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石場建て伝統構法(工法)の建て方、ドローン撮影/和風建築、新築、天然乾燥

2017年5月に行った、石場建て伝統構法住宅の【建て方作業】
の様子をまとめた動画を作って頂いたので、お披露目させて頂きます。

【建て方作業】とは、柱や梁(はり)など建物の骨組みとなる
構造材を、現場へ搬入し組み立てる作業のことを言います。
木造住宅を建てる中では、最もダイナミックで緊張感のある
工程の一つです。

大工さんなど木造住宅にかかわりの深い方々はよくご存じでしょうが、
一般の方にも【建て方作業】がどのようなものなのかをお伝えしたく、
今回、動画の撮影・製作をお願いしました。

動画の撮影をプロの方にお願いしたのは今回が初めてだったのですが、
空中からの撮影にはドローンを使って頂いています。

棟梁を務めたのは、東風でいつも頑張ってくれている39歳の和田浩くんです。

熟練の職人から若い職人まで、東風の大工と親しい大工さんにも
ご協力頂いて、総出で手刻みした後の建て方の様子です。

下記リンクから動画を閲覧できますので、ご興味のある方は観て下さい。
※音楽が流れるので、閲覧の際は音量などに気を付けて下さい。
ヘッドフォンやイヤホンを使って視聴された方が、よりお楽しみ頂けると思います。

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世界に、300年先も美しい風景を

10/18 新月伐採×伝統構法の家 構造見学会を開催します

クライアントのN様のご厚意により、10/18(日)に現在施工中の伝統構法型住宅・京都市N邸の構造見学会を行うことになりました。


N邸建方_3


 


 


 


 


 




 



道路側から見た建物全景。
見学会当日までには、いくらか屋根の瓦も葺けていると思います。


N邸建方_2


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 





建方当日の様子。
上の写真は通し柱の足元ですが、石場立てになっている様子がお分かりになると思います。


N邸建方_1


 


 


 


 


 


 


 


 





 


上の写真は通し柱と胴差(2階床を支える梁)の仕口の写真です。
長ほぞに鼻栓を差して木組みだけで緊結しています。



この現場は、2007年11月の新月期に伐採し、自然乾燥させた木材を使っています。


木造2階建ての石場立て型伝統構法で、構造材の緊結に金物は一切使っておらず、足元も石に載っているだけの構造です。

耐震偽装問題後に改正された現行建築基準法になってからは、京都市内で初の新築伝統構法物件だそうです。

壁は昔ながらの土壁+竹小舞でつくり、屋根には日本瓦を葺きます。




このような形で建物を作る機会は、近年大変少なくなっていますので、興味のある方はぜひご参加下さい。


見学会当日は時間の許す限り、ご参加いただいたみなさまのご質問にお答えし、皆様のお役に立ちたいと考えております。


同業者の方も見学可能です。
遠慮なくご参加下さい。

※同業者の方へ:参加お申込の際、建設業に携わっていることを明記しておいてください。
        お申込人数が多かった場合、別時間帯にさせて頂く場合もあります。



開催場所:京都市左京区 
      ※お申込いただいた方に現場の地図をお送りします
開催日事:2009年10月18日(日) 13:00~16:00


参加お申込はこちらからどうぞ

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建築家に設計を依頼するメリットとは?

うちが設計を行った現場での、ここ数ヶ月の間に起こった実際の話。

うちの事務所で作成した詳細な図面に基づいて見積を依頼したところ、

【ある住宅の新築現場】
A社の見積・・・3000万円
B社の見積・・・2500万円
うちの設計報酬・・・325万円

【ある施設の家具工事現場】
C社の見積・・・1000万円
D社の見積・・・800万円
うちの設計報酬・・・15万円

ということがありました。



建築家に設計を依頼することの大きなメリットの1つに、
『同じ条件での価格比較ができる』
というものがあります。

家を建てる前に
「どの工務店(または大工さん)に頼もうか・・・」
と迷って数軒の会社に相談を持ちかけると、各社それぞれに簡単な図面(平面図)を描いて、それに基づいた概算見積を作ってくれます。



でもこの見積で比較はできません。

なぜならこの図面は3社に依頼したとしたら
「3社3様の図面に基づいて作成した」
見積書であって、しかも
「完全にあなたの希望を反映したものではない」
からです。



通常、建築に取り掛かる前の設計作業というのは、最低でも約3ヶ月(うちでは標準的に6ヶ月)くらいはかかります。

実はこの数ヶ月という期間は【非ッ常~に重要】なんですが、わりと軽視される傾向が強いです。

でもこの設計期間にきちんと手間と時間をかけておくと、隅々まで非常に満足度の高い建物を構築することができ、着工後の追加・変更工事見積に悩まされるリスクも極端に少なくなります。



そして最も大きなメリットが、
【(隅々まであなたの要望に沿って完成した設計図に基づいて)全く同じ条件で価格の比較ができる】
というものです。

実際、2~3千万円の住宅工事であっても、工事の見積に数百万円くらいの価格差が発生することはよくあります。
そうすると、建築家の設計費用くらい元が取れてしまう、ということも実際あるのです。



ここで勘違いされることがよくあるのですが、僕は過剰な価格競争を促しているのではありません。

ちょっと考えてみていただきたいのですが、完全に1社だけからしか見積書が出てこないとすると、
「もしかして、他の工務店に頼んでいたらもっと安くできたのでは・・・?」
とか
「この価格は適正な価格なんだろうか・・・」
という疑問が沸いてくるのは当然だと思います。

でも、そう思ったって比較はできませんよね?
ここで得られるあなたのメリットは、
「価格への納得度・安心感」
です。



「もしA社ではなくB社に頼んでいたら、おそらくあと20%くらい高かっただろう」
とか
「もしC社に頼んでいたら、もっと安かったかもしれないけれど、仕事がきれいに仕上がらなかったかもしれないなぁ」
などというように、自分が支払った費用に対する対価に納得できるかどうか?というのはとても重要だと思いませんか?



僕は必ずしも工事費用が安いことがいいことだと思っているわけではありません。

たとえば世の中には、ほぼ同じ機能・容量のかばんでも、
〇 1,000円のもの
〇 10,000円のもの
〇 100,000円のもの
などいろんなものがあって、その中からみなさん取捨選択しているわけですよね?

100,000円のかばんが必ずしもボッタクリなわけではなく、きちんとした価値があるから納得してそのかばんを買ったりするわけです。

あるいはまた
「あの店で買えば、革のなめし方に間違いが無くて、工場周囲の環境汚染や材料の仕入れ方などにもきちんと配慮してくれている安全な商品が手に入るから、多少高くてもあそこで買おう」
といった理由で買う場合もあるでしょう。

一番重要なのは、「安さ」ではなく「価格に対する納得」や「商品・サービスへの安心感」だと思うのです。

そういった意味でも比較は重要です。
その際に活きてくるのが、建築の場合には【半年かけてじっくり作り上げる設計図】なんです。

今日からお盆休みも明けて、また通常の生活に戻られる方が多いと思います。
まだまだ暑いですから、体調管理には充分ご注意くださいね。



 

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