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セルフビルドとコストダウンについて~その3

前回・前々回に引き続き、現在お住まいの家・または中古物件のリフォームにおけるセルフビルドとコストダウンの方法について書いてみます。

(※注:前回、および前々回の記事をまだ読んでいらっしゃらない方は、【セルフビルドとコストダウンについて~その1】【同~その2】を先にお読みください。その方がよりよく理解していただけると思います。)

今回はセルフビルドの目的について書いてみたいと思います。

セルフビルドの目的は3つに分類されます。
それは、


A) コストダウンしたい!

B) 作業を楽しみたい!

C) 建物に自分の思い入れを入れたい!

です。


A) コストダウンしたい! という方へのアドバイス
コストダウンの目的でセルフビルドを行う場合は、プロに頼む仕事(=出費)をできるだけ減らしたい、というのがホンネですよね?
ですから、自分でできる工事量をできるだけ増やせばよいのです。
多くのケースでは、プロがやろうとしている仕事の中で、自分でもできそうな工事(例えば塗装、左官の薄塗り壁仕上げ工法など)のみを建築主がやられているようですが、これだけでははっきり言ってコストダウンできる金額は数万円です。
もっと大きくコストダウンしたい!と思ったらどうすればよいか?
そこから一歩も二歩も踏み込んで、プロがやろうとしている仕事を、素人でもできるような工法・デザインで設計しなおして(←ココが大事)、自分でやってしまえばよいのです。
あなたに時間とやる気があって、指導してくれる人がいれば、たいていのことは自分でできます。
でも、防水・給排水・電気に関する部分は、専門知識や経験がない場合にはやめておかれた方がいいと思います。

B) 作業を楽しみたい! という方へのアドバイス
「木工が好きなんです!」という方に多いのですが、自分で何かを作るのを楽しみたいので家づくりに参加したいという方。
これはもう特に難しいアドバイスなどはありません。
まずリフォームを担当してくれる設計者や施工者の方、そして現場の職人さんと仲良くなって下さい。
そしてわからないことをドンドン素直に質問して、なんでも教えてもらうのです。
材料のこと、やり方のこと、自分がこんなことをやりたいと思っていることなど、何でも遠慮せずに聞いて、情報を仕入れてください。
でもちょっと工夫が必要です。
それは

「すみません、ちょっとわからないので教えていただきたいんですが・・・」


とまず前置きしてから聞くことです。

これは相手にこう(↓)言っているのとほぼ同じです。

「私は素人でどうしたらいいのかわからないので、プロであるあなたに助けてもらいたいんですが・・・」

お客さんからこう言われて、うれしくない職人はまずいないでしょう。
きっと懇切丁寧にいろんなことを教えてくれると思います。

C) 建物に自分の思い入れを入れたい! という方へのアドバイス

これを意識して実行されている方は、まだ少ないかもしれませんね。
ここでちょっと、僕が実際にクライアント(建築主)と一緒になって作った六甲山麓の家で実際にあったことをご紹介します。

六甲山麓の家では、内装工事(木工事から仕上げ工事までの一切)を全て素人(建築主・彼の弟・友達など)だけでやりました。
毎週末(土日)はもちろん、朝から晩まで現場で大工作業です。

幸い、工事中の仮住まいを現場のすぐ近くでしていたので、クライアントの子供(小学生の男の子と保育園に通う女の子)2人や近所の子供達もほぼ毎日、現場へ遊びに来ていました。
つまり彼らは、お父さんが最初から最後まで家を作っているところを実際に何度も目の当たりにしているのです。
こうなると、家に対する家族の思い入れは全く違ったものになってきます。
表現が適当かどうかわかりませんが、入居する前からすでに「家がもう一人の家族」みたいな感じになってきます。

こうなると、その家はきっと後世まで大切に使われつづけることでしょう。

以上、大変長くなってしまいましたが、セルフビルドの目的について書いてみました。
最後まで読んでくださって、どうもありがとうございました。

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