気付けば前回のブログの更新から10日も経ってしまっていました。
すみません。
出張に行ったりしていたので、ネタは充分たまってますから、今日からまたチョコチョコ更新していきます。
どうぞお楽しみに。
一昨日は静岡へ行ってきました。
静岡市内の林業家グループ(SGEC認証林)の山を見せていただくためです。
上記の林業家グループはこの6人の林業家が協力し合って活動されていますが、同じ静岡市内で木を作っているとは言え、それぞれの山は土壌や地形も少しずつ個性が違っているので、当然のことながらそこから生産される木(杉・桧)も性格が違います。
(こういうところがとてもおもしろいんですよね!)
今回は2ヶ所の山に入らせてもらいました。
1つ目は枝打ちをして40年生前後になると伐採し、節のない桧の柱を作っている武田さんの山。
2つ目はとても赤身の大きい桧を作られている大石さんの山です。
現在大石さんが作業をされているのは、75年前に植林された桧の森(上の写真)です。
大石さんは劣性間伐(れっせいかんばつ)と言って、同じ75年生の桧でもあまり太く育っていない木だけを選んで伐採し、太い木をさらに育てるために残す作業をされているところでした。
今回はおよそ30~40%の木材を間伐するそうですが、この間伐作業によって風倒木(※)などによる材の傷みのリスクを減らすことができるようになります。
※ 風倒木(ふうとうぼく)とは、台風など強い風を受けて倒れてしまう木のこと。
木が強風で倒されてしまう時に、生きている木の幹を傷つけたりすると、
そこから腐りが入って木が立ったまま枯れてしまったり、その傷が商品価値を
落としてしまうことがあります。
間伐して木を間引いてあげると山の地表面に光が入るようになるので、下草の植生も豊かになり、山も健全な状態になっていきます。
多くの品種の下草が山を覆って根を張れば、それだけ山の保水力が上がります。
すると大雨の際に洪水が起こるリスクを減らすことができ、同時に川を通じて海に流れ込む水の質も良くなる(滋養が高い)ので、海の生態系を豊かにすることにも貢献します。
今大石さんが間伐されている木は75年生と言っても細い木ばかりなので、年輪の間隔が細かく、非常に緻密でとてもいい材料でした(下記写真参照)。
出荷した際の市場の評価も高かったようです。
(画像をクリックして頂くと、拡大画像で僕の手の大きさと年輪の細かさを
比べてみることができます。
白太が薄く、赤身がとても大きいのがいいですね)
夜は静岡市内で他の林業家のみなさんも交え、楽しくお酒を呑みながらいろんな情報交換をしました。
木造の建物をつくるという最終目的は同じと言っても、林業家と建築家とではやはりそれぞれの専門性が異なるため、これまで知らなかった山や木に関する新しいことをいろいろ教わることができて非常に有意義でした。
僕からは日本の古い木造建築物(古民家や社寺など)の耐震性について最近徐々に解明されてきている事柄についてお話しました。
今年はたびたび静岡に行くことになりそうなので、今後お互いに協力し合うことで新しい取組みができそうです。
楽しみ、楽しみ ♪
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世界に、300年先も美しい風景を