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大津市T邸 完了検査を受けました

25(火)に、完成間近の大津市T邸の指定検査機関による完了検査を受けました。

結果は・・・無事に合格です。
良かった~。
これで一安心です。

先週末には床の養生やクリーニングも完了して、かなり完成の状態に近づいてきましたので、数枚写真を撮ってきました。
ご紹介しますね。
(画像をクリックすると拡大表示できます)

大津 LDK内観


 


 


 


 


 


 



上の写真は1階のキッチン全景です。
写真を撮るときに窓のシャッターを閉めていたので少し暗い感じがしますが、実際はカウンタートップも白いタイルで、壁も白っぽい色なのでとても明るいキッチンです。

扉や側面パネルなどは建築の建具に合わせてシナ材で作ってもらいました。
キッチンは京都のグリーンゲーブルスというショップが作ってくれたものです。

大津 2F内観


 


 


 


 


 


 


 


 



上の写真は2階の内観です。
ロフトに上がるはしごが奥に見えています。

このお宅では、今週末に完成見学会を開催することになっています。
お申し込みはこちらからどうぞ。

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世界に、300年先も美しい風景を

不便さと魅力

 土曜日に、神戸市S邸へ行ってきました。

9月下旬の風雨がきつかった日に、木製窓の部分から雨が染み出してきたとのことで、その漏水対策とともに一年検査を行いました。

建築主のSさんに
「一年住んでみていかがですか?この家は」
と聞いたところ、
「普通の家ではできないことがいろいろできて楽しんでいます♪」
とおっしゃっていました。

冬の吹雪の日には、木製建具の隙間から雪が入ってきて、室内に少し雪が積もったこともあったとか。
また、間仕切りがほとんどないこの家に長男の友達3人が泊まりに来たことがあったそうですが、泊まりにきた、というより合宿という雰囲気だった、とおっしゃっていました。

確かにこの家は体育館みたいな雰囲気がありますから、その話を聞いて妙に納得してしまいました。

レンジフード


 


 


 


 


 


 


 


 


いろいろ室内を見て回った後、上の写真のキッチンのレンジフードについて聞いてみました。

この家はキッチンがアイランド型で、リビングの中にボンとキッチンが置いてある感じです。
当初はグリーン排気というレンジフードを予定していたのですが、価格が高くて断念。
そしてデザイン上もあまり金属は見せたくないという配慮から、小型の壁掛け型レンジフードをアイランド用に改良して付けてしまいました。

全ての煙を逃さず吸い取っているとは言えないが、まずまずきちんと機能してくれているようで安心しました。



作る前からわかりきっていたことですが、この家は個性がものすご~く強い家です。
Sさんだからこそこんな家ができた、という感じですね。

この家にうちのお客さんを何組かお連れしたことがあるのですが、みなさん口を揃えておっしゃいます。
「あの家は別格だ」と(笑)。
でも建築に要したコストとか、床面積などの規模はごくごく一般的なんですよ。



個性が強いと言うことはそれだけいろいろと使いにくいところもあるのですが、その反面とても魅力的です。

世界的な名作住宅として名高い、アメリカ・ピッツバーグにある落水荘(Falling Water)という建物も大変美しくてすばらしい建物なのですが、その魅力の反面、やはりいろいろと住む上では不便なことがあります。

美しいバラにはトゲがあると言いますが、やはり便利さと美しさは相反するものなのだろうな、と家を作っていていつも思います。

肝心なのはそのバランスをどこで取るか?というサジ加減なんでしょうね、きっと。

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世間は狭い・・・

大津市内で T さんのお宅の新築工事が進行中です。

今年は台風が来ないので、工事を進める側としては助かります。
でも地球環境面ではちょっと心配ですが・・・。

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現在現場では外装工事が完了しつつあり、雨天の日には内装工事を進めたりしているので、両方が平行して進んでいるような感じです。

上の写真は、2階の寝室からリビング上部吹抜けの方向を見たところ。
中心に立っている柱はこの家の大黒柱です。

吹抜けを通じて南西方向を見ると、外には田んぼが広がっています。
のどかな風景です(↓)。

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実は少し前に、もう10年くらいお会いしていない大学時代の同じ研究室のT先輩からいきなりメールを頂きました。

もちろんすごくうれしかったのですが、「どうして?」と思いメールを読み進めると、なんとこの工事中の現場の斜め向かいの家に、そのT先輩の奥様のご両親が住まわれているというのです。

で、たまたま奥様のご実家に帰られた日(当時は建前直後)、木組みが外からもろに見える状態だったそうで、
「なかなかおもしろそうな仕事をしているなぁ・・・」
と眺めていたとのこと。

現場には施工を担当してくれている梓工務店さんの看板が掲げられているので、T先輩が帰宅してから梓さんのサイトを見てみると、実は設計者が僕だったことがわかり、うちのサイト経由でメールを下さった、というわけです。
(ちなみに、現場にはうちの看板を掲げていません)

世間は狭いですね。



T先輩は、全国的にも名の知れた大阪の建築設計事務所・無有建築工房に勤務されて活躍中です。

T先輩は上の事務所で現代建築の最先端みたいな建物を作っておられますが、昔から木造建築や和風建築も大好きで、学生の時には一緒にバイクでツーリングに行ったりしていました。



ふと振り返ってみると、もう大学を卒業してから15年が過ぎました。
早いなぁ・・・。

15年間、ず~っと木造だけに専念してやってきましたが、まだまだです。
これまで暗中模索で突っ走ってきて、ようやく夜が明けそう、って感じですね。

これからやっと太陽が出てきて、世の中がよく見えるようになっていくのかなと思うとワクワクしますが、金融問題やら環境問題やら、いろんな大きな問題が世の中をにぎわせています。

これから我々の社会は一体どんな方向に進んでいくんでしょうね。

まぁそんな大きなことは考えたって僕1人では何にもできませんから、ただ僕は自分の前にある道をゆっくりゆっくり進んでいくだけです。

 




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植栽の効果

京都会館


 


 


 



昨日は午後から京都に行っていました。

京都市内で来年から着工する予定のN邸の確認申請に先立った、京都市の条例に適合しているか否かを届け出るためのいろんな書類を提出するためです。

その1つ、埋蔵文化財を守るための届出を行うために、まず最初に埋蔵文化財保護課のある京都会館に行きました。



京都会館は1960年に昭和の建築家・故前川國男氏が設計を手がけたものです。

京都会館も含め、この人の建築は鉄筋コンクリート造が多いのですが、僕はこの人の建築が好きです。
(なぜでしょうね?自分でもよくわかりませんが)



でもこの建物、単体で京都の街中にドーンと建っていたら、きっとちょっと違和感があるでしょう。
岡崎の割と空間が開けたところにあるのでいいのかもしれません。

上の写真で見るように、この京都会館は大きく育った街路樹のけやきに遮られていて、その外観を直接街中にさらけ出していません。
(画像をクリックすると拡大表示して見ていただくことができます)
鉄筋コンクリート打放し仕上の無骨で無機質な建物なのに、とてもやさしい印象を与えるのは、きっと街路樹のけやきがこの建物と一体になっているからでしょうね。



京都会館で文化財保護課に書類を提出した後、京都市役所までトコトコ歩きながら街中のいろんな建物を見るともなしに見ていました。
普通の商店でも個人宅でも京都の建物は見ているといろいろと楽しいです。

住まわれている方の美意識が高いんでしょうね、きっと。

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景観を守るために その2

現在、京都市内でN邸の建築確認申請を出す準備を進めています。

この物件の現場は左京区(銀閣や詩仙堂などがある区域)内にあるのですが、左京区の東の山の中腹には、あの有名な大文字があります。

毎年8/16に行われる五山の送り火を賀茂川べりから観る景観を守るために、賀茂川と大文字を結ぶエリア内の建築物を作る際には、その視線を遮らない高さであることを証明しなさいという申請手続きがあります。
(ちなみに、京都市内では同じような規制の対象となっている区域が他にもたくさんあります)

僕も今回はじめてその申請を行うのですが、
「なかなかやるなぁ~」
と感心したのでちょっとご紹介しますね。



まず、申請に必要なデータは下記の通りです。

〇 計画地(現場)の正確な位置(緯度・経度)
〇 計画地地盤の標高 (← 海抜××m)
〇 計画している建物の最高高さ
〇 大文字と賀茂川の緯度経度・標高

京都市役所の市街地景観課に行くとパソコンが置いてあって、そのパソコンのプログラムを使って計画地の正確な位置は割り出せるようになっています。
これで大文字までの水平距離、賀茂川までの水平距離もあっという間に算出してくれます。

当然のことながら、賀茂川べりの標高と大文字の標高もこのパソコンに入力されていますから、あとは現場の標高がわかれば、断面図を描いて大文字を邪魔しない高さかどうか?ということを証明する資料は作成できるわけです。

そこで
「じゃあ現場の正確な標高はどうやって測るの?
 いちいち測量士さんに頼まないといけないの?」
という話になりますよね?

ここからがなかなかスゴイところなんですが、実は京都市内のそこら中の道路に下のような小さなピンが埋め込まれています。

景観1


 


 


 


 


 


 


 


 


ピンだけ拡大するとこんな感じ(↓)
直径は3cmくらいの小さなものです

景観2


 


 


 



で、このピンの位置・標高が全て記録されているのです。

ですからこのピンの高さと現場の地盤レベルとの差を測れば、それで正確な標高が割り出せる、というわけです。



技術的にはなんら大したことのないレベルですが、そこまで一生懸命になって景観を守ろう!としている姿勢がすごいと思います。
いやぁ~感心しました。

おそらく他の都市でも同じようなことは行われていると思いますが、人知れずひっそりと頑張っているいい取り組みだなぁと思ったのでご紹介しました。



ちなみに、上記のピンの画像を拡大してみていただければお分かりになると思いますが、このピンは国土交通省のものです。

ですから、もしかするとあなたの街にもあるかもしれませんよ。

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今朝の毎日新聞朝刊に掲載されました

木曽のみんながつくってくれた大阪の家


 


 


 


 


今朝(9/22・月)の毎日新聞朝刊・全国版で、当方が設計・施工管理を行い2007年3月に竣工した伝統構法の家、木曽のみんながつくってくれた大阪の家が紹介されました。

取材にご協力いただいた建築主のTさんをはじめ、毎日新聞の記者の方ほか関係各位に深く感謝いたします。



なお、記事の中で一部誤りがありましたので書き記しておきます。
記事の中で、
「親類が営む山下建築が用意したひのきや杉、けやきなど・・・」
という記述がありますが、
建築ではなく山建築(やまいち建築)が正しい名称です。

山一建築さんはこの現場の木工事を担当してくださったのですが、根気よく丁寧に作ってくださったおかげでとってもいい具合に仕上がっています。
社長の笹川さんがこれまでに集めてこられた約20種類の木材を提供してくださり、Tさんのお宅にはいろんな珍しい木が使われています。

(有)山一建築
TEL 0264-36-3195
長野県木曽郡木祖村小木曽5340

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毎日新聞の取材を受けました

9/7(日)に、毎日新聞社の取材を受けました。

伝統構法(※)型住宅と、2007年6月に改正された建築基準法の影響についての特集記事をまとめたいということで、国土交通省の担当官のほか、伝統構法型住宅の建築主と設計実務者に話を聞きたいと申し入れがあり、うちで設計・施工管理をやらせていただいて昨年竣工したT邸に行ってきました。

※ 伝統構法というのは、筋交いやコンパネなどを使わずに、土壁と木組みだけで柔らかくしなやかな構造体をつくる木造の構造形式の一つです。
 古民家や社寺建築などがこの伝統構法でつくられています。
 同じ木造でも現在主流の在来工法や2×4工法などとは構造的に対極にあるものです



9/22(月)の朝刊の 『くらしナビ 住まいLiving』 というコーナー(←全国版だそうです)に記事が掲載されるそうなので、詳しくはそちらをご参照いただくとして、今日は毎日新聞社の記者が建築主のTさんにいろいろとインタビューをしていく中で印象に残ったオフレコの部分をお伝えしたいと思います。



このTさんのお宅は、奥様のご出身地である長野県木曽の木(主に木曽檜)を使って建てたい!というのが当初からのコンセプトでした。

Tさんがこの家を建てたことでとても良かった事として挙げてくれたのが、木工事を担当してくれた長野県の(有)山一建築をはじめ、奥様のご親戚・ご近所のみなさんなどがいろんな形でこの家の建築工事に関わってくださったことで、木曽と自分(←ご主人)との精神的な距離がとても近くなった、ということでした。

ご家族で奥様の里に帰れば、
「おう、帰ってきたか!」
と、とても親しくご親戚のみなさんが迎えてくださり、家のことにまつわる話が尽きないそうです。

自分にとって配偶者の親戚というのは、直接血のつながりがなくてまだ付き合いも浅い人たちですから、どうしても少し心理的な距離が遠くなってしまいますよね?

僕も今回のTさんの家づくりに関わってきて、ご主人のその気持ちが良く判るのですが、家づくりを通じて、物理的に距離の離れている身近なみなさんとの心理的な距離がグッと縮まった、というのは設計者としてもとてもうれしいことだなぁと感じました。



住宅の建築というのはとても手間がかかる割には利益が少なく1物件あたりの売上げも上がりにくいので、建築業界の中ではビジネス的に魅力の薄い世界として捉えられることもあるのですが、僕はこういう人間と人間の濃い~係わり合いが得られるので住宅の仕事が大好きです。

今回のTさんのインタビューに同席して、Tさんのお宅の建築に関わらせてもらえてよかったなぁ~としみじみ幸せに感じました。

 

 

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完成現場見学会を開催します

今年の1月から兵庫県西宮市内で取り掛かっていた現場がようやく竣工します。
(この現場は長かった~)

クライアントのU様のご厚意により、完成現場見学会を開催させていただけることになりましたのでお知らせいたします。


西宮の家 外観


 


 






高台に建っているこの家は、南東方面に広がる大阪方面の市街地が一望できる、とても眺めのいい場所に建っています。


そして家の北側には地山の林が少し残っていて、家の中からその緑を存分に眺めることができます(下の写真参照)。



西宮の家 内観


 


 


 


 


 


 


 


 


 


このような立地条件を活かし、風が常に家の中を通り抜ける、気持ちのいい素直な木の家を作ることに一番心を砕きました。

特に奇をてらったことをせず、木材も節がいっぱいある並材(特一等財と言います)を使って作った、木がいっぱいの穏やかな家です。




これから家を建てようと考えていらっしゃる皆様の参考にしていただくことで、少しでもお役に立てればと思い、今回完全予約制で完成見学会を開催させていただくことにしました。



完全予約制とさせていただく理由は下記のとおりです。


1. たくさんの見学の方が一度に来られた場合、
   十分な駐車スペースがないため (スタッフ分も含めて3台のみ)
   → 近隣のみなさまにご迷惑をおかけする可能性があります。


2. いろんなご質問にきちんとお答えすることができなくなるため。
  (たとえば、「この材料は何ですか?」とか、
   「どうしてここはこうなっているんですか?」とか、
   「床に塗ってある塗料は何ですか?」とか・・・)
   せっかく来ていただくのですから、来場して下さるみなさんには
   いろんな収穫を持ち帰っていただきたい。
   そのために 完全予約制として、時間帯もある程度区切らせていただく
   ことで、しっかりした応対をさせていただきます。



現在、当方で設計中のクライアントのみなさまにとっても、いろいろと参考になることが多いと思うのですが、すでに他の工務店さんや建築家の方に設計を依頼されている方でも、どうぞ遠慮なくお申し込み下さい。

というのも基本的に当方では、営業目的で見学会を開催しているのではなく、皆様のお役に立つ機会を提供したいと考えて企画・運営しているからです。


そういう意味では、 対応しきれないほどたくさんの方に来ていただく必要は無いと考えています。
(だから完全予約制)

むしろ来場してくださる方の人数は少数であっても、きちんとお話をして、ゆっくり建物を見ていただき、ご自身のお宅を建てる際の参考材料として役立てていただくことが大切だと考えています。

ですから、見学会に来たからといって次の日に営業の電話攻勢が始まったりすることも絶対ありません。
その点については、どうぞご安心下さい。
(僕自身もそういうの大嫌いですから)



いつも そんなスタンスでやっているからでしょうか?


なぜかうちの完成見学会には、同業者(建築家)の方も結構お見えになるんですよね(笑)。

もちろん、同業者の方も大歓迎です。
盗めるところがあったら、どんどん盗んで下さい。



開催日までにあまり日がありませんが、お申し込みお待ちしております。
予約状況は下記の表にてご確認下さい。


 


7/20現在の予約状況


1日目 : 7/26(土)


9:00~10:00・・・空いてます
10:00~11:00・・・空いてます
11:00~12:00・・・空いてます
13:00~14:00・・・予約済
14:00~15:00・・・予約済
15:00~16:00・・・予約済
16:00~17:00・・・空いてます




2 日目 : 7/27(日)


9:00~10:00・・・空いてます
10:00~11:00・・・空いてます
11:00~12:00・・・空いてます
13:00~14:00・・・空いてます
14:00~15:00・・・空いてます
15:00~16:00・・・空いてます
16:00~17:00・・・空いてます



お申込はこちらのお問い合わせフォームからお願いします。

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大津市 T邸着工

ごぶさたしております。
ブログ、ほったらかしですみません・・・。

今しばらくの間なかなか頻繁には更新できそうにありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。


昨日の雨、すごかったですね。
北陸では大変な降り方だったようですが、近畿地方でも一時的に激しく降ってました。
天が怒っているのか、それともストレス発散しているのか(?)というようなエネルギーを感じる雨でした。


大津着工


 


 


 



そんな中、大津市ではTさんのお宅が着工しました。
遣り方(やりかた)という、建物の位置を決定・確認する作業に行ってきました。

上の写真のように、杭を打ってそこに貫を打ちつけ、建物の通芯と基礎天端の高さを設定する工作物を作ります。

昼からは雨も上ったので、掘削作業に取り掛かれたようです。

この印をもとに、鉄筋コンクリートで基礎をつくっていきます。
今週末には鉄筋の配筋検査にまた現場へ足を運ぶ予定です。

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人を育てる

棟梁

最近、『棟梁 技を伝え、人を育てる』という本を買って読みました。

著者をご存知の方も多いと思いますが、建築界での第1号人間国宝であった宮大工、故・西岡常一棟梁の唯一の内弟子、小川三夫さんです。

小川さんの本はこれまでにも読んだことがありますが、今回はこの本の「技を伝え、人を育てる」という副題に惹かれて買いました。

口述筆記形式の本なので非常に平易で読みやすい本ですが、内容はものすごく深くて重みがあります。
建築の技術的なことも少しは書かれていますが、仕事・人生に対する姿勢、後進育成のために著者が心を砕いてきたことが一杯詰まっています。

読み終えたばかりですが、すぐに再読を始めました。

うちの事務所にもこの春から新卒の女性スタッフが入ってきて、4月末からは毎日朝から晩まで西宮市の現場にへばりつかせています。
竣工までは今後約3ヶ月しかありませんが、建て方から竣工まで全ての工程を
「とにかく見ておけ」
と伝え、このスタッフは一生懸命がんばっています。

棟梁の西田さんも
「あの子、よう動くなぁ」
と感心しています。
(Uさん、今は苦しいけど頑張れよ)

設計職希望の経験乏しい若い女性が、いきなり建築現場に放り込まれて大変な思いをするでしょうが、現場から育った人材は絶対に強いものです。

僕も大学卒業後、右も左もわからない状態で現場へ行かせてもらったおかげで今があることを、師に深く感謝しています。
(感謝しても感謝しても、とてもしきれませんが・・・)

建築をつくるとはどういうことか?
僕も後進に伝えていかなくてはいけない世代になってきました。

本の中で小川さんも述べています。

「人を育てることはできない。
 できるのは育つ環境を整えて、機会を与えてやることだ」

全く同感です。
そこから何を学ぶかは本人次第ですからね。

良書です。
自信を持っておすすめします。

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