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事務所応接用の座卓を作る-その1/古民家再生、リノベーション、和風木造

2週間ほど前から、事務所の和室で使う予定の座卓を
東風のベテラン大工・上田さんに作ってもらっています。
材料は安く仕入れたチークです。

本当は国産材を使いたかったのですが、試作用として買ってみた板で
「失敗してもいいや、やってみよう♪」
というノリで始めてみました。

でも、少し変わった感じにしたいなと思っています

cheek_table_01

上の写真がそのチークの板です。↑

見てもらうと一目瞭然なのですが、この板には朽ちて抜け落ちた穴がいくつかあります。
しかもこの写真には写っていないのですが、過去に一度使われた跡がある古材でした。
これらが”欠点”とみなされるので、価格が安かったのです。

この2枚はもともと1枚の分厚い板でしたが、10㎝の厚みで板幅は70㎝。
あまりに厚すぎ&重すぎて大人の男性2人でも持ち上げられない(=動かせない)
というシロモノだったので、2枚におろして(=製材して)もらったのです。

製材した後の板の厚みは48mmくらいになりました。

cheek_table_02

いろいろ検討して、こんな向きに2枚を並べて作ってみようと決めました。↑
最終的には四角い形に仕上げるので、その大まかな位置決めをするために
黄色のマスキングテープを貼っています。

cheek_table_03

で、2枚の板を合わせる加工をするために、まずはケガキという作業をします。↑
少し重ね合わせて、他方の板の縁の形をもう1枚の板に描き写します。

cheek_table_03_2

cheek_table_03_3

cheek_table_04

描き写した形に沿って、ジグソーという道具で板を切っていきます

cheek_table_05

大まかに2枚の形が合うように切れたので、仮に合わせてみたのが下の写真です。

cheek_table_06
少しテーブルっぽく見えてきました。

つづく。

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設計・現場監督スタッフ 再募集中/奈良、石場建て伝統構法、和風、古民家

私ども木造建築 東風(こち)では、設計・現場監督業務
に当たって下さる方を採用したいと思っています。
すぐ(3ヶ月以内)に勤務できる方を探しています。

2016年にも同じ内容でスタッフ募集をさせて頂きましたが
その時は1名採用となりました。
とてもよいご縁があったと感謝しております。
(今もそのスタッフは勤務してくれていますよ)
今回さらにもう1名、増員のためのスタッフ募集をしたいと思っています。

 

木造建築 東風(こち)のホームページはこちら(↓)です。

東風の伝統構法サイト

東風の古民家再生サイト

 

 

お客様のためにも、勤務する本人のためにも
東風のスタイルに合う(近い)方を採用したい
と考えているため、以下にいろんな事柄について
細かく書き出してみました。

文量が多いので圧倒されてしまうかもしれませんが
とても大切なことなので、興味がある方には
きちんと最後まで読んで頂きたいと強く思っています。

東風では学歴・性別よりも、個人の特性・適性・職能
を重要視します。

 

 

【 必須条件 】

以下、1~8の項目は全て必須です。
これらに当てはまらないものがある方は
東風のスタイルと合わないと思うので、
お互いのために応募しないでください。

1. 木と木造建築が好きな人
2. 建築の基本的な製図方法を習得している人
(具体的な木造の設計手法・知識については教えます)
3. 建築現場へ毎日行くのが苦にならない人
4. 作家タイプではなく協働タイプの人
作家タイプ・・・1人だけで全てつくりあげたい人
協働タイプ・・・複数の人数で協力し合って一つの
ものをつくりあげることができる人
5. きちんとあいさつができる人
6. 自動車の普通免許を持っている人
7. 奈良県御所市の事務所に通える人
8. 感謝できる人

 

 

【 優遇条件 】
以下、9~11の項目は必須ではありませんので
当てはまらなくても心配ありません。

ただ、複数人の方々から応募があった場合、
これらの条件に当てはまる方がいらしたら
その方を優先的に採用したいと考えています。

9.  現場監督の経験がある人
10. 人と関わることが苦にならない人
11. 住宅の設計打合せが苦にならない女性

 

 

【 東風の社風に合いそうな人 】
以下、12~16の項目は、東風のスタイルや
東風に依頼して下さるお客様方の傾向に
近いと思われる内容を参考までに書き出して
みたものです。

「東風ってどんな事務所なんだろう・・・」
という方向性が少し伝わればいいな、
と思って書いてみました。
参考にしてみてください。

12. 原木に興味がある人
13. 工芸・美術・茶道などが好きな人、関心がある人。
古いもの(建築・陶芸・書画・美術など)が好きな人
14. 絵を描くのが好きな人。写真を撮るのが好きな人。
またはこれらが嫌いではない人
15. 自分のためではなく、他人のために自分の職能を
発揮することに喜びを感じられる人
16. 理科・数学・国語が好きな人。
または好きとは言えないが得意な人

 

 

以下は、勤務に際しての具体的な諸条件です。

【 待遇等 】

年齢・性別
・年齢は20-30代の方を優先します。
業務がこなせれば性別は問いません。

現在の体制
・現在、東風で勤務しているスタッフ人数は以下の通りです
設計・監督スタッフ・・・4名(男性3名、女性1名)
大工さん    ・・・6名(男性6名)

事務所
・奈良県御所市東名柄にある、築108年の古民家を再生した建物です。
詳しくはこちら

給与
・給与は各自の実力に応じて決めます。3ヶ月間試用期間有り
・夏季賞与、年末賞与は各1ヶ月分ずつ支給。

各種手当て等
・通勤のための交通費は全額支給します。
・業務に要する移動費・交通費等は全て支給します
・残業手当は支給しませんが、残業を強いることはしません。
・住宅手当は支給しません

休日・勤務時間等
・日曜日・祝日 ※打合せ等があり出勤した場合は代休取得可
・事務所勤務の場合/始業 08:30 終業 17:30 昼食等休憩時間含む
・現場勤務の場合 /始業 08:00 終業 17:30 昼食等休憩時間含む

業務に関すること
・現場はほとんどが奈良県・兵庫県・大阪府・京都府下で、
業務中、車(乗用車・トラック)で移動することが多いです。
・業務ではパソコンを使います。よく使うソフトは
word、excel、メールソフト、Vectorworks(CAD)です
・業務中の服装/私服か作業服
・木造建築以外の設計依頼は断っていますので、
RC造・S造の建物の設計・施工は行いません
・決してきれいな仕事ではありません。
現場で泥だらけになることや、力仕事も多くあります
・東風では個人住宅の設計・施工業務がほとんどです。
新築・リフォーム・古民家再生工事を手がけています
・手がける物件のうち、約7割が自社設計&施工物件で、
残り3割が設計・監理のみを行う物件(他社施工)です
・現場監督業務は建物の設計を行う上で必須の経験だと
考えているので、現場へ行きたくない方は採用できない
かもしれません。詳しくは面接時にお話しします

 

 

以上です。

東風で働いてみたい、面接を受けてみたいと思われた方は、
以下のお問合せフォーム、または電話にてご連絡下さい。

→ お問合せフォーム

電話:0745-66-2645

スタッフ一同、良い方が来てくれることを心から願っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

木造建築 東風 代表 佐藤仁

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奈良石場建て伝統構法の家 式台の名栗加工/数寄屋、手刻み、和風モダン

11/30(日)に、京都市右京区京北町に行き、玄関式台の化粧名栗(なぐり)加工をして頂きました。
いつも通り、ちょうなによるはつり加工をして下さったのは、原田銘木店の原田隆晴さん。
今回の材料は奈良県宇陀市で建築中の石場建て伝統構法住宅/i 様邸の玄関(というか土間の上り口)に使います。

i 様邸の間取りは、日本の伝統的な農家の形に似ているので、よく見かける農家の上り口に納まっている一枚板のような風情で、この板が納まります。

下の写真は、名栗加工をする前の状態です。

naguri_2014.11_02

この板は、静岡市の北部で伐採した木から製材したものです。
樹齢は約130年。
標高約900mの寒~い北斜面で、少しずつ少しずつ育った木です。
伐採は2008年の晩秋。
それから葉枯らしして、足かけ6年間、東風で天然乾燥させていました。

白太はほぼ取り去ってしまい、赤身 だけになるように木取りしました。

 

naguri_2014.11_01

根本の方は幅広く、末の方へ向かって狭くなるように、自然な木の板幅なりに製材しています。
板幅が400mm~600mmと広いので、木裏面には反り止めの蟻桟を入れています。

 

 

naguri_2014.11_03ちょうなで化粧名栗加工をする原田さん。

施主の i 様ご夫妻+東風2名の合計4名に、じい~っと見つめられながら、一人黙々とちょうなを振り下ろされていましたが、やはり人に見られながら仕事をするのはものすごく緊張するそうです。
(当たり前ですね。原田さんすみません・・・)

写真を撮るとシャッター音がするので、作業中の写真撮影は極力控えて、撮影音の出ない動画にしました。
以下に2本の動画をアップしておきます。

 

そして仕上がった板がこちらです(↓)。
naguri_2014.11_04

 

逆光のアングルで撮ると、陰影が強く出て、また違う表情になります。

naguri_2014.11_05

 

上の式台のような、幅広い平面を加工するときは丸刃(蛤刃)のちょうなではつるのですが、雰囲気の違うハツリ目を出すときは、下の写真のように平刃のちょうなを使います。

naguri_2014.11_06

この鴨居のような細い材料は、先ほどの式台の頭上に鴨居のような形で設置する無目(むめ)という部材です。

どちらもちょうなによる名栗加工ですが、床面(式台)は優しく上品な表情に。
頭上の無目は荒々しさを感じさせるようにハツリ目を大きくし、そして鋭さを出すために斜めにはつってもらいました。

これら2つの部材が、一つの空間で上下に配置されるとどうなるか、今から楽しみです。

 

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丹後の古民家再生物件

音ステージ


 


 


 


 


 



上の写真は、一昨年の暮れから昨年の春にかけて京都府北部の与謝郡で工事を行った民家再生物件です。

もともとは着物問屋さんの『自宅+機織工場』だったものを改修して、
『喫茶+カラオケホール+ビリヤード』などの多目的商業施設にしたものです。

とっくに竣工していたのですが、竣工した後の写真を撮り忘れており、今回丹後へ行った折に寄ってオーナーの許可を頂き、写真を撮らせてもらってきました。



木が大好きなオーナーのご意向で、室内には
「これでもか」
というほどふんだんに木が使われており、お客様にもなかなか好評のようです。

近日中にホームページにこの物件の紹介ページを新設する予定ですが、取り急ぎ今日は外観写真のみご紹介します。

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淡路島 民家再生の提案

昨日、当方の事務所に淡路市在住のTさんご夫妻がお見えになりました。
先月現地調査をさせていただいた、Tさんのご実家の民家再生工事に関する設計提案を行うためです。

築80年~90年前後かと思われるTさんのお宅は、調査によって建物の傾きや柱の局所的な不同沈下などがほとんど無いことがわかりました。
かなり珍しいケースです。

 

現場付近は海が近く砂地盤のようで、床下地面の乾燥も良好でした。
屋根も阪神大震災の後に下地からすべて葺き替えられており、全く問題ありません。

今回の再生工事にあたっては外観は全く触らずに古いままのイメージを大切に残したまま、使いにくい内部の間取りだけを変えるという方針です。



Tさんのお宅は、いわゆる一般的な田の字プランの農家型古民家です。

今回のご提案では、和室と玄関を残しながらリビング・ダイニング・キッチンと2階部分の空間構成をどのように変えるか?ということがポイントになります。
A案・B案の2案を作成し、ご提案を行いました。

A案はかなり大胆なプランで、「斬新なプランを期待したい」とおっしゃっていたTさんもちょっと驚かれたようです。

そのA案の内観イメージパースが下の画像です。
当方の女性スタッフがCADソフトを使って作成し、少し画像処理をしたものです。

T邸玄関 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



画像をクリックしてご覧頂くとお分かりになると思いますが、大きな吹き抜けのかなり劇的な空間です。
しかしこれはむりやり何かを付け加えたりして新しく構築していったわけではなく、むしろ逆にいろんなものをただ取り去っていって、既存の構造体を素直に見せた結果このようになりました。

Tさんが最初から設置を希望されている薪ストーブが利きそうな空間です。
(っていうかこれだけの空間になると、エアコンや床暖房では無理があります)



もうひとつのB案はTさんが当初イメージしておられたプランにかなり近かったようで、すんなり受け容れられたようです。

図面を見ていろんな話をされていた時のTさんご夫妻のうれしそうな顔を見て、いい提案ができて良かったなぁとこちらもうれしくなりました。



このところ、提案図面の作成やプラン立案などをできるだけスタッフに任せるようにしています。
今回のプランも基本方針は僕が考えたものではなく、うちの有能な女性設計スタッフが構築したものです。
(うちは人材に非常に恵まれています♪)

もちろんすべて任せっきりにするのではなく、プランを作っていく過程でスタッフと何度も話し合いながら進めていくのですが、今回も期待に応えてくれるいい提案をしてくれました。

 

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民家協会 創立10周年記念イベントの打合せ

昨日、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会の近畿地区定例運営委員会があり、大阪市内で行われた会議に出席してきました。

昨日の主な議題は、4/1(日)に行われる予定の創立10周年記念イベントについてでした。
準備不足が否めない状況なので、これからラストスパートをかけていこうということになり、これから毎週1回ずつ運営委員のメンバーが集まって会議を行うことになりました(←大変・・・)。

上記イベントは、再生民家に住まわれている方をパネリストとしてお招きし、再生民家に住むということについて考えるシンポジウムです。
この10年で古民家再生という概念が一般に定着した感がありますが、
 ○ 実際のところ再生した民家に住み始めてみてどうだったのか?
 ○ 苦労した点、満足した点、思いも寄らなかった点、
 ○ 今後の課題
など、ユーザー側からの視点でパネリストのみなさんにそれぞれの考えを話していただき、今後の民家再生に活かしていこうとするものです。

同時に、当協会がこれまで行ってきた10年間の活動での実績、再生した民家の数々などのパネル展示・報告も行います。
詳細についてはまた追ってお知らせしますので、ぜひ4/1(日)に会場へお越し下さい。

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民家再生を、実際の現場で、あなた自身がやってみませんか?

今回は、僕が理事を務めているNPO法人主催のイベントを
お知らせします。

これまでにも、当ブログで何回かお伝えしてきました、
NPO法人・日本民家再生リサイクル協会近畿地区主催イベント

【 ボランティアによる、かやぶき民家再生プロジェクト
第3回 増築棟解体のワークショップ 】

を、9/23(金・祝)、24(土)の2日間にわたり、
兵庫県南西部のとある現場で行います。

このプロジェクトの趣旨を一言でいうと、

『素人だけど、民家再生を実際に自分の手でやってみたい!』
『素人だけど、大工仕事や土壁塗りを体験してみたい!』
という方のために、NPO法人として場所・機会を提供する

というものです。

このプロジェクトでは、【 早く・安く・キレイに 】というような
市場原理で求められる作業効率は一切追求しません。
もっとゆっくりとしたペースで、のんびり進めていきます。
なにせ、2010年まで、ゆっくり5年間かけて
一軒の民家を再生しようとしているわけですから。

あなたはこれまでに、こんなことを思ったことはありませんか?

● 実際の民家再生とは、どんな手順で、
どのように進められるものなのか?

● 将来、田舎へ移住してみたいと思っているけれど、
地域の皆さんと仲良く付き合っていくためには、
どのようなことが求められるのか?

こういうことを、素人にできるレベルで実現・体験して頂きたい
と考えています。

確かに本格的な民家再生のためには、プロの力が必要です。
それは否定しませんし、全くその通りです。

しかし、建築の素人でもできることはたくさんあります。
みんなで力を合わせれば、すごいことができたりするのです。
それを実践・経験していく場を、みなさんにご提供できれば・・・
そんな風に考えて、このプロジェクトを運営しています。

しかし実際には、現場のことに詳しい人物がいて指揮をとらないと
こんなことはできません。
そのため、技術面・安全面のことを考えて、参加メンバーの中には
建築工事のプロフェッショナルもいて、彼らも一緒になって
指導しながら作業を行います。
ですから、経験の無い方や女性など力仕事が不得意な方でも
遠慮せずにご参加ください。

実は、毎回女性の方も参加されていますが、みなさん
「とても楽しかった!また来ます!」
と言って下さる方ばかりです。

※このプロジェクトに関する詳しい情報
(これまでの経緯や活動計画、ワークショップの様子)
については、こちらでご覧になっていただけます。

さて、このプロジェクトも今回で3回目となります。
今回は、前回(7/9、10の2日間)のワークショップで行った
調査結果に基づいて、増築棟の取り壊しと母屋の柱補強
・取替えが主な目的です。

1. 外部足場を組み立て
2. 腐っている柱に仮の添え柱を設置して荷重を支え
3. 母屋に取り付いている増築棟を解体・撤去する

上記以外にも、既存井戸の調査・復旧作業なども行う予定です。
また、2日間通しで参加されるみなさんで、1日目の夜に懇親会を
行います。
体を使って作業をしたあとに飲む、冷たいビールは格別ですよ。

上記プロジェクトの参加申し込みは、
NPO法人・日本民家再生リサイクル協会・近畿地区ホームページ
にて受け付けています。
もう少し詳しく知りたい、という方は、ぜひ一度ホームページを
ご覧になってみてください。

↓   ↓   ↓

NPO法人・日本民家再生リサイクル協会
近畿地区ホームページへ

 

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兵庫県で古民家再生工事が始まりました

兵庫県龍野(たつの)市で、築約100年の古民家再生のための工事が始まり、昨日現場へ様子を見に行ってきました。
台風が来て大荒れの天気になるのでは?と、朝のうちは気をもみながら車を走らせて行ったのですが、昼過ぎに現場へ着いたころには、もう雨も止んで、晴れ間がのぞいていました。

昨日は、別棟の蔵を解体・撤去したり、不必要な天井・床組み部分を解体・撤去する工事が行われているところでした。

自分の仕事(←ボランティアを除く)として携わる現場としては、久々の古民家ですが、やはりなかなかおもしろいものです。
特に解体作業中は、これまでの家の工事の歴史が一挙に見られるので、大変興味深いです。
一般の方(←建築業関係者以外)は、なかなかこういった現場に立ち会う機会がないと思うので、少し写真を交えてご紹介したいと思います。

(ちなみに、それぞれの写真は小さく表示されていますが、写真をクリックすると別ウィンドウで大きく表示されます。
詳しく見てみたい時にはお試しください。)

最初に、全ての建具を外して、部屋をがらんどうの状態にします。
畳ももちろん上げて、保管場所に移しておきます。
そして壁の上塗り部分をこそげ落としたり、ベニヤ張りの壁・天井なども撤去して、木軸の骨組(←柱・梁など)と土塗り壁だけの状態にします。

次に床をめくっていきます。

古民家ではよくあることですが、床組材である根太(ねだ)とか大引(おおびき)、床束(ゆかづか)など、床下の構造材は人目に触れないため、解体された古材が使われていることが多いです。
上の写真の中でグニャリと曲がっている太い材料(←大引)も、以前は別の場所で使われていた痕跡がありました。

なぜかというと、昔は木材が非常に高価だったため、新しい木材を買ってくるとお金がかかって仕方なかったからです。
近所で家の解体などがあったりすると、材料をもらってきて保管しておき、それを自分の家の建て直しの際に使ったりしていたようです。
人目に触れる柱や梁などには、きれいな新材を使っても、見えない部分の木材には見栄えはよくないが耐久性に問題のない古材を使うというのが一般的でした。

今回のお宅でもご多分に漏れず、床組材はほとんどが解体材を転用したものでした。
解体工事に立ち会っていると、こういう当時の社会情勢や家の歴史を目の当たりにすることができて、とてもおもしろいのです。

この柱は、床下の部分で柱を継いでいたことがわかりました。
これを

【 根継ぎ (ねつぎ) 】

と言います。
この家が建てられたあと、何度か近くを流れる揖保川(いぼがわ)の水害による床下浸水があったようです。
そのせいかどうかはわかりませんが、何らかの事情により、この柱の根元が腐ってしまったので、当時の大工さんが苦労して根継ぎしたのでしょう。

ここにもまた歴史を垣間見ることができます。

解体した木材や廃材を、大工さんが前庭で一枚一枚ていねいに整理してくれていました。
こういう心遣いはとってもうれしいものですね。
今は産業廃棄物処理の際にきちんと分別をしないといけないので、分別はどこでもやっていることなのですが、廃材をきれいに部材別に分けて整理していることは珍しいです。

  『 気は心 』

と言いますが、本当にそうだと思います。
もちろん、僕からも大工さんにきちんとお礼を言って、うれしく感じたこともちゃんと伝えておきました。
僕はこういう小さなコミュニケーションを大切にしていきたいと思っています。

今回の現場では敷地が広いためにこういった整理作業もやりやすかったのですが、なかなかここまできれいにやってくださる工務店は少ないと思います。
本当に感心しました。

大工さん、これからもどうぞよろしくお願いします。

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【木の家-7】 あなたは民家バンクをご存知ですか?

今朝(2/9)の日経新聞に、
 
『 壊してもいい木造2階建て住宅譲ってください 』
 
という記事が載っていました。
広告主は防災科学技術研究所(茨城県つくば市)。
兵庫県三木市に造った世界最大級の振動台に移築して、耐震性を調べる実験材料に使いたいそうです。
 
この記事を読んですぐに僕の頭には、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会(以下JMRA)で情報管理している民家バンク登録物件のことが頭に浮かびました。
しかし、探している建物の条件には、
「築25~50年以内であること」
という条件がついており、民家バンクは使えないのです。
なぜなら、民家バンクに登録されている物件は、築後70年以上経過したものがほとんどだからです。
 
 
 
もしチャンスがあれば、民家のような伝統工法で組まれた木組みの家の耐震試験とその解析を上記の施設でやってみてもらいたいと思いますが、それはまた別の機会に考えたいと思います。
 
 
 
話をJMRAの民家バンクに戻します。
 
JMRAでは一軒でも多くの民家を、壊さずに使いつづけてもらいたい、という思いから、民家バンクというシステムを運営しています。
様々な事情により民家を手放したい、という方がいる一方で、
民家を持っていないが、ぜひ欲しい、住んでみたい、という方もおられます。
こういう方々の橋渡しをし、建物は無償で提供しよう(※)というのが民家バンクの趣旨です。
興味のある方は、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会事務局(03-5216-3541)までお問い合わせください。
 
現在、100軒程度の再生可能な民家が登録されており、引き取り手を待っています。
 
 
 

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