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2007新月材の玉切開始 その2

前回の記事投稿時に
「続きは明日」
と書いたくせに、なんと3週間も間が開いてしまいました。
申し訳ありません・・・ m(_ _)m

新月伐採―玉切り工程その2を続けます。



長いままで山の斜面に横たわらせておいた木を平場まで引っ張り出してきた後、材料の性質を見ながら何メートルで玉切りするか?を見極めます。


木材には育っていくうちにできてくる

〇 自然の曲がり
〇 節
〇 太さ(木の直径によって、どんな大きさの柱・梁が採れるかが変わります)

などがそれぞれに違いますので、個々の木材に合った大きさ・長さで玉切りしてあげることになります。
(↑これが肝心!)


下の写真は玉切りをしている最中です。
この木は根元から木の先端までの長さが29.5mありました(長ッ!)。


 玉切-4


 


 


 


 


 


 


 


 


この木は根元のあたりに曲がりが少なく、節も出ないようなおとなしい木でしたので、7.5mの位置で玉切りして目に近い2階床の梁として使うことにしました。
この木は、製材したらきっときれいな木目が出てくると思いますよ。
製材するのが今からとても楽しみです。


下の写真は玉切りした木口の写真です。
年輪がよく詰まっていて、なかなかいい材料でした。
昨秋の伐採したての時とは、樹芯の色がぜんぜん違います。
4ヶ月間の葉枯らしによって、木の中の水分が蒸散作用によって消費されたことが一目瞭然です。


 玉切-5









今回、ぜひ調べてみたかったことがあります。

葉枯らしをしたことで、木の含水率がどのくらいまで下がっているのか?
を調べることです。
今回の木材を製材する際に協力していただく予定の杉山製材所さんから、木材の含水率測定器をお借りしてきました。


玉切-3



 



上の写真のように、木材の含水率を測りたい部分に直接含水率測定器を当てると、その部位の含水率が測定器に表示されます



杉山製材所さんは、5年前から静岡市内で天然乾燥材のみを扱っておられるという、何とも頼もしい製材所です。


以下に今回測定してみた4本の木の含水率を列挙しておきます。
 














































2007ネン11ガツ新月シンゲツ伐採バッサイザイ
4ヶ月葉枯らし後玉切時の含水率測定結果
材料ザイリョウメイ 部位ブイ 1バンタマ含水ガンスイリツ 2バンタマの含水率
ヒノキ-1 (S39) 赤身(芯材部) 35.0% 43.8%
白太(辺材部) 32.1% 50.2%
スギ-1 (S41) 赤身 40.5% 57.2%
白太 50.8% 62.5%
スギ-2 (S42) 赤身 30.6% 43.0%
白太 49.6% 65.5%


今回調べた上記の結果から、

〇 根元から遠いほど含水率が高く(1番玉<2番玉<3番玉)
〇 桧・杉ともに白太(辺材)よりも赤身(芯材)の方が含水率が低い

ということが実感としてわかりました。



本当は伐採時の含水率も測ってデータを採っておけたら良かったのですが、昨年末にはそこまで準備ができませんでした。
これは今秋の新月伐採時の課題としてまた実行する予定です。

ちなみに、伐採直後の木は含水率が100%を超えているため、なんと!水に浮かびません(沈みます)。
( ↑ 桧の芯材部は除く)


木が水に浮かばないなんてちょっと信じられないでしょうが、ホンマの話です。
でもしばらくすると木材の内部の水分も抜けてきて、水に浮かぶようになります。



ここで最初の山での滞在時間はは時間切れ。
もう少しじっくり見ていたかったのですが、この日は日帰りで2ヵ所の山を見て回る強行軍だったので、同じ静岡市内のもうひとつの山へ向かうことにしました。


 


次はYさんの山です。
標高700m、樹齢50年生前後の山です。


 Yさんの山では、造材作業が進んでいました。
玉切りをした直後に、木の木口にすぐ個別ナンバーを打っていきます。

玉切-6


 


 


 


 










上の写真中、白く見えているプレートのようなものがそれです。
今回伐採した新月材にはすべて固有の番号が打たれ、一般材とは区別ができるように履歴を残しています。



この後、林業家のSさん、Yさんが出材作業を進めてくださり、現在は製材の準備が整いつつあります。

今月中に製材にとりかかるので、静岡へ行ってきます。
また製材の結果はブログでご報告しますね。

どうぞお楽しみに。

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吉野の杉

昨日、奈良県吉野に行ってきました。
奈良市内で数年後に建てるOさんのお宅に使う木を見に行くためです。

Oさんの奥様は吉野のご出身で、お父様が林業家です。
ご先祖の皆様が代々作ってきてくださった吉野杉を使って、これから4~5年かけて家を建てます。
もちろん、今回木材を出してくださるのはお父様です。

まず今年の7月ごろに木材を伐採し、葉枯らし乾燥させます。
(吉野ではこの時期の伐採が一般的なんだそうです)

その後、ヘリコプターで出材→製材→2年間天然乾燥させてから、ようやく建て始めるので、着工は2010年の夏以降になる予定です。

昨日はOさんご夫妻を含め、総勢5名で山を登り、伐採予定現場まで行きました。
使わせていただくのは、樹齢120~130年の吉野杉です。

下の写真で木に抱きついているのがOさんご夫妻。
木の太さがよくわかりますね。
お二人とも、とても嬉しそうでした。

吉野の杉

こうやって立ち木の状態から木材を見ることができると、
「あぁ~この木からうちの家ができるんだ・・・」
という気持ちになって、感慨深いですね。

〇 木が育った山
〇 木を育ててくれた人たち
〇 製材してくれる人
〇 刻んでくれる人

など、家ができるまでには、いろんな方々が関わってくださいます。

決して高価な材料を使うわけではなくても、これら様々な人たちの想いが重なり合ってできる家は、お金の価値以上の魅力がありますし、携わってくださる人たち(作り手)も
「俺たちが作った材料はこういう人が住んでくれる家になるのか!」
と、とても喜んでくれます。

出来上がってしまってから入手すると、確かに家は
【モノ】
かもしれませんが、それだけを買うのはちょっと寂しい気がしますよね。

どの家もこういう作り方ができるといいのになぁ、と僕はいつも思うんですが、銀行融資制度などの制約があって、なかなか現実的にはクリアしないといけないハードルがいくつもあるのが現状です。
(決して、高くつくということではないんですけどね。
 周到な準備や根気がまずは必要です。)

でも、一歩一歩そのハードルを低くすべく、努力を重ねています。
どうぞご期待下さい。

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