9/7(日)に、毎日新聞社の取材を受けました。
伝統構法(※)型住宅と、2007年6月に改正された建築基準法の影響についての特集記事をまとめたいということで、国土交通省の担当官のほか、伝統構法型住宅の建築主と設計実務者に話を聞きたいと申し入れがあり、うちで設計・施工管理をやらせていただいて昨年竣工したT邸に行ってきました。
※ 伝統構法というのは、筋交いやコンパネなどを使わずに、土壁と木組みだけで柔らかくしなやかな構造体をつくる木造の構造形式の一つです。
古民家や社寺建築などがこの伝統構法でつくられています。
同じ木造でも現在主流の在来工法や2×4工法などとは構造的に対極にあるものです
9/22(月)の朝刊の 『くらしナビ 住まいLiving』 というコーナー(←全国版だそうです)に記事が掲載されるそうなので、詳しくはそちらをご参照いただくとして、今日は毎日新聞社の記者が建築主のTさんにいろいろとインタビューをしていく中で印象に残ったオフレコの部分をお伝えしたいと思います。
このTさんのお宅は、奥様のご出身地である長野県木曽の木(主に木曽檜)を使って建てたい!というのが当初からのコンセプトでした。
Tさんがこの家を建てたことでとても良かった事として挙げてくれたのが、木工事を担当してくれた長野県の(有)山一建築をはじめ、奥様のご親戚・ご近所のみなさんなどがいろんな形でこの家の建築工事に関わってくださったことで、木曽と自分(←ご主人)との精神的な距離がとても近くなった、ということでした。
ご家族で奥様の里に帰れば、
「おう、帰ってきたか!」
と、とても親しくご親戚のみなさんが迎えてくださり、家のことにまつわる話が尽きないそうです。
自分にとって配偶者の親戚というのは、直接血のつながりがなくてまだ付き合いも浅い人たちですから、どうしても少し心理的な距離が遠くなってしまいますよね?
僕も今回のTさんの家づくりに関わってきて、ご主人のその気持ちが良く判るのですが、家づくりを通じて、物理的に距離の離れている身近なみなさんとの心理的な距離がグッと縮まった、というのは設計者としてもとてもうれしいことだなぁと感じました。
住宅の建築というのはとても手間がかかる割には利益が少なく1物件あたりの売上げも上がりにくいので、建築業界の中ではビジネス的に魅力の薄い世界として捉えられることもあるのですが、僕はこういう人間と人間の濃い~係わり合いが得られるので住宅の仕事が大好きです。
今回のTさんのインタビューに同席して、Tさんのお宅の建築に関わらせてもらえてよかったなぁ~としみじみ幸せに感じました。
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