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西宮で工事が始まりました

先週から、西宮市内で3階建て住宅の新築工事に取り掛かっています。
昨日は基礎の鉄筋検査を受けました。

鉄筋もきれいに組むとなかなか美しいものです。
今回は初めてお付き合いする鉄筋屋さんが組んでくれたのですが、シャンと背筋が伸びた感じで気持ちのいい仕事をしてくれました。

うちで設計する建物の基礎は、
1. 床下の通気を良くする
2. 後々のメンテナンスをしやすくする
ために、立ち上がりを極力減らしています。

そのため、ベース筋をシングル配筋(←1段のみ)ではなくダブル配筋(←2段組)にしたり、ベースの厚みを通常の150ではなく200にしたりという補強が必要になることがあります。
この現場はダブル配筋×ベース厚200mmになりました。

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世界に、300年先も美しい風景を

12/11に掲載した問題の正解は・・・

12/11に投稿した問題の正解を追記しました。
詳しくはこちらをご覧下さい。

コメントを書き込んでくださったみなさん、どうもありがとうございました。
すごくうれしかったです。

コメント書き込みが一件も届かなかったらどうしよう・・・とか考えると、
実はちょっと不安だったのです(笑)。
またいたずら心を起こしてこんなことをやるかもしれませんが、そのときはどうぞよろしくお付き合い下さい。

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土壁に着手しました

大阪府四条畷市で建設中の現場 【 木曽のみんなが建ててくれる大阪の家 】 で、荒壁を塗りつける左官工事が今週月曜日から始まりました。

写真のように、竹小舞下地を編んだ上から荒壁を付けていきます。
この土は8月末から現場で寝かせていたので、熟成されて最初は茶色だったものがチャコールグレーに変色しています。
(下の写真はクリックすると拡大表示できます)

8月に撮った土の写真

10月に撮った土の写真
(練り返している作業中の写真なので、茶色い部分とグレーの部分が混じっています)

こうなってくると匂いも昔のドブのような匂いでちょっと臭いのですが、発酵させることで粘り気が出て、地震時の壁の耐力もアップします。

このような土壁と竹小舞下地が地震の時にどのように作用するのか?ということについては、11/26(日)に開催するこの現場の構造見学会の際にお話しします。
興味のある方はぜひ遊びに来てください。
参加費用は無料ですが、資料などをご用意する関係であらかじめ申込みが必要になります。

詳しくはこちらのページからどうぞ。

【お知らせ その1】
11/26(日)に、大阪府四条畷市で伝統構法で組上げた家の
構造見学会を行います。
詳しくはこちらをご覧下さい

【お知らせ その2】
11/21(火)に、静岡市で樹齢100年超の杉の木を新月伐採します。
平日ですが、見学を希望される方はお申し出頂ければご案内します。
詳しくはこちらをご覧下さい

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まちなみを守っていくために

昨年の10月にこのブログでもお伝えしましたが、奈良県御所(ごせ)市の中心部には、江戸後期~明治期に建てられた町家がたくさん残るまちなみがあります。

毎年恒例となっている御所のまちなみを広く知ってもらうためのお祭り

【 霜月祭(そうげつさい) 】

が昨年の秋にも行われましたが、その舞台裏事情や御所の街づくりに関する取り組みの一部を採り上げた記事が、元旦の読売新聞に掲載されました。

ご自身も御所の町家に住んでおられる、読売新聞社の記者・中井将一郎さんが記事を書かれているのですが、御所のみなさんの思い入れや熱意が垣間見れてなかなか興味深い記事です。

読売新聞社のホームページで読めますので、興味のある方はぜひ一度読んでみてください。

<シリーズ~輝け わがまち>
町家見直し人波戻る 江戸情緒への誇り重ね<1>
(読売新聞)

 

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奈良・御所のまちなみ

昨日、奈良県・御所(ごせ)市へ行ってきました。
御所へはこれまでにも何度か車では行っていましたが、昨日は

『さとうさん!木造建築家として、この本を読んでレポートを書くようにっ!』

と、某NPO広報誌編集女性担当者から頼まれていた本を読む時間を作るために、電車で揺られて行ったのです。



昨日は、あいにく雨でした。

近鉄御所駅で下車して何の気なしに、ボ~っとしながらテクテク歩いていくと、御所の町の中へ突入していきます。
ここでビックリしたのですが、実は御所の町にはすごい民家がゴロゴロ残っています。

古いまちなみがあることは知っていましたが、そのデザインレベルの高さには驚きました。
格子や構造材の木割(きわり)と瓦のバランス、軒の高さなど、町家としてのデザインセンスが非常に優れていました。
やはり奈良は侮れぬ・・・などと感じながら、

「この町はきっと、以前何かで大もうけした町に違いない」

と、そのあとの打合せでお会いしたクライアントに町の簡単な歴史を聞かせていただきました。
御所は決して活気に溢れているとは言えない街ですが、古いまちなみが残る場所としては、すごいポテンシャルを秘めていると実感しました。

今月後半には改めてお知らせできると思いますが、御所の町家を開放して気軽に中を見せていただけるイベントが、地元のNPO団体主催で11月に行われるそうです。

興味のある方はぜひ行ってみる事をおすすめします。



今度また、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会 近畿地区主催で、まちなみスケッチハイク in 御所を開催しようかなぁなどと思いつつ、しとしと雨の中を返って参りました。

雨が降っていたので、写真を撮ることまで気が回りませんでした。
すみません。

古民家/石場建て伝統構法 を 高気密・高断熱で暮らしやすく
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なかなか進まない、年初の目標・・・

今年の年初に立てた目標がなかなか進んでいません。
というより進めていないので、進まないのはあたりまえなのですが(^^;

先週末に、千葉工業大学・小原二郎先生の講演を聴いてきました。
木の内部組織構造に関するとても詳しい話だったのですが、講演終了後、先生にその年初の目標達成に向けた質問を投げかけてみました。

「先生、はじめまして。今日の講演、とってもよかったです。
あの~、僕は最近人工乾燥した杉のムク材を構造材に使うことが多いのですが、人工乾燥の過程で木材に熱をかけますよね?
その時木材はダメージを受けたりしないんでしょうか?
例えば、天然乾燥した木材と人工乾燥した木材とを比べた時、数百年後の両方の木材の強度に違いは出ないのでしょうか?」

と、お尋ねしたところ、

「あっ、大丈夫ですよ。問題ないです。
でも、あまり急激に熱をかけてはダメですよ。
その熱のかけ方が大切ですね。」

とおしえていただきました。
でも、どうもそれだけでは納得がいかないので、また機会を改めて何とか小原先生に実験へのご協力をお願いしたいと考えています。
この問題を解決できるのは、小原先生をおいて他には考えられませんから。

実は年初に計画を立てた時から、僕の頭の中には

「最終的には小原先生にご協力をお願いするしかない」

と一方的に考えていました(笑)。
そして年初には小原先生と僕の間には、一切面識もなかったのですから、今回の講演で小原先生とつながりを得たことは僕にとっては大きな前進です。
講演会の後、講演会運営スタッフのみなさんとともに、小原先生と食事をご一緒させていただくこともできましたので、ぜひまたアプローチをかけてみようと思っています。
小原先生は、かの有名な法隆寺の大工・西岡常一さんと協力して、

【桧の古材の強度は伐採後300年まで上昇し、その後ゆるやかに強度は下がり続けるが、1300年経た後でも、伐採後に比べて10%ほど強度が高い】

という研究結果を世に出した方です。
僕の年初の目標については、結果がわかったらちゃんとこのブログでもご報告しますね。
お楽しみに。

この件に関しては、滋賀県在住の友人・Mさんからも大変参考になる資料を送っていただいたりしていて、とてもありがたく思っております。
(Mさん、いつもありがとうございます。)

「夢を実現するためには、その夢を公言しなさい」

とはよく言われることですが、本当にそのとおりだと思います。
公言すると、それを援助しようと力を貸してくださる方が必ず現れるようです。
僕には、ちょっと気恥ずかしくて公言できない夢が、実はまだまだた~くさんあるんですけどね(笑)。

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岡山・八塔寺の美しいかやぶき民家集落

 
 
 この日曜日に、岡山県備前市の山中にある、八塔寺(はっとうじ)ふるさと村というところへ行ってきました。
標高400mの山中にひっそりと佇む、十数軒のかやぶき民家がきれいに残されている小さな集落です。
上記の写真はそのうちの一軒ですが、僕の友人・K氏が撮ってくれた写真を使わせてもらっています。
(Kさん、ありがとう)
↑このK氏はなかなかいい写真を撮ります。
 実はこの人、ご自身でもブログを開設しているんですが、サボってばかり
 で全然更新しないので、ここでご紹介するのはやめておきます(笑)。

7/9()、10()の2日間にわたり、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会近畿地区主催イベント、【ボランティアによる、かやぶき民家再生プロジェクト~第2回】を兵庫県赤穂郡で実施したのですが、その現場から車で約30分程度と近いところにこの集落があると聞き、参加者のみなさんと早朝ドライブがてらに初めて訪れました。
(↑上記のプロジェクトについては、近日中にこのブログで改めてご報告したいと思っていますので、お楽しみに)
山の懐に、ぽっかりと取り残された桃源郷のような佇まいは大変美しく、またとっても静かで心が洗われました。

日本各地には、まだまだこのような美しい山村になるポテンシャルを秘めた集落が人知れず残っています。
近畿地方では、奈良県室生、京都府上瀬谷などもその一つです。

美しい景観をつくりあげるのには、長い時間と大変なエネルギーを必要とします。

しかしそれ以上に、それを維持していくことがもっと大変です。
この写真のように、目の前に(休耕田ではない)田んぼが広がる、生活に根ざした美しい景観が、今後も増えつづけていってくれることを願ってやみません。
自分もその一助となるようにがんばっていこう、と思いを新たにして八塔寺を後にしました。

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栗の木と民家と枕木と・・・

上の写真は、阪急電鉄神戸線のレールと枕木です。
今日、十三駅で電車をボケーっと待っている時に、枕木がふと目に付いて

「あっ、ブログに書こう~っと」

と思い、撮ってきました。

約1週間前のことですが、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会・近畿地区主催の連続講座・きんき民家塾の講義に参加しました。
当日は、筑波大学の安藤邦廣教授をお招きし、日本の民家の成り立ちと社会(歴史)状況について、約3時間お話ししていただきました。
目からウロコの話が続出で、非常に勉強になりました。
(安藤先生、どうもありがとうございました)
その中から、栗の木と枕木についての話をご紹介します。

栗の木というのは、最も腐りにくい木の一つとして知られています。
その強さ・耐久性たるや、桧の比ではありません。
昔から、蔵の土台などには栗が好んで使われています。

応仁の乱(1467年)と同じころに建てられた、現存する中では日本で最も古いといわれる住宅の一つ、千年家(古井家)は、土台はもちろん、柱や床板などあらゆる木部に栗が使われているそうで、以前は栗で作られた民家は珍しくなかったそうです。
しかし、明治維新後、文明開化とともに鉄道が敷かれるようになり、そのレールの枕木として大量に栗が使われてしまったため、現在では栗は非常に希少(=高価)な建材となってしまったそうです。

栗が強くて高価だということまでは僕もよく知っていましたが、そういう歴史的な背景があったことは知りませんでした。

他にも安藤先生のお話の中では、

・かやぶき屋根と化学肥料の話
・応仁の乱と、京都の杉面皮柱の話

などがとても印象に残りました。
興味がありましたら、改めてご紹介しますので、

「どんな話か知りたい」

という方はコメントなどお寄せください。
お待ちしております。

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