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壁土作りレポート 第2弾

京都市内のN邸現場内で熟成させている壁土に水やりをしてきました。
5/11月曜日のことです。

泥の中に手を突っ込んで中の土を掘り出してみましたが、まだ土作りが始まって2週間しか経っていないので、土の色は変わっていませんでした。

 

土づくり0511


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから毎週1回ずつ水を補給してあげて管理していきます。

これから気温が高くなっていくので、いい具合に発酵が進み、臭~くなっていってくれることでしょう。

もうすでに、少し臭くなっていましたが・・・(汗)。

あっ、でもきちんとブルーシートで覆っているので、近隣の皆様に
「異臭がする!」
というようなご迷惑はかかりません。
その点はご安心を。


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形が見えてきました

佐用町0429


 


 


 


 


 


 


佐用町0429-2


 


 


 


 



 


今日は、先月末に着工して1ヶ月経った、兵庫県佐用町のK邸リフォーム工事現場に行ってきました。


ゴールデンウィーク突入(?)に伴って現場へ向かう西行きの中国自動車道は大渋滞するかも・・・と心配していたのですが、うちの事務所からはほとんど影響なくてスムーズでした。
よかった。


 


大工工事がほぼ終わり、左官工事も下塗りが完了したので部屋の仕上がりの形がほぼ見えてきました。


すでにキッチンなど部分使用も始まっていて、クライアントのKさんは明るくなったリビングに大満足のご様子です。


こちらの提案に満足いただけた笑顔を見るのは、何よりも嬉しい瞬間ですね。
この仕事をしていて良かった、と感じます。


あと2週間くらいで工事もほぼ完了です。

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静岡にて

昨日の投稿に引き続き、静岡での話。
(と言っても、今は東京からこの記事を書いていますが)

静岡でもやはり新緑がとてもきれいでした。


材木を置いているストックヤードの脇でいくつか植物の写真を撮ったのでご紹介します。




やまぶき


 


 


 


 


 


 


 


 





 


上の写真は山吹の花です。
はらはらと軽やかな雰囲気の黄色が美しかったです。




朴の木


 


 


 


 


 


 




 


 


 


 


 







 



この木は朴(ほお)の木です。
朴の木の樹芯の色は緑がかっていて、この緑色が鮮やかに出るほど珍重されます。
朴の木の板は版画の際の版木として使われたりします。



朴の木は木材としての利用価値よりも、きっと葉の使い道の方が有名でしょうね。
飛騨の朴葉みそで使う朴葉を採る木と言ったら伝わりやすいでしょうか?
朴の葉は1枚1枚がとても大きいという特徴の他に、食品を保存する効能があるようです。


以前信州へ行った折には、この朴の葉の中におにぎりのようにくるんだちらし寿司をごちそうになりましたが、静岡の僕の田舎では柏餅を作る際にこの朴の葉で餅をくるみます。
昔の人はいろんな知恵を知っていたのですね。
感心します。

その朴の葉はこんなふうに(↓)木に生えています。
ちょっと変わった生え方でしょう?


朴の葉


 


 


 


 


 


 


 


 





 


 


今日と明日は東京都世田谷区内でリフォーム計画の打ち合わせと現場調査をした後、一旦静岡に戻り、伊丹へ戻ります。

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3D内観イメージパース

モデリング


 


 


 


 


 


 


モデリング0


 


 


 


 


 


 


 


日曜日に、うちの事務所で新築2世帯住宅の設計打合せを行いました。

西宮市内で今年秋に竣工予定のY様・K様のお宅です。
上の2枚の画像は、K様、Y様のお宅の内観イメージパースを当方設計スタッフが作成したものです。



このところ、東風では

このようなイメージパースを作成
       ↓
クライアントの皆様に当方事務所まで足を運んでいただいて
       ↓
打合せ室(←和室ですが)の壁面一杯に、このような画像を
プロジェクターで大きく投影
       ↓
内観イメージを確認していただきながら設計を進める

というやり方で打合せを行うようになってきました。



イメージパースを紙に印刷しただけだと、どうもスケール感がつかめなかったりするのですが、大きく投影するとだいぶイメージが掴みやすくなります。

前の記事( ↓ )に続き、これもコミュニケーションツールの進化の恩恵ですね

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佐用郡でのリフォーム進行中

作用町0415


 


 


 


 


 



水曜日(4/15)に兵庫県佐用郡のリフォーム現場・K邸へ行ってきました。

床板(杉無垢材フローリング t=30 )も張りあがり、当日は天井下地の作業を行っているところでした。

まだ和室の面影が残っていますが、これから壁下地を作って左官工事などが入っていくと、だんだん和室の面影が薄くなっていきます。

( ↑ 僕は別に和室が嫌いなわけではないんですよ。
  っていうよりも和室大好きです)



ゴールデンウィーク期間中も職人さんは作業をしてくださるそうなので、連休明けにはほぼ形になりそうです。

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タイトルの漢字の読み方は『のみ』です。

もちろん、あの大工道具の『のみ』のことです



大工さんはたいてい道具に対してそれぞれのこだわりを持っていることが多く、僕も(あまり詳しくは無いけれど)道具の話が好きなので、よく大工さんの道具を見せてもらっていろんな話をします。

数ある道具の中でも、僕が一番大工さんの愛情や思い入れを感じるのが鑿です。
なぜか?というのは、下の写真を見て頂ければお分かりになると思います。

 

鑿

 

 

 

 

 

 

 

 

 




















これらの鑿を使っている大工の西田さんは現在40代前半の割と若い大工さんですが、これらの鑿は全て西田さんが新品の時から使っている鑿です。

もちろん購入時期はそれぞれ異なるのでしょうが、元は全て一番左ののみと同じ(またはそれより若干長い)長さがあったのです。

それをしょっちゅう研いで長い間使い込んでいくと、刃はどんどん短くなっていきます。
それで右のようになっていくわけです。

一番右の鑿もこれから使い続けていってさらに短くなっていくわけですが、こういう道具を見ると、それぞれの大工さんの道具に対する愛着や歴史を感じませんか?



昨今は木造の現場でも鑿や鉋(かんな)を使う機会がめっきり減りました。

電気道具が発達したせいもありますが、刃物でも使い捨ての刃しか使わない職人さんもいるようです。
ちょっとさみしいけれど仕方ない傾向なのかも・・・と思う一方、やはりこういう道具で仕上げてもらえるとすごく嬉しく、またありがたく思います。




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地盤調査

サウンディング


 


 


 


 


 


 


 





 


 



昨日、西宮市内で今年着工予定の現場にて、スウェーデン式サウンディングというやり方の地盤調査を行いました。

地盤調査の方法にはいくつか方法がありますが、木造住宅など自重が軽い建物向けの簡易な地盤調査方法としてよく用いられるのが、このスウェーデン式サウンディングです。

スウェーデン式サウンディングというのは、尖ったステンレス製のキリに100kg前後の荷重をかけたまま、キリに回転を加えたときにどのくらいのスピードで何センチくらい沈んでいくか?という沈むスピードとそれに要した回転数から地盤の固さを推測する、という調査方法です。



今回調査を行った敷地は西宮市内でもわりと東寄りの地域で、近くには武庫川という大きな川が流れています。

よって、地層の形成期にはその川の流れによってできた扇状地だった可能性があるので、おそらく砂地だろうと思われます。
(サウンディングではサンプルを採取しないので、測定データから推測はできても確実なことはわかりません)



木造住宅程度の軽い建物の場合はこのサウンディングという簡易な調査方法が一般に良く用いられるのですが、その理由は調査費用の安さです。

サウンディングに要する調査費用は、大体3-5万円程度です。
(調査ポイント数が増えれば少しアップしますが・・・)



一方、地下地盤のサンプルも採取して、もっと詳細な調査を行う必要がある場合にはボーリングという地盤調査を行います。

ボーリング調査を行うと、下の写真のように地中の地層を構成している土や粘土・砂などのサンプルも採取できます。

ボーリング1










↑ こんな箱に採取資料が納められてきます。
  ふたを開けると・・・↓



ボーリング2












こんな感じで各地層の構成材が瓶詰めにされて届きます。



一般に、鉄筋コンクリート造や鉄骨造など、比較的重い建物を建てるときには、このような地盤調査が必要とされるのですが、調査が丁寧な分だけやはり割高で、1ポイントあたり15-20万円くらいかかります。
(価格は調査ポイント数や深度によって変わります)

地盤調査にも目的と精度によっていろいろあるんですよ。

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墨付けと i – ro – ha

これまでにも何度かお伝えしていますが、今、兵庫県三田市内で墨付け作業を行っています。

墨付けというのは、構造材を刻む前に、その刻む加工の線を書いたり、通り芯という基準の線を材木に書いたりする作業のことを言います。



一般に木造の世界では、X軸Y軸を
  いろはにほへと・・・
  123456・・・
という番号を打って座標をつくり、各柱や梁などの構造部材の位置を
「【へ】の【1】番」 とか 「【い】の【5】番」 などというように表します。

なぜか、【あいうえお】の順ではなく、【いろはにほへと】、なんですよね。
慣習的に。



ちなみにこれは木造の世界に限ったことで、ビルなど鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物の場合は、【いろはにほへと】 の代わりに 【ABCDEFG】を使うことが多いです。

もうここまでいってしまうと、味わいもへったくれもない、という感じですが(笑)。



そんなわけで僕は、いろはにほへと・・・には割と身近に接する機会が多いのですが、今回墨付けをお願いした大工の西田さんはちょっと違いました。

 いろはにほへと・・・ではなく、
 以呂波耳本へ止・・・なんですよ。

僕には初めてのことだったので、これには最初ちょっと驚きましたが、なかなか味わいがあって良いものですよ。

ちなみに西田さんは40代前半のまだ若い大工さんなので、親方に教わったからそのままのやり方をしているだけだと思います。
別に尋常小学校でそのように習ったから、というのではありません。



下の写真がその墨付けが終わった材料です。

いろは

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

蛇足ですが、【いの1番】というのはこの建築用語が語源のようです。

【い】通りの【1】番にある柱は、建て方の際に一番最初に立てられるケースが多いことから、「何をさしおいても、真っ先に」という意味で使われるようになったとか。

 

 

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葉枯らし完了

先週末(土曜日)から、また静岡へ行ってきました。

今回は所用があって東京にも寄っていたので長くなってしまったのですが、3/14~18朝まで出張でした。
昨日の朝、3トントラックを自分で運転して、木材を積んで帰ってきました。

↑ 普通、建築家はこんなトラック運転しませんよね?(苦笑)
でもいいんです ♪
僕はこんなんが大好きなので。



静岡での用事は色々とあったのですが、その中の一つは昨秋11月下旬に伐採した約500本の木材の葉枯らし状況の現場確認です。

下の写真の通り、伐採現場(標高900m、斜度40-50度!の北斜面)にはたくさんの杉と桧が横たわっています。

葉枯らし1

 

 

 

 

 

 

 

 

 




これらの木は全て昨年(2008年)の秋に伐採されたものです。
伐採後4ヶ月経過しているのですが、まだ葉は青々としています。

下の写真を見ていただくと、本当に枝葉がついている様子が良くお分かりになると思います。

 

葉枯らし2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

なぜ伐採後4ヶ月も経過しているのに葉がまだ青いのか?
それは木材の中に保有していた水分が、まだ使われずに残っているからです。

でも、伐採時には潤いたっぷりだった木材も、保有水分を消費して、樹芯の色がかなり変化しています。



下の写真を見比べてみてください。

左が昨秋の伐採直後に撮った写真(2008年11月21日)
右が4ヶ月の葉枯らし期間を経過した現在の状態(2009年3月17日)です。

 

2008伐採葉枯らし3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 


木口に油性マジックで書いた番号「211」も風化して消えかかっています。

 

水を断って、さらに光合成させるなんて残酷なように思いますが、こうすることで木材のもつ生命力をさらに引き出し、色艶もよく耐久性の強い材料に仕上げることができます。

その方が木も喜んでいると思いませんか?



上の写真に写っている211番の木は、年輪を数えてみたところ樹齢129年でした。

ということは、発芽したのは西暦1880年のこと。
明治政府樹立とほぼ同時に発芽した木です。

伐採した木口部分の太さは約80cmもあって、今からどんな部材になるか製材が楽しみです。




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杉のナグリ


昨日は京都と大津へ行ってきました。

京都市上京区の中儀銘木店さんに、先月製材した杉板に丸手斧(チョウナ)で化粧ナグリ加工を施してもらうようにお願いしていたのですが、その加工が出来上がったという連絡を頂いたので、取りに行ったのです。

この写真の左側の板が加工前の板。
下の写真左半分が、化粧ナグリ加工が済んだものです。
(画像をクリックすると、拡大表示できます。)

 

杉なぐり

 

 

 

 

 



この板はサンプルとして作ってもらったものです。
今後もずっとうちの事務所に置いておいて、クライアントの皆様への説明の際に使うつもりです。

右半分はプレナーで仕上げただけの平滑な面のまま残してあり、
「どちらがお好みですか?」
とクライアントのみなさまに尋ねて決めてもらおう、というわけです。


杉なぐり2 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真はナグリ部分を拡大したもの。
スケール感がわかるように、僕の手も一緒に撮りました。
(この画像も拡大表示できます。
 まだ細かい部分を仕上げきれていないので、少し毛羽立ちが残っています)



今回は、現在墨付け加工を行っている最中の京都市N邸・玄関式台にご提案しようと考えています。

栗とか松の板でナグリを施す事例は良く見かけますが、杉のナグリの式台はあまり見かけません。
( ↑ 別に僕が発明したわけではありませんよ)
しかし実際に足を置いてみると、なんとも言えずイイ感じです ♪

こればっかりはインターネットではお伝えできないので、うちの事務所にお越しの際はお申し出の上、ぜひ体験してみて下さい。



ナグリ加工は、柔らかくて傷つきやすいという杉の欠点をカバーしてくれて、足触りの良さ・面白さをさらに引き立ててくれます。
なかなかお勧めです。


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