前回の記事投稿時に
「続きは明日」
と書いたくせに、なんと3週間も間が開いてしまいました。
申し訳ありません・・・ m(_ _)m
新月伐採―玉切り工程その2を続けます。
長いままで山の斜面に横たわらせておいた木を平場まで引っ張り出してきた後、材料の性質を見ながら何メートルで玉切りするか?を見極めます。
木材には育っていくうちにできてくる
〇 自然の曲がり
〇 節
〇 太さ(木の直径によって、どんな大きさの柱・梁が採れるかが変わります)
などがそれぞれに違いますので、個々の木材に合った大きさ・長さで玉切りしてあげることになります。
(↑これが肝心!)
下の写真は玉切りをしている最中です。
この木は根元から木の先端までの長さが29.5mありました(長ッ!)。
この木は根元のあたりに曲がりが少なく、節も出ないようなおとなしい木でしたので、7.5mの位置で玉切りして目に近い2階床の梁として使うことにしました。
この木は、製材したらきっときれいな木目が出てくると思いますよ。
製材するのが今からとても楽しみです。
下の写真は玉切りした木口の写真です。
年輪がよく詰まっていて、なかなかいい材料でした。
昨秋の伐採したての時とは、樹芯の色がぜんぜん違います。
4ヶ月間の葉枯らしによって、木の中の水分が蒸散作用によって消費されたことが一目瞭然です。
今回、ぜひ調べてみたかったことがあります。
葉枯らしをしたことで、木の含水率がどのくらいまで下がっているのか?
を調べることです。
今回の木材を製材する際に協力していただく予定の杉山製材所さんから、木材の含水率測定器をお借りしてきました。
上の写真のように、木材の含水率を測りたい部分に直接含水率測定器を当てると、その部位の含水率が測定器に表示されます
杉山製材所さんは、5年前から静岡市内で天然乾燥材のみを扱っておられるという、何とも頼もしい製材所です。
以下に今回測定してみた4本の木の含水率を列挙しておきます。
2007年11月の新月期伐採材 | |||
4ヶ月葉枯らし後玉切時の含水率測定結果 | |||
材料名 | 部位 | 1番玉の含水率 | 2番玉の含水率 |
桧-1 (S39) | 赤身(芯材部) | 35.0% | 43.8% |
白太(辺材部) | 32.1% | 50.2% | |
杉-1 (S41) | 赤身 | 40.5% | 57.2% |
白太 | 50.8% | 62.5% | |
杉-2 (S42) | 赤身 | 30.6% | 43.0% |
白太 | 49.6% | 65.5% |
今回調べた上記の結果から、
〇 根元から遠いほど含水率が高く(1番玉<2番玉<3番玉)
〇 桧・杉ともに白太(辺材)よりも赤身(芯材)の方が含水率が低い
ということが実感としてわかりました。
本当は伐採時の含水率も測ってデータを採っておけたら良かったのですが、昨年末にはそこまで準備ができませんでした。
これは今秋の新月伐採時の課題としてまた実行する予定です。
ちなみに、伐採直後の木は含水率が100%を超えているため、なんと!水に浮かびません(沈みます)。
( ↑ 桧の芯材部は除く)
木が水に浮かばないなんてちょっと信じられないでしょうが、ホンマの話です。
でもしばらくすると木材の内部の水分も抜けてきて、水に浮かぶようになります。
ここで最初の山での滞在時間はは時間切れ。
もう少しじっくり見ていたかったのですが、この日は日帰りで2ヵ所の山を見て回る強行軍だったので、同じ静岡市内のもうひとつの山へ向かうことにしました。
次はYさんの山です。
標高700m、樹齢50年生前後の山です。
Yさんの山では、造材作業が進んでいました。
玉切りをした直後に、木の木口にすぐ個別ナンバーを打っていきます。
上の写真中、白く見えているプレートのようなものがそれです。
今回伐採した新月材にはすべて固有の番号が打たれ、一般材とは区別ができるように履歴を残しています。
この後、林業家のSさん、Yさんが出材作業を進めてくださり、現在は製材の準備が整いつつあります。
今月中に製材にとりかかるので、静岡へ行ってきます。
また製材の結果はブログでご報告しますね。
どうぞお楽しみに。
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