは神戸のSさん宅の夜景写真を掲載しています。

参考までにご紹介しますと、昼間はこんな感じですが、夜になるとこうなります
ねっ?表情が一変するでしょう?

 

ご多分に漏れず、Nさんのお宅も夜景がとっても魅力的です。

ということで、見学会の開催時間を下記の通り少し延長しました。
【終了時刻両日共に 18:00→20:00に延長】

もちろん、昼も来て、夜も来る、というのも大歓迎です(笑)。

 

本日は階段の夜景写真のみご紹介します。
(三脚・ストロボを使わずに撮ったので、若干ブレてますがご容赦下さい)

stairs

このお宅の家づくりの全容は木造建築 東風(こち)の以下のページでご覧になって頂けます
→ http://www.mokuzo-architect.jp/works_kyoto1.html

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内子町のみなさん、ありがとうございました

ご報告がすっかり遅くなってしまいましたが、2/19(金)に愛媛県の内子町で講演をしてきました。

NPO法人・日本民家再生協会を通じて「手仕事に関する講演をしてほしい」、というようなご依頼を頂いた折、僕にそのお鉢が回ってきた訳なのですが、どうやら何とか無事役回りをこなせたようで、ほっとしています。

夕方18:00から約1時間半の講演だったのですが、当日は朝一番の飛行機で伊丹から松山へ飛び、9時半ごろには内子町へ入ってたくさんの地元の方にお会いしていろいろと案内して頂きました。

(中岡さん、児玉さんはじめ、みなさまお世話になりました。
 本当にありがとうございました)

おだの匠1


 


 


 


 


 


おだの匠2


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 



上の写真は、内子町の中の小田地区で移住促進&空き家古民家活用のための活動を行っている【おだの匠】のみなさんの活動です。

地元を活性化しようと、地元の建設業者のみなさまが協力し合って築140年の古民家を10年間借りて改修し、古民家体験宿泊施設として運営されているお話を伺いました。



その後、内子町内で木造平屋建ての内子中学校や重要文化財の芳賀家を見学させて頂くことができました。

芳賀家ではご厚意から非常にめずらしい木工品を見せて頂くことができて、とても感慨深い思いでした。



講演では、これまでに僕が手がけた古民家再生物件事例紹介の他、来週末に見学会を予定している京都市N邸での家づくり(新月伐採と伝統構法)などについて、スライドを基にお話をさせて頂きました。

会場には約40名ものみなさまが聴講のために足を運んで下さり、ビックリ!

僕は失礼ながら「10-15名くらいでこぢんまりやれればいいかな?」などと思っていたので、こんなにたくさんのみなさまが集まって下さって大変光栄に感じました。

当日の聴講者の中には、いつも僕のブログを見て下さっているという方のご主人からお土産まで頂き、さらにビックリ!!
(保積さん、ありがとうございました)

後日、その反応を担当の中岡さんが連絡して下さったのですが、地元の建設業関係者のみなさまからも概ね好評だったとうかがい、胸を撫で下ろしました。



今回は慌しいスケジュールだったのですが、内子町内の石畳という地区に星が写りこむとても美しい池と屋根付きの橋がある、ということを教えて頂いたので、今度は改めてゆっくり内子を訪れてみたいなと思っています。

大洲の臥龍山荘や内子座にも行きたいな。

みなさま、本当にお世話になりました。
心より御礼申し上げます。





【お知らせ】

3/13(土)-3/14(日)の2日間にわたり、京都市左京区で
新月伐採材を使った石場建て伝統構法住宅の完成見学会を行います。
詳しくはこちらをご覧下さい。

新月伐採


 


 



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京都市/伝統構法×新月伐採の家 完成見学会を行います 3/13(土)-14(日)開催

N邸外観

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

N邸内観

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  上の画像はクリックすると拡大表示されます

 

 

 

京都市で、昨秋から着手していた石場建て伝統構法型住宅が竣工しました。
建築主であるN様ご夫妻のご厚意により、完成見学会を開催させていただくことになりましたのでご案内します。

 

-自分たちがいなくなった後でも、後世に渡ってずっと誰かが引き継いで
 住み続けてもらえるような家にしてほしい-

 

このお宅は建築主であるN様のそんなご要望から、最低200年は使い続けられるように・・・
と考えて設計しています。
このようなN様のご意向を実現するために、石場建ての伝統構法(※1)という工法をご提案したのは、とても自然な流れでした。

 

(※1)
石場建てとは
石の上に直接柱が載っているだけで、基礎と建物とが金物などで緊結されていない工法のこと

 

伝統構法とは
現時点では正確な定義づけはまだされていないが、筋交いを用いずに、
貫と土壁と木組みだけを耐震要素とした柔らかい木構造のことを指すことが多い
在来工法と対比し、構造的に別の性質を持つ伝統的な構造体を指すために用いられている

 

 

 

だから、
○ 構造はわかりやすく
○ デザインは流行を追わずシンプルに、木の美しさが引き立つように控えめに。
○ 全ての木材の呼吸を妨げないように。
○ 壁は土と竹だけで、構造体には釘を一本も使わずに、
という考え方を建物の隅々まで貫いています。

 

 

 

この家に使用している構造材は、全て自社で伐採から行ったものを使用しています。

 

木を伐るのに一番良いとされる、晩秋の新月期(しんげつき※2)に全ての木材を伐採し、その後4ヶ月間葉枯らし乾燥させた後に1年自然乾燥させたものを使っています。

 

伐採の際には、建築主であるN様もわざわざ静岡の山まで見学に来て下さいました。
(※2)新月期とは下限の月~新月の前日までのおよそ一週間の期間のこと

 

 

 

このような木材の作り方は、木の特性・能力や生命体が本来持っている、宇宙のリズムに逆らわない、とても素直でやさしいやり方です。
現在の木材市場では、一般に伐採直後の材木を含水率が非常に高いままで乾燥庫に搬入し、重油を1-3週間焚きっぱなしにして人工乾燥させるというやり方が主流です。

 

そんな中で、今回のような取り組みは古臭いようにも思えるかもしれません。

 

ゆっくり乾かした自然乾燥材を使い、大工さんが手刻みで作った構造材を金物は使わずに栓だけで組み上げ、竹小舞を編んで作った建物は、工法としては何の目新しさも無く、昔から日本各地で当たり前に行われてきた建物の作り方だからです。

 

 

 

しかしそうやって作った建物が放つ存在感はどっしりとしていて、とても穏やかです。

 

ものすごく当たり前に作った家ですが、ぜひ現場で木と土の質感を味わってみて下さい。

 

 

 

今回の完成見学会には、建築業界関係者の方も参加していただいて構いません。

 

ただし専門家向けの時間帯は3/13(土)の午前中のみとさせて頂き、一般の方向けの見学時間とは別にさせて頂きます。
(業界関係者の方と一般の方とでは質問内容などが全く異なるためです。ご理解をお願いします)

 

<開催日時>
専門家(建築業界関係者)向け・・・3/13(土) 10:00-12:00
一般の方向け          ・・・3/13(土) 12:00-20:00 および
                     3/14(日) 10:00-20:00

 

<開催場所>
京都市左京区
※参加申込を頂いた方には、現場の住所や担当者の連絡先をお送りします

 

→ 参加お申込はこちらの問合せフォームからどうぞ

 

 

 

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屋根のスカイライン/天然乾燥材でつくる伝統構法の家@京都市

昨日はとても暖かい日でしたね。

どうやら花粉がたくさん飛んでいたようで、くしゃみや鼻水がひどくなりました。
これからしばらくは悩まされそうです。

青空には瓦と漆喰の組合せが映えます。

軒先に雨樋が無いので、屋根の一文字瓦のラインがすっきりきれいに見えました。

kawarakyoto

京都市N邸にて

このお宅の家づくりの全容は木造建築 東風(こち)の以下のページでご覧になって頂けます
→ http://www.mokuzo-architect.jp/works_kyoto1.html

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玄関の格子戸/天然乾燥材でつくる伝統構法の家@京都市

genkankoushi

昨日、京都市N邸の木製建具吊込み作業を行いました。
上の写真は夕方に撮った、玄関の片引き格子戸の写真です。
靴脱ぎ石も座り、養生されて見えなかった式台も姿を現わし、土間も仕上げてきたので、一気に玄関らしくなってきました。
(↑ このあたりの写真はまた後日)

と思いきや、現場はまだ土壁が乾いていないので、木製建具がすぐ狂ってしまう状況です。
よって、全ての建具は一旦建具屋さんが持ち帰って預かってくれています。
(当然、この写真の建具も持ち帰りです)

この家ももう少しで完成です。

このお宅の家づくりの全容は木造建築 東風(こち)の以下のページでご覧になって頂けます
→ http://www.mokuzo-architect.jp/works_kyoto1.html

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古い石を使いましょう/天然乾燥材でつくる伝統構法の家@京都市

古材の再利用、と言えば古民家の黒く煤けた梁や柱などを思い浮かべると思うのですが、石も忘れてはいけないものです。

石は木に比べると、目に見えて古びたような感じは出にくいものですが、それでもやはり新しく切り出してきた石と使い古された石とを比べると、表情が全く違います。

stone
上の写真は京都市N邸の玄関に据える予定の靴脱石で、以前Nさんのお宅の敷地内に建っていた家で使われていた古い白御影石で、表面は叩いて仕上げられています。
写真ではよくわからないと思うのですが、長年のうちに角張ったところが無くなって丸みを帯び、色もこなれてとても柔らかい雰囲気になっています。

きっとこれが玄関土間に座ったら、いい感じになると思いますよ。

錆御影や鉄平石など、鉄分を含有しているために錆が出てくる種類の石などは、古びているととてもいい表情になってきます。

大きな石はとても重いので、運ぶ時にワイヤーを使ったりすることで傷がついて、表情を損ねてしまうことがあるのですが、古い石が座るとドシッとして落ち着いた雰囲気になりますね。

あなたのお宅にも、庭に埋もれた古い石があったら、積極的に使ってみられてはいかがですか?

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階段の手摺/天然乾燥材でつくる伝統構法の家@京都市

京都市N邸では階段の手摺が取付きました。

実は先週のNさんご夫妻との打合せを行うまでは、玄関につける手摺を丸太で作ろうかと考えていたのですが、実際に丸太を現場に持ってきてやってみたら室内の雰囲気に合わなかったので、玄関の手摺は中止に・・・。

そこで階段の手摺を北山杉の小丸太にすることにしました。

stairs_0213_1

北山杉の磨き丸太は自然の木の皮をむいて磨いたものなので、根元の方(1階の上り口)ではちょっと太目ですが、末口(2階の上がりきりの部分)では細くなっています。
stairs_0213_2

上の写真は中間付近での手摺の拡大写真です。
ご覧のようにこの木は小さな入節が多いのですが、わざとこういう木を選びました。

和室の床柱などでもそうですが、つるっとした節の無い木は表情に乏しいので、象徴的な存在になる木の場合には、わざと小さな入節や筋(絞り)が入っているものを用います。

このような小さな入節はエクボと呼ばれて、床柱などでも割と好まれます。
人間と一緒で、床柱にエクボがあると微笑みかけているかのような愛嬌があってなかなかいいものです。

この材料は、いつも大変お世話になっている京都市上京区の中儀銘木店さんで買ってきました。

stairs_0213_3

上の写真は、手摺の北山杉小丸太を受ける腕木(うでぎ)です。

ホゾの部分は柱に飲み込ませて鉛直方向の荷重を支えるように設計しています。

当初の設計では、手摺も杉の角材でつくり、手摺を支える腕木も既成の金物を使う予定でしたが、丸太が入って腕木も木製にすると雰囲気がかなり変わりました。

この腕木は赤松の柾目の古材から採ったものです。

とてもとても重い木だったので、きっと大工さんの刃物が刃こぼれしてしまったのではないかと思うのですが、とても丁寧に造り出してくれました。

このお宅の家づくりの全容は木造建築 東風(こち)の以下のページでご覧になって頂けます
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内子町で講演

愛媛県の西部に内子町という町があります。
なまこ壁や漆喰で仕上げられた重厚な外観を持った家並みが続く美しい町ですが、伝統的建造物郡保存地区(伝建地区)に指定されているので、ご存知の方も多いでしょう。

その内子町で、2/19(金)に僕が講演をさせて頂くことになりました。


講演のタイトルは
『伝統的な日本の木の家づくりと手仕事』

です。



内子町のような素晴らしい町並みが残っているところで、僕のような未熟者がお話できるようなことはあまり無いのではないかと思うのですが、僕が一方的にしゃべりまくる講演というような形で終わらせてしまうのではなく、僕の話をきっかけにして、現地で頑張っていらっしゃるみなさまのいろんな想いをお互いに高めあうような機会にしようと思っています。



内子町へは、僕も学生の時に2度行ったきりで、今回の訪問が実に17年ぶりです。

現地では内子町総合観光センターのご担当の方が、内子町内のいろんなところを案内して下さるそうです。
(どうもありがとうございます)

僕も講演において現地のみなさまの励みになるようなきっかけを提供することで、少しでもお役に立てるように準備したいと思っています。

内子町のみなさま、どうぞよろしくお願いいたします。

雨落ち/天然乾燥材でつくる伝統構法の家@京都市

昨日は京都市内も雨が降ったり止んだりの天気でした。
今日も一日雨のようです。

雨の日は空がどよ~んとしていて気分がトーンダウンしますが、昨日の雨に際して現場では雨の落ちる位置を測ることができました。

下の写真は、屋根を流れてきた雨が軒先から落下してくるところの様子です。

雨

 

 

 

 

 

 

 

 
京都市N邸では、南側の屋根の軒先に雨樋をつけません。

理由は2つあります。
その1 : 近隣の大きな街路樹から飛んできた落ち葉が軒樋に詰まってしまうと
掃除が大変だ(というかとてもしきれない)から
その2 : その方が美しいから

軒樋をつけない場合には、軒先から地面に落ちてくる雨を何らかの方法で受け止めてあげる必要があります。

定石的なのが雨落ち(あまおち)を設けてあげる方法です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真は、京都市右京区の妙心寺・大心院の雨落ちです。

軒先から雨が落ちてくる位置に大きな溝を作り、その中に大き目の石を敷き詰めて水を排水します。

上の写真で言うと、軒内の土の部分と、白砂の枯山水との間に敷き詰められているグレーの川石(巾約数十センチ)の部分が雨落ちになっています。

このお宅の家づくりの全容は木造建築 東風(こち)の以下のページでご覧になって頂けます
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