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式台に杉のなぐり加工をしてもらいました

昨日、京都市内の中儀銘木さんのご協力を得て、京都市N邸に使う予定の
玄関式台のなぐり加工をして頂きました。

材料は2006年11月にNさんの立会いの下、静岡で伐採した杉の赤身だけを使った、巾35cm程度の杉の一枚板です。

なぐり加工には丸刃をつけた【ちょうな】という道具を使います。
下の写真で、職人さんが持っているぐにゃっと曲がった柄の道具がちょうなです。
(下の画像は全てクリックすると拡大表示できます)

ちょうなを上から振り下ろし、表面だけを薄くえぐりとるような加工を
施していきます。
これがなぐりと言われる加工です。

一目ごとにえぐりとられているので、表面は波打ったような仕上がりになります。
写真上部に、これから振り下ろされんとしているちょうなの刃が、ぶれて写っています。

板の全面に加工が施された完成品です。
この板がN邸の玄関に鎮座する姿を思い浮かべると、とっても楽しみです。

今回は作業の工程をビデオカメラに収めたのでYoutube のうちのページで公開しています。
どうぞご確認下さい。

昨日このなぐり加工をして下さったのは、京都市の北部にお住まいの原田さんという職人さんでした。

大工さんでちょうなを使える方はまだ各地にいらっしゃると思いますが、なぐり加工を専門に手がけてくださる職人さんは京都でももうほとんどいないそうです。
素晴らしい技術を見せていただいて、とてもありがたかったです。

中儀銘木さん、原田さん、どうもありがとうございました。
スタッフともども、心より感謝いたします。

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吉野杉の天井板を買ってきました

大和銘木市場

昨日、奈良県橿原市にある大和銘木市場へ行って、現在施工中の現場
『木曽のみんながつくってくれる大阪の家』
の和室に張るための天井板を買ってきました。

大和銘木市場では、今週の水曜日・木曜日に競市が行われたらしく(←この間一般客は入場不可とのこと)、並べられていた材木にはいろんなラベルなどが貼られていました。

一緒に行って下さった大工さんと天井板を選んだ後、市場内に保管されている材料を一通り見て回りました。
ピンからキリまで様々な材料が並んでいて、なかなか楽しいところです。
ここの圧巻はやはり、地元吉野産の赤杉(←吉野杉の赤身だけを製材して木取りした製品)です。
赤杉というのは吉野産の杉だけに使われる名称で、秋田杉など他の産地の杉にはこの名称は使いません。
吉野杉の200年生超の丸太から製材される赤身の美しさは最高ですね。

こんな材料を使える現場にはこのところすっかりご無沙汰していますが、材料の美しさを活かすということに関してはどの材料であっても同じなので、自己研鑽を怠り無くやっていれば、またそういう現場に巡りあわせるでしょう。

市場の中で久しぶりに丸太を見て、勘がうずき出しました。
最高級の杉の面皮柱と、おとなしくて上品な杉の磨丸太(天然絞)を見つけて、
「欲しいなぁ・・・」
と思ってしまいました。
使う予定の現場も無いんですけどね(笑)。

しかし、価格を聞いてビックリしました。
めちゃめちゃ安いんです。
今はこういった化粧柱を使う現場がとっても少ないので、供給過剰になり価格が下落しっぱなしとのこと。
これってもしかして投資のチャンスかも?

僕が以前勤めていた鈴木工務店の倉庫には、こういう茶室などに使う材料が山ほどストックされていますが、あれもなかなか陽の目を見る機会は少なくなっているんだろうなぁ・・・などと思いつつ、銘木市場を後にしました。

材料はストックしておけばいつまでも残っていますから良いんですが、心配なのは丸太仕事ができる職人が減っていくことです。
一流の職人には技術力だけでなく、センスが求められますから大変です。
どの材料を選ぶか、材料のどの部分を取捨選択するか、どんな大きさでどの向きで使うか、面巾は?、どの位置に納めるか、などなど。
これも人間力ですね。

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