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11/26(日)に構造見学会を開催しました

11/26(日)に大阪府四条畷市で、
【木曽のみんながつくってくれる大阪の家】
構造見学会を開催しました。

あいにくの曇空&寒い中であるにも関わらず、延べ18名の方に来ていただくことができました。
ご来場してくださった皆様、どうもありがとうございました。

当日の朝、建築主である T さんに、
「ここに至るまでのいきさつや苦労したこと、思い出などを簡単にお話していただきたい」
とお願いしたところ、20分以上も熱く語って下さいました。
あらかじめ準備をしておいて頂いたわけでもないので、きっと3分くらいで終わるだろうなぁ、と僕は勝手に予測していたのですが、なんのなんの!
Tさんの家づくりに対する思い入れがいかに強いのかは、参加者のみなさまに充分に伝わったことでしょう。

現場では、
○ 天然檜(官材)と植林のヒノキ(民材)の年輪の詰まり具合の違い
○ 竹小舞下地 + 土壁の施工状況
○ 在来工法と伝統構法の違い(構造の仕組み、コスト、工期など)
○ 熟練した大工の丁寧な仕事
などについてご説明し、実物を見ていただきました。

今回の見学会の様子を、建通新聞社の記者の方が取材してくださって、11/28(火)付の新聞に掲載されたようです。
まだ僕の手元には届いていませんが、また改めてこのブログでご報告します。

今回の見学会を開催できたのは、建築主であるTさんのご協力のおかげです。
Tさん、本当にありがとうございました。

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手描きの味わい

関東へ来ています。

昨日、新宿センタービルの17階にある、ギャルリータイセイへ行って、
『大熊喜英(おおくまよしひで)の建築』
という展覧会を観てきました。
僕はこれまで大熊氏のことはほんど知りませんでしたが、滋賀県の友人・Mさんがこの展覧会のことをおしえてくれたので、ぜひ観たいと思い足を運びました。

大熊氏(1905~1984)は、日本の伝統的な民家の調査・研究に若いときから関わっていたそうで、民家のデザインを採り入れた近代的な和風住宅の設計を数多く手がけられ、その作風は一世を風靡したそうです。
(知りませんでした)

会場には、大熊氏の手による図面・スケッチなどが数多く展示されていました。
大熊氏が活躍されたのは今から数十年前ですから、もちろん全ての図面は手描きでした。

しかし大熊氏の図面は、手描きは手描きでも、定規を使わないフリーハンドの線だけで構成された図面なのです。
丁寧に描かれたそれらの線には、やはり深い味わいがあり、すっかり魅了されてしまいました。

今はうちの事務所でもコンピューターで図面を描いています。
しかし、
「手描きに戻そうかなぁ~」
と本気で考えてしまいました。

確かにコンピューターで図面を描く利点は大きいので、全ての図面を手描きに戻すつもりはありませんが、コンピューターで図面を描くことの弊害も実は大きいのです。

その弊害として一番大きいのは、スケール感覚が薄れることです。
寸法が一番重要な、建築家という職業にとってこれは致命的です。
正直なところ、僕のスケール感覚もかなり鈍ってきています。

ここで言うスケール感覚というのは、木材の大きさを(定規をあてずに)目で見ただけで、それが何ミリ(センチではありません)あるのか?ということがパッとわかる、という能力です。

こういう能力は、常に現場で木材に触れて仕事をしているか、または原寸(実物大)の図面を描いていると、長年かけて自然に身についてくる能力なのですが、コンピューターで図面を描いている限り、絶対にこういう能力は身につきません。

もう一つの弊害は、図面一枚一枚のありがたみや存在感が薄れることです。

手描きの図面は、一枚一枚にそれぞれ個性やクセがあるので、一目見ただけでも鮮明な画像となって記憶の中に残ります。
しかしコンピューターで描いた図面は、文字も線の太さも均一ですから、手描きの図面に比べるとどうも記憶に残りにくく、存在感も薄くなってしまいます。

僕が建築家として売っているものは、図面ではなくコミュニケーションやコンサルティングを含めたトータルのサービスなので、必ずしも図面に味わいを求めなくてもいいのでしょうが、やはり図面を受け取るクライアントの立場に立って考えてみれば、味わい深い図面を渡された方がきっとうれしいのだろうなぁ、と思うのです。

スタッフにはきっと反対されるでしょうが(笑)、これからは手描きの図面を増やしていこうと考えるようになりました。
まずは自分で描く図面から始めればいいことですから、そんなに難しい事ではありませんけどね。

Mさんのおかげで、いい機会に恵まれました。
どうもありがとうございました。

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水のチカラ

昨日の日経新聞の朝刊で、打ち水のことを採り上げた記事があった。

ビルの外壁に打ち水をすることで室内の気温を下げる取り組みや、
国会議事堂は1960年代まで氷で冷やした井戸水で冷房をしていた事実などを紹介していた。
(↑国会議事堂の話は初耳だったが、スゴイ!と感じた)

僕は数年前からやってみたいと考えていることがある。

住宅の屋根に噴霧器のようなものを取り付けておいて、集めておいた雨水を再利用して屋根面に打ち水をして冷却するという案だ。
真夏の屋根面(特に板金)は、焼き肉ができそうなほど熱くなる(僕は新米の頃、何度も現場でやけどした。笑)ので、あれを水で冷やせればかなり冷却効果があるだろうと思うのである。

きっとどこかですでに実践されている方はいると思うのだが、チャンスを待っているので、
「そのアイデア、いいやん! うちの家でやってみようかなぁ」
という方がおられたら、さとう(info@mokuzo-architect.jp)までご連絡を。

昨日の夕方、また息子と2人で六甲山に出かけていって、冷た~い沢の水に足を浸しながら、

「この冷たい水のエネルギーを使うことができれば、
 エアコンに頼らなくても冷房なんか簡単にできるのになぁ・・・
 ついでにビールも冷えそう♪」

と、ぼんやり考えていた。
でも熱エネルギーは運ぶのが難しいからね。

原油価格が高騰してガソリンの価格が上がっている。
この冬の灯油価格もまだまだ上がったままだろう。
その原因を今朝のテレビでエコノミストが解説していたが、向こう数年はこの状態が続くようだ。

建物で消費するエネルギーを抜本的に減らすシステムを考えないと・・・。
これが当面の僕の課題。
難しい・・・。

やはり自然はすごい、と畏敬の念を新たにした。

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オープンハウス開催のお知らせ

久しぶり(実に数年ぶり!)に、見学会(オープンハウス)を開催します。

今回の現場は兵庫県川西市にあり、阪急電鉄・川西能勢口駅から徒歩約10分のところにある、都市型狭小住宅です。
この家は、築後約40年を経た中古住宅であったものを、クライアントである I さんが購入され、全面リフォームしたものです。

床板は全て吉野杉の赤味のみを用いたムクのフローリング張り。
リビングの中央には、以前は梁として使われていた松の古材丸太を、柱として立て、天井は2階の床組材をそのまま見せて古色仕上げを施しました。
クライアント自らが製作された、掘りごたつ形式のダイニングテーブルも、とってもいい感じです。

今年の3月に竣工したこちらのお宅(↓)ですが、クライアントのご好意により、住んでいる最中に見学会を開催させていただけることになりました。

すでにお住まいになっていらっしゃることもあって、
【 完全予約制 & 7組限定 】とさせていただきます。
基本的に先着順です。

<小花の家 見学会>

【開催日】 6月11(日)
【 時間 】  10:00~17:00の間でご希望の時間帯を受け付けます。
1組あたり約1時間ずつ。
完全予約制です。
【 場所 】  お申込みいただいた方に現場の地図をお送りします。

見学を希望される方は、直接メールにてお申込み下さい。

【 件 名 】   小花の家・見学希望
【メールの送り先】 info@mokuzo-architect.jp(担当:佐藤)
【必要記載事項】  お名前・ご連絡先の電話番号・メールアドレス・見学希望時間帯

先着約7組で締め切ります。
(↑時間帯の都合で、もしかするともう少し増やせるかもしれません)

お申込みの際はお早めにどうぞ。
すでに3組の方からお申込みいただいており、残り枠はあと4組(06/03時点)です。

現在空いている時間帯は、

11:00~12:00
12:00~13:00
13:00~14:00
14:00~15:00

です。
どうぞよろしくお願いいたします。

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木の文化、土の文化


(↑ぜひ拡大してごらん下さい)

旧中山道沿いには、昔の宿場町の面影を残すまちなみが多く残っていますね。
今回はそんな中の一つ、奈良井宿に連れて行っていただく機会を得ましたのでご報告します。

奈良井宿は長野県の中央部、塩尻市にあります(地図はこちら
出梁造(だしはりづくり)と呼ばれる造りの民家が建ち並ぶ宿場町です。

写真のように、2階の梁が1階の外壁よりも前にせり出していますね。
2階の床を支えるがせりしているから出梁造というのでしょう。
この地方独特の構造で、近畿地方では見られない形です。

奈良井では、とにかく塗り物(←漆塗り)の工芸品を売るお店がたくさんありました。
さすが木曽路です。

以前読んだ、筑波大学の安藤邦廣先生が書かれた本の中で言われていましたが、歴史を紐解いていくと東日本は木の文化、西日本は土の文化なのだそうです。

すごく大雑把に言ってしまうと、早く(飛鳥・平安)から文化が栄えた近畿地方などでは、大きな寺院やたくさんの民家を建てるために豊かな森林がドンドン伐採されつづけ、木がなくなってしまった。
そして応仁の乱や幾多の戦火により民家が焼かれると、そのたびに次々に木は切り出され、木がなくなる。そこで土の文化が発達した。

一方、東日本はそういった事情がなかったため、比較的木に恵まれた文化が発展した。

そのおかげで、関西の家は土壁が一般的で、お椀なども土モノ(焼き物=陶器)が定着した。
一方で東日本では板壁の家が多く、食器なども木地+漆塗りが一般的になったそうです。

僕も生まれは静岡で、元々は東の人間(いまではどっぷり関西に浸っていて、当分離れる気はありませんが)だからでしょうか、塗り物の食器を見るとなぜかホッとします。
もちろん、焼き物も好きなんですけどね。

でもそれとは少し感覚が違う、深いところでやはり木の文化を欲しているのかもしれません。
血だからしょうがないですね。
なにせうちの母方の実家では、今も僕のいとこが林業をやっているという家系ですから。

いろいろと塗り物の店を覗いて、少し長目のとり箸(もちろん塗り物)を買ってきてしまいました。

奈良井宿を後にする前に、木曽のヒノキでつくった木曽の大橋(↓)を見て、

「ああそういえば、錦帯橋で使われていたのは確かケヤキだったって聞いたけど、やはり木曽はヒノキなんだ。」

などと考えました。
そんなところにも、作り手の想いが垣間見えて面白かったです。

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桜が咲いています

このところずっと、ブログの更新が止まっていました。
いつも楽しみに来てくださっている皆様、ごめんなさい。

実は先月末に、めでたく事務所の移転をしたためです。
もう、ここ2週間はバタバタで、まともなスケジュールではありませんでした。
ちょっと体も根を上げはじめたので、今日は休養を取りたいと思っています。

これまで、うち(サトウ都市環境デザイン)は自宅の1室を使って一級建築士事務所としての運営を続けてきていました。
しかし、業務が自分一人ではさばき切れなくなってきたため、優秀な常勤スタッフに来てもらって新しい態勢で事務所を構えることにしたのです。

2週間かかって、ようやく一段落しつつあります。
落ち着いて仕事ができる環境になってきました。

そんな折。

僕が2年前から発行しているメルマガ
【最低目標200年!古民家にならうこれからの家づくり】
の読者で、かつ日本民家再生リサイクル協会会員でもある、
普段から親しくさせていただいている滋賀県のMさんが・・・

なんと!
桜を送ってくださったのです!!!
こちらの写真をご覧下さい。

(画像をクリックすると、拡大表示できます)

ほらね?
おかげで、今、うちの事務所の応接間では、桜が満開です。
Mさん、どうもありがとうございました。

実物は高さ1.2mほどある、背の高い切花(枝)なのですが、
今回はその先端の花の部分のみ写真に収めてみました。

なんとも言えない幸せで豊かな気持ちにさせていただき、
この上ない形で新しい事務所を開くことができ、うれしく思っています。

これからもより一層努力を重ねて精進していく所存であります。
みなさま、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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まちなみを守っていくために

昨年の10月にこのブログでもお伝えしましたが、奈良県御所(ごせ)市の中心部には、江戸後期~明治期に建てられた町家がたくさん残るまちなみがあります。

毎年恒例となっている御所のまちなみを広く知ってもらうためのお祭り

【 霜月祭(そうげつさい) 】

が昨年の秋にも行われましたが、その舞台裏事情や御所の街づくりに関する取り組みの一部を採り上げた記事が、元旦の読売新聞に掲載されました。

ご自身も御所の町家に住んでおられる、読売新聞社の記者・中井将一郎さんが記事を書かれているのですが、御所のみなさんの思い入れや熱意が垣間見れてなかなか興味深い記事です。

読売新聞社のホームページで読めますので、興味のある方はぜひ一度読んでみてください。

<シリーズ~輝け わがまち>
町家見直し人波戻る 江戸情緒への誇り重ね<1>
(読売新聞)

 

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昔の人が建築に込めた思い~金沢・成巽閣にて

この週末、金沢へ行ってきました。

 

NPO法人・日本民家再生リサイクル協会主催の、民家フォーラム2005に参加するためです。

いろいろと感じることが多かったので何回かに分けて金沢でのことをご報告するつもりですが、とりあえず今日は、金沢に着いてまず一番に訪れた成巽閣(せいそんかく)という建物を見学した際に感じたことについて書いてみます。

 

 

成巽閣は1863年(江戸時代末期)に加賀藩・前田家13代当主が、彼の母12代奥方のために建てた奥方御殿です。

成巽閣では、現地の学芸員の方に解説をお願いしたおかげで、じっくり堪能できました。

(吉竹さん、どうもありがとうございました)

 

 

まず、奥方(女性)のために建てたため、建物の随所に施されているデザインが女性好みの柔らかなものでした。

例えば、お城の謁見の間などで権威を象徴する際には、松や虎など力強く豪華なものがモチーフとされるのに対し、成巽閣の襖・障子の腰板などに描かれていたのは、タンポポやすみれ、ちょうちょ、小鳥などの柔らかいイメージのものという具合です。

 

そして部屋の名前も、鮎の廊下、貝の廊下、亀の間、蝶の間などの名前がつけられており、建築主への温かな配慮をもって設計に取り組んだ、当時のデザイナーの粋な計らいを感じ取ることができました。

 

 

おそらく、今回の見学にあたってこういった説明を学芸員の吉竹さんがして下さらなかったら、建物の本当の価値や建築に携わった現場のみなさんの思い入れを、ここまで感じ取ることはできなかっただろうと思います。

(誤解のないように申し上げておくと、もちろん僕もプロの木造建築家ですから、どれだけ技巧を凝らして建物の造作がなされているのか?という技術的なことは読み取ることができます)

 

 

 

もしも説明を受けずに見学した場合、

「なんかすごく贅沢にお金をかけた建物だなぁ。つくった職人さんはきっと大変だっただろうなぁ。」

というレベルで見学を終えてしまったことでしょう。

 

 

つまり。

今回僕が何を言いたいか?というと、こういう(↓)ことです。

 

 

 

建物の価値というのは、使われている材料や、施されている細工の技術的な価値だけで決まるものではなく、そこに込めた製作者(建築主・施工者・設計者)の思い入れがとても大切だ、ということです。

 

一言で言うと、それは(建物の)コンセプトであり、(建物の)プログラムとも呼ばれるものです。

このコンセプト(またはプログラム)に基づいて設計がなされ、建物に課せられた目的に添ったデザイン、材料の選定などが行われていきます。

そして、建築主・施工者・設計者の3者が、まさに三位一体となって初めて、素晴らしいものができあがります。

 

僕はこれこそが建築の醍醐味だと思います。

一人だけの力でできることは、はっきり言ってたかが知れています。

やはりみんなで力を合わせて1つのものをつくり上げようと知恵を絞って考えて努力するからこそ、人の心を打つものができるのではないでしょうか。

 

 

 

あなたはどう思いますか?

もし何か感じることなどがありましたら、ぜひコメントを書いてみてください。

 

 

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クライアントの思い

7月ごろから準備を進めてきていたウェブサイトが、ようやく公開できました。

テキスト本文や、当方のコンセプト・設計に対する考え方などの部分は以前と何も変わっていません。
(というより、むしろ短くスリムになりました)

前のバージョンのサイトは、書き足し×書き足しで内容をどんどん膨らませていっていたため、訪れてくださった方にとって非常にわかりにくいのでは?という懸念がありました。
そのため今回のサイトリニューアルに際しては、サイト全体の構成をよりわかりやすくスッキリしたものにしたい、という思いがありました。

もう一つ。
今回のサイトリニューアルにあたり、一番大きく変わったのが、
【お客様の声】を掲載したことです。
3組のクライアント(建築主)が協力を快諾してくださいました。
(↑本当にどうもありがとうございました)

僕には1つだけ自慢できることがあります。
それは、これまで関わってきた全てのクライアントに(業務が完了した後も)大変かわいがっていただいている、という事実です。

建築家が作る家というと、デザインを重視するあまり生活しにくい
(または使いにくい)家になってしまうのでは・・・と
心配される方は多いと思います。
そして実際、そういう建築家の方もいらっしゃることは事実です。
(↑いい、悪いの話ではありません)

いろんな建築家がいていいと僕は思うのですが、そんな中で
僕が全ての業務に対して必ず守りつづけていることは、

*     *     *     *     *     *     *
建物は建築主が使うためのもの
そして建築のために大きなお金を出すのも建築主
だから建築主には、お金の使い方で絶対に後悔をさせてはいけない
*     *     *     *     *     *     *

ということです。
これは前職(鈴木工務店)の実務を通じて、
骨の髄まですりこんでもらいました。
僕の無形財産の1つです。

建築家というと、図面を描いたり華やかなデザインをする人、というイメージを持たれている方は多いと思います。
しかし僕の場合、自分の業務の70~80%はコミュニケーションだと考えています。
コミュニケーションを密にして何回も何回も議論を重ね、クライアントの希望をぎりぎりまで引き出し、それを図面化する。
これが僕の仕事です。

だから僕にとって、出来上がった建物は

【 クライアントの思いが結実したもの 】

です。
決して【 建物=自分の作品 】だとは考えていません。
定義が正確かどうかは別として、作品というのは

【 製作者の思いが結実したもの 】

という風に僕は捉えています。
他人(クライアント)のお金を使って自分の作品(建築物)を作る
という考え方は、芸術の世界では成り立っても、住宅の建築
においてはどうもおかしいと思うのです。
だから僕は、自分が設計させてもらった建物のことを作品とは呼びません。
もしどうしても作品という文字をつけて呼ぶのであれば、

【 クライアントと僕のコラボレーション作品 】

というのが一番正確な表現でしょうね。

そんな僕の思いを改めてクライアントに言葉で言わなくても、業務に対する姿勢や言葉の端々に出ているので、クライアントの皆様からかわいがっていただけているのだろう、と自分では考えています。
(クライアントの皆様、どうなんでしょう?)

今回のサイトリニューアルに際して、クライアントの皆様からお寄せいただいた回答をサイト製作中に読ませて頂いて、(100%とは言わないまでも)充分に満足してくださっているという気持ちが伝わってきて、その内容にとてもありがたく、そしてうれしく感じました。

もう一度お礼を申しあげます。
クライアントの皆様、どうもありがとうございました。
そして、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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奈良・御所のまちなみ

昨日、奈良県・御所(ごせ)市へ行ってきました。
御所へはこれまでにも何度か車では行っていましたが、昨日は

『さとうさん!木造建築家として、この本を読んでレポートを書くようにっ!』

と、某NPO広報誌編集女性担当者から頼まれていた本を読む時間を作るために、電車で揺られて行ったのです。



昨日は、あいにく雨でした。

近鉄御所駅で下車して何の気なしに、ボ~っとしながらテクテク歩いていくと、御所の町の中へ突入していきます。
ここでビックリしたのですが、実は御所の町にはすごい民家がゴロゴロ残っています。

古いまちなみがあることは知っていましたが、そのデザインレベルの高さには驚きました。
格子や構造材の木割(きわり)と瓦のバランス、軒の高さなど、町家としてのデザインセンスが非常に優れていました。
やはり奈良は侮れぬ・・・などと感じながら、

「この町はきっと、以前何かで大もうけした町に違いない」

と、そのあとの打合せでお会いしたクライアントに町の簡単な歴史を聞かせていただきました。
御所は決して活気に溢れているとは言えない街ですが、古いまちなみが残る場所としては、すごいポテンシャルを秘めていると実感しました。

今月後半には改めてお知らせできると思いますが、御所の町家を開放して気軽に中を見せていただけるイベントが、地元のNPO団体主催で11月に行われるそうです。

興味のある方はぜひ行ってみる事をおすすめします。



今度また、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会 近畿地区主催で、まちなみスケッチハイク in 御所を開催しようかなぁなどと思いつつ、しとしと雨の中を返って参りました。

雨が降っていたので、写真を撮ることまで気が回りませんでした。
すみません。

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