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習ったことを活かす

最近、自分が以前勤めていた会社で習ったこと(←建築に関する知識や知恵)を他の人のために役立てるケースが重なって、自分自身いろいろ考えさせられます。

僕が習ってきた建築の知識や知恵は、木造の中でも少し特殊な【数奇屋】といわれる分野において必要とされるものですが、最近友人にそれを伝える機会がありました。

2人の友人に、全く別々の形で微力ながら協力しているのですが、この技術はよく考えると独立してからほとんど使っていないなぁ~ということに気付きました。
( ↑ 間接的にはきちんといつも使っていますが・・・)



で、そうやって2人にお伝えするうちに、

「やはりこの力を眠らせておくのはちょっともったいないな・・・
 この技術を必要としてくれる方のためにもう少し活かしたいな・・・」

と思うようになりました。



ということで、やはり茶道を習う必要があるなぁ、という決心が固まりつつあります(笑)。

実は約10年前に茶道を習い始めたものの、恥ずかしながらその時は3ヶ月で挫折したのですが、今度こそはきちんと身につけないと、ここまで育ててくれた僕の建築の師に申し訳ないと感じるようになってきました。

自分のためではなく、僕が受けた恩恵を社会に活かすために習い事が必要だ、なんて感じたことは生まれて始めてです。

友人2人のおかげで、いい機会をもらうことができました。

           感謝。




多分、今後僕の設計する建物は、これまでとは微妙に変化していくと思います。
でもあまりに微妙すぎて、よく分からないかもしれませんが(笑)。
これまでよりも少し色気というか艶っぽさを出していこうと思います。

( ↑ 決して派手になるわけではありません。
  クライアントの皆様、ご安心下さい。
  なんと言うか、雰囲気が少しだけ変わると思います。
  と言っても写真で見たってわからないくらいの微妙な変化ですけどね)

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国土交通省との意見交換会

 

 

昨日(12/7)、急遽また東京へ行ってきました。

今後の木造建築に関する建築基準法改正内容について話し合う、国土交通省の担当官との意見交換会に出席するためです。
この会議は9月にも行われ、今回は第2回目です。

主催・参加したのは、

 職人がつくる木の家ネット
 伝統木構造の会
 日本曳家協会
 緑の列島ネットワーク
 日本民家再生リサイクル協会

の5団体です。
今回の意見交換会は、国土交通省からの要望でマスコミ等には非公開の形で行われました。

国会の関係等で国土交通省の方々もお忙しいらしく、充分な時間を割いていただけなかったのが残念でしたが、国としての木造建築の法整備に関する姿勢などがよく判りました。

やはり国にはもう少し本腰を入れて木造建築に関する環境を整えていただきたいと思います。
(明治以降、建築界では木造建築が置き去りにされてきたので、現在の国としての体勢を理解することはできますが・・・)
そのためには、我々木造に携わる実務者が建設的な姿勢での提言・協力を惜しまないことが重要ではないかと考えさせられました。

昨日の意見交換会に出席された上記5団体の皆様は、木造建築物に対する深い思い入れを熱く語っておられました。
ああいう仲間がいるということが分かるだけでも頼もしいですね。

実際、木造に関する法整備には、まだまだこれから長い時間がかかることと思います。
でもこうやって、少しずつ、少しずつ前進していくのだろうな、と感じました。 

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Bird’s eye Maple

昨日、東京の材木屋さんから板が届きました。
関西近辺の建築用材としては滅多に使うことのない、楓(かえで)の木です。

北海道辺りに行くと、もしかするとたまに使われることがあるかもしれませんね。

この板はこの家の表札にするために特別に頼んだ板なのですが、楓特有のBird’s eye (バーズアイ)という杢目が出ています。

上記の画像をクリックして拡大写真を見ていただくとわかると思うのですが、板の表面に小さな丸いプツプツとした模様があります。

これが小鳥の目のように見えることから Bird’s eye と呼ぶのですが、この杢目は楓特有の目です。

この家の表札を作ると決まったときに、
「楓の木で作りませんか?」
とクライアントにご提案しました。

一般に、日本の家で古くから表札に一番良く使われるのは桧(ひのき)です。

じゃあどうして今回は桧ではなくて楓にしたのか?
その理由は、2つあります。

その1 この家がすごく風通しのいい家だから。
夏もエアコンなしで過ごす為に、メチャメチャ風通しがいいように
設計しています。
この家にとって、風は無形財産のようなものです。

その2 この家の3人の子供たちの名前が、飛・風・空など、
全て風につながるようなイメージの漢字が使われているから

です。
楓という字を見ていただければお分かりの通り、かえでは木+風と書きます。
だから、形や色・字体などを決める前に、まず材料が決まりました。
クライアントのSさんも、このアイデアにはすぐ同意して下さいました。

これからこの木をどう料理して表札に仕上げるか、いろいろ実験をしてみてから着手します。

仕上がりを公表できるかどうかはクライアントと要相談ですが、もし了承が得られれば完成してから公開しますね。

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あなたに合う人

9/24(月)に、京都市内で住宅の新築を計画しているNさんに設計図のご提案をしました。

2週間前に、Nさんが家に望まれる機能やご自身のライフスタイルなどをじっくりとうかがった上で、

【 夫婦二人で、1階も2階も含めて一軒の家を丸ごと使う 】
【 プライバシーを確保しない、あいまいな間仕切りの大きな空間 】

というコンセプトを引き出し、それに沿ったプランを作成して24日にご提案しました。

Nさんは他社(←うち以外)にも建築図面の提案を依頼されて比較検討されたようですが、当方の提案は異色で大胆だったらしく、うちの図面を見たときは驚かれたようです。

でもね、建物全体の形はすごくシンプルで真っ四角の平面形ですし、外観も京都らしい切妻屋根のこの上なくおとなし~い姿なんですよ。
だから、外見や色・形が大胆だったわけでは決してありません。
(プライバシーの問題があるので、平面図は公開できません。)

で、Nさんにズバっと言われてしまいました。

「今日のプランを見るとお日様の匂いと木の匂いがしてくるようでした。
 私達がついつい考えてしまう些末なことを
 すっぽり「ええやんか」と包んでくれるような。」
(「」内はNさんのメールより抜粋)

う~ん・・・(苦笑。これまでのクライアントのみなさまの爆笑が聞こえるようです)。
良くも悪くも、僕の本質と限界を捉えられています。

しかもこれは図面を見た感想ですよ。
僕と話をした感想ではありません。
でもどちらかというと嬉しかったですね。

僕はうちに問い合わせをしてきてくださる方みなさんに、下記のようなことをはっきり言います。

「うちだけを見て決めるんじゃなくて、よそと比べてみて下さい。」
「いろんな建築家の話をきいたり、建物を見たりした上で、最終的に誰に頼むか決めて下さいね。」
「僕以外にも、もっとあなたに合う人はいるかもしれませんよ」

と。

こう書くと、

「なんやこいつは自意識過剰か?」

と捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、これは別に自分に自信があって言っている訳でも何でもありません。

上記でNさんが書かれている通り、僕自身の個性と限界はちょっとはわかっているつもりです。
ですから、僕のような考え方の建築家とは合わない方の方が絶対に多いのです。
( ↑ 絶対そうです。断言できます)

だから、ちゃんとよそと比べてみて下さいね、と言っているわけです。

こういうことを言わない建築家や工務店の方はきっと多いのでしょうね。
ですから僕がこんなことを言うと、最初は大概驚かれます。

「実はこいつはやる気が無いんじゃないか?」

と感じる方も多いでしょう。

でも、もう一回言います。

ちゃんといろんな人と比べて下さい。
そうすると、あなたには下記のようなメリットが出てきます。

 〇 最終的に決めた人との関係が良好になります
   (あれだけ比べたのだから、この人に依頼したことは
    絶対に間違っていなかったと信じることができます)

 〇 家づくりにかける自分自身の姿勢が変わります。
    考え方がブレにくくなります。

 〇 後悔する機会が格段に減ります。
    だから無駄なことで悩んだりして時間をロスすることや心労が減ります

こういうことは、家づくりのパートナーを選ぶ際、きちんと熟慮していなかった場合によく問題となる事柄です。

そういうケースを僕はこれまでにもよく見たり聞いたりしていますが、はっきり言ってしまうとこれらのほとんどは専門家としての技術的・能力などの欠如が問題ではなく、お互いのコミュニケーションや相性に端を発した問題なのです。

そんなことで苦労したりしたくありませんよね。
だから、あなたにはちゃんと比べてみてもらいたいのです。

その結果、僕が選ばれなかったとしても、それは別に悔しくありません。
むしろお互いにとって良い結果だと思うのです。

と、僕は考えています。

Nさんは今回の僕の提案や僕の建築に対するスタンスを気に入って下さったようで、今回はNさんの家づくりのお手伝いができそうです。

「さとうさんに頼んでよかった~」と最後に思っていただけるようにがんばります。

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使いにくさと魅力

箕谷の家-外観3


 


 


 


 


 


 


神戸市北区で今週末に見学会を行う現場の正面の写真です。
昨日現場へ行った折に撮影してきました。

昨日は室内の部分的な照度不足(一部、暗い場所がある)をどう解決するか?
ということを確認するために現場へ行きました。

他にも、ポストのこと、建具調整のことなどについてクライアントであるSさん夫妻と確認しました。



注文住宅は(特に、うちのように既製品を極力使わないスタイルでやっていると)必ずどこかに不完全な部分ができます。
大量生産している車のように、使いにくさや不具合が全くない商品はできません。

幸いにしてこれまでのうちのクライアントのみなさまは、そのあたりをよく含んでくださっているようで、あまり大きな問題になったことはありません。
(みなさま、ありがとうございます)

この問題は木という生き物を扱って商品を作っている以上、避けては通れない道ですが、その分使い手(住み手)に強いる負担も少し大きくなります。
( ↑ 新建材で固めた家よりは、という意味です)

住み初めてからも色々気を遣うので、うちで作っている木の家は慣れるまでは本当に大変だろうなぁ、と思います。
( ↑ 決してうちだけに限った話ではありませんが)



でも住んでいるうちに別の魅力が育っていきますから、大変な分だけ報われることも大きいと思います。
不具合が無い家って、すごく良さそうに思うけれども、実は物足りなく感じるんですよね。

上の表現は少し伝わりにくいと思うんですが、使いにくい家=いい家だということを言っているのではありません。
100%満足する家(不満の全く無い家)を作るのは不可能だ、ということです。
なにせ、すべて1点物ですから。
85%くらい満足がいけば、注文住宅としてはまず成功だと捉えていただくぐらいがちょうどいいと思います。

もちろん、作っている側は完成度100%以上になるようにいつも努力しているんですけどね(笑)。



この記事を読んでもらうと、もしかして今回のクライアント・Sさんが出来上がりに不満を持っているのか?と曲解される方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは全然無いようで、とても気に入ってくださっているそうです。
(と、僕が言うと全然説得力が無いですね)

でもSさん以上に僕がこの家を気に入っているかもしれません。
この家を設計させてもらえて、とても幸せです。




【お知らせ】
9/15(土)、16(日)の2日間、神戸市北区で
木の家の完成見学会を行います

詳しくはこちらをご覧下さい

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つながりと恩恵

昨日は一日中、京都市内で2組のお客さんと打合せをしていました。

お一方は京都市内に住宅を建築するべく土地を取得されたNさん。
もうお一方は同じく京都市内で、ある施設の改修を計画されているFさんです。

どちらのお客さんとも、ゆっくりととても充実したお話をさせていただくことができました。
これから時間をかけてご提案をおこなっていくのですが、ご期待に応えられるようにがんばります。



昨晩Fさんとお話させていただくうちに、自分自身で改めて認識したことがあったのでみなさんにご報告させていただきます。

実は、Fさんとは2001年の年末に初めてお会いしました。
その後何度かお会いして、施設の調査や改修計画のご提案などをさせていただいた(←まだ実施には至っていません)のですが、初めてお会いしてから3ヶ月ほど経った2002年の春、Fさんが

「さとうさん、東京へ行ってOMソーラー協会の講習会を受けてきませんか?
 そしてうちと同じような施設を一緒にいくつか見学してきましょう」

と言ってくださいました。



どうしてあの時点でそのようにおっしゃってくださったのかいまだに信じられないのですが、なんとその費用・宿泊費などは全てFさんが出してくださったのです。
(本当にありがとうございました m(_ _)m )

その時受けたOMソーラーの講習会で学んだ内容は、建物の断熱・気密・温熱環境などの設計に対する僕自身の設計姿勢を根底から覆してくれました。
(大学でも同じような内容を環境工学という講義で学んでいたのですが、大学の講義を甘く見ていた僕は、自分自身の設計姿勢を変えることができませんでした)

もう少し平たく言うと、それまでは断熱・気密に対する意識が今よりずっと低かったのですが、それを一気に高めてもらうことができたのです。



そのおかげで、2002年以降当方で住宅を設計させてもらった全てのクライアントの皆様は、この時Fさんから僕が受けた恩恵を(間接的にではありますが)実は受け取っています。

もし、あの時FさんがOMソーラー協会のセミナーに僕を参加させてくださらなかったら、現在の僕の設計する建物における温熱環境はもっとレベルの低いもので留まっていたことでしょう。

人とのつながり、人から受ける恩恵、そして自分が受けた恩恵を還元していくことの重要性を昨日は改めて認識できました。

Fさんはじめ、日頃お世話になっている皆様に深く感謝申し上げます。
どうもありがとうございます。



【お知らせ】
9/15(土)、16(日)の2日間、神戸市北区で
木の家の完成見学会を行います
(9/7 現在のお申込状況:合計20名)。

詳しくはこちらをご覧下さい

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スタッフ募集します

サトウ都市環境デザインでは、この秋から働いてくれるスタッフを募集します。
条件は下記の通りです。

 〇 木造建築だけに真剣に取り組む姿勢のある方(男性優先) 1名
   (うちではRC造や鉄骨造の建物はつくりません)
 〇 20代~40代前半の方
 〇 自動車の普通免許を所有し、マニュアル車の運転ができる方 
 〇 勤務先/兵庫県伊丹市

経験は問いませんが、事務職ではなく技術職です。
給与は経験・年齢・実力等を考慮して決定します。

ご連絡を頂いた方は面接を行った上で採用/不採用を決定します。



あらかじめお断りしておきますが、僕の面接はとても厳しいです。
実際、過去何人もお断りしています。
「建設業ならどこでもいいや」
というような安易な気持ちで来られるとお互いに困るので、そういう方はご遠慮下さい。
僕は話をすればすぐに見抜きます。

再度念を押しますが、一番重要な条件は

 〇 木造建築だけに真剣に取り組む姿勢のある方(男性優先) 1名
   (うちではRC造や鉄骨造の建物はつくりません)

です。

でも逆に言うと、この点に関して熱意と覚悟がある方なら経験・実力は問いません。



本当は女性でも構わないのですが、力仕事(現場でのゴミ処分や木材・資材運搬)がたまにあるので、男性の方が望ましいのです。

ご連絡はメール・FAX(072-775-6781)・電話(072-775-6780)にてサトウ都市環境デザイン・担当/佐藤までお願いします。



【ご報告 2007/10/12】

スタッフ募集の告知をした後、5名の方からご連絡を頂きました。
その中のおひとりの方に当方の業務をサポートしていただくことになりましたのでご報告いたします。

ご連絡いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
今回はお互いの条件が合わずにご期待に添えない結果となりましたが、今後のご活躍をお祈りしております。


サトウ都市環境デザイン代表 佐藤 仁

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稲作

京都市内の幼稚園で屋根の改修工事を行っているのですが、その現場監理業務で幼稚園へ伺ったとき、園庭の一角でこんな風に稲をつくっておられるところを見ました。
(画像をクリックするとよくわかります)

育てる量としてはそれこそ微々たるものですが、子供たちに稲が育つ過程を日々見せることができて、それを収穫する喜びも伝えられるという取り組みは素晴らしいと感じました。

そして、こんなところでも稲作はできるんだな、と。

うちの息子(5歳)も畑に行くのが大好きです。
僕の実家に帰ると、毎日おじいさんと一緒に喜び勇んで畑へ行って収穫を手伝ってきます。

生き物を育てる、そして収穫する、そしてまた再度育てるというサイクルは非常にゆっくりと進んでいきますが、それゆえに自然への感謝の気持ちと、生かされている自分自身の存在というものを認識させてくれますね。

いくら言葉を尽くしても伝えきれないことも、こうやってやさしく子供に伝えられるんだなぁと感心しました。

僕が木造建築だけにこだわっている理由も、実は木という生き物を扱ってしかつくることのできない建築だから、というところにあります。

が、まぁその話は長くなるのでまたの機会に。

【 お知らせ 】
9/15(土)、16(日)の2日間、神戸市北区で木の家の完成見学会を行います。
詳しくはこちらをご覧下さい

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古い?新しい?

2週間ほど前のことですが、仕事の打ち合わせが終わった後、京都市左京区にある曼朱院門跡へ行きました。
このあたり(北白川・修学院近辺)には詩仙堂や修学院離宮、白沙村荘などもあり、美しい建物がゴロゴロしています。

曼朱院門跡へ行ったのはすごく久しぶりだったので、どんな建物だったかすっかり忘れていましたが、やはり美しかった・・・。
今回は特に屋根を詳しく見てきました。

上の写真は小書院(こしょいん)の外観です。
杮(こけら)葺きの屋根で、華奢で繊細な雰囲気を出すために、勾配は3寸とゆるめでした。
起り(ムクリ)はついていません。
軒がちょうどいい感じに低く抑えられていて、とても繊細でした。

一方、下の写真は大書院(おおしょいん)の屋根です。
材料は同じ杮葺きですが、屋根勾配も5.5寸~6寸(推定)と小書院よりも勾配をきつくして、大らかな感じを出すために少し強めのムクリをつけています。

大徳寺高桐院(京都市北区)の書院もこれと似たような屋根ですが、僕はこんなやわらかい感じの屋根が大好きです。

曼朱院門跡は、桂離宮の造営と同時期に、同じ人が同じ材料を用いて作ったと言われていて、桂離宮と似たところが多々あるそうです。

最近仕事の関係で京都に行く機会が多く、少し時間が空くとすぐにお寺を観に行ったりするのですが、久しぶりにいろいろと実測して回りたくなりました。

名建築の実測は何よりも一番勉強になります。
建物をつくった棟梁の考えたことが、実測すると手に取るようにわかりますからね。
少しずつ、少しずつですが、もっともっと研鑽を積んで、みなさんにより美しい建物をご提供できるように頑張ります。

昨日の晩、西宮市内で竣工した建物のクライアントと現場で少し話をしたのですが、今回できた建物をみて

「変わった家ですよね。
何だか、古いんか新しいんかようわからんような家ですね」

と評されました。
そう言われると、どの家もそうかもしれません。

この記事の前半を読んでいただいてもお分かりのように、僕は日本の伝統的な建物のつくり方を強く意識しています。
僕の設計する建物は、手法やセオリーが伝統的なものに基づいていて(もちろんアレンジを加えていますが)、使う材料は現代的なものなのできっとそう言われるのでしょう。

【お知らせ】
総2階平屋建てみたいな家、構造見学会を開催します(7/7・土)
詳しくはこちらをご覧下さい

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竣工しました

1月から取り掛かっていた、西宮市内の現場が昨日ようやく竣工しました。
ようやくこれで一息つけそうです。
上の写真は2階のLDKの全景写真で、床板は信州産の唐松、構造材は宮崎の杉です。

今回の現場は、個人的にベストメンバー(各職方)が出揃った感があり、自分自身納得のいくものができました。
大工・建具の職人がとても良かったです。
(西田さん、塚本さん、ありがとうございました。
 もちろん他の職方の皆さんにも大変感謝しております)

現場が竣工したときにいつも思うのですが、僕のつくる建築は写真が撮りにくい・・・。
↑ これって、インターネットサイトを主力営業マンとしているうちのスタイルから考えると、極めて不利ですよね(笑)。

でも、うちに依頼してくださるクライアントの皆さんは、どうやら僕のつくる建築の美しさに惚れて来て下さるというわけではないようなのでいいのかな?
( ↑ 嬉しいような、ちょっとさびしいような・・・)

半年くらい前から、自分自身のデザインスタイルがほんの少しずつ変化してきています。
主として照明の手法が変わってきました。

建物をつくる際の基本的な方針には全く変化はありませんが、全体のデザインとしては、よりシンプルに、木材の美しさが前面に出るような控え目な方向へと向かっていますので、今後はより一層写真ではわかりにくいものになっていく恐れがあります(苦笑)。
見せない×見せない×見せない、という完全な引き算型建築です。

だからこそ木材が浮き出てくるのですが、いくら言葉で言っても無理ですね。
百聞は一見に如かずです。

今月は少しゆっくりします!
(ちょっと休ませてね。
 体が音を上げています)

そろそろ蛍を観に行かないと。
本も読みたいし、映画も観たい。

〇 現在ご依頼を頂いているクライアントの皆様
〇 ここ1ヶ月くらいの間に当方サイトからお問い合わせいただいていた皆様
来週あたりからぼちぼちご連絡を差し上げていきますのでお楽しみに。

ブログの更新、これからは通常通りのペースに戻していきます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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