このところ、全然更新できずすみません。
いつも観に来てて下さるみなさん、どうもありがとうございます。
ところで。
最近、ふと気付きました。
【木造建築家のヒトリゴト】
とか言ってるくせに、全然実際の建築のこと話してないやんか!
と。
「おいおい、実はこいつは口だけか?」
と、思われるのもイヤなので、書きますね。
(↑こういう理由もどうかと思うが・・・。
まぁ、そんな風に思っている人はいないと思いますけどね。)
実は今、10月から本格的に取り掛かる大阪の現場で、今、壁に使う土を寝かせて熟成しています。
写真はこちら(↓)
土にブルーシートをかぶせて養生しています
シートをめくってみるとこんな状態です
土の拡大写真
(画像をクリックして、拡大してご覧下さい)
この家は、新築ですが筋交いを一切使わずに、仕口(しくち)と貫(ぬき)と土壁だけで構造体を持たせる、いわゆる
【 伝統構法 】
と言われる工法で構造体を構成する住宅です。
何だか難しそうな名前ですが、簡単に言うと、いわゆる日本古来の民家のような組み方を想像してもらったら一番近いです。
それを新築でやろうとしているわけです。
現在、木曽(長野県)で大工さんがこの現場の構造材に使う木材の刻みを一生懸命してくれているところです。
すでに6月から刻みに着手しているのですが、9月一杯までかかるそうです。
(実質約3ヶ月!大工さん、ごくろうさまです)
予定では10月の上棟後に小舞下地(こまいしたじ)という壁の下地を、竹と棕櫚縄(しゅろなわ)で編んで、上記の写真でお見せした土を荒壁として塗りつけていきます。
なぜ今から寝かせるのか?
「そんなん、今からわざわざ寝かせなくても、壁に塗りつける直前に現場に搬入したらええんちゃうの?」
と思われるでしょう?
でもね、それにはちゃんとしたワケがあるんです。
今は、いわば土を腐らせて発酵させるために寝かせているんです。
(当然のことながら、発酵するとすごく臭~くなります。
すっぱい匂いがします)
土の上に水を張って、すさ(藁)と土とを混ぜ合わせて放っておくと、納豆やヨーグルトのように発酵し始めます。
すると土に粘り気がでて、建物の壁に塗りつけた時に、構造体にしっかり絡んで強くなると言うわけです。
例えは適当ではないかもしれませんが、おろしたての靴を履くと足になじまずに靴擦れをおこしますよね?
しかし、そのまま履きつづけていくと、皮が柔らかくなって足になじみ、靴擦れをおこしにくいような形に少しずつ変形していく。
(↑まぁ、この場合発酵はしませんが・・・)
そんな感じで、やはり土壁も、土とすさ(藁)を混ぜ合わせた直後はあまりお互いのなじみが良くなくて、意地の張り合いをするわけです。
それが少し寝かせておくと、ねんごろ(?)になり、お互いになじんで協力し合って粘り強い土に変化していくのです。
現在、それを期待して現場でじっくり寝かせているというわけです。
なお、この土を壁に塗りつける(=荒壁をつける、と言います)ちょっと前には、ワークショップと称して竹小舞下地を編む実践体験会を催したいと考えています。
このワークショップの日程については、近日中に改めて当ブログやホームページでお知らせ致しますが、
「参加してみたい!」
と思われる方は、さとうまで
「件名:竹小舞下地かきワークショップ 参加希望!」
と書いてメールを送ってください。
現場は大阪府四条畷市内某所です。
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