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丹後の古民家改修工事

天橋立(あまのはしだて)から車で20分くらいのところで、店舗の改修工事を行っています。
着工してから約1ヶ月が経過して、工事もだいぶ進んできました。
上の写真はカラオケや社交ダンスを行うホールの工事中の様子です。
2階の梁がたわんでいたので、解体した古材(曲がった松の梁)を柱に転用し、補強しました。

この現場では、現場内に数棟残っていた既存建物のうち、3棟のみを残してそれ以外は解体しました。
解体した建物から出てきた古材を出来る限り使って内装を仕上げて欲しい、というクライアントのご要望に沿って、いろんな材料を加工して再利用しています。

下の写真は、元々小屋梁として使われていた6mの梁を挽き割って、カウンターの天板として使おうとしている材料です。
これを3枚はぎ合わせてカウンターに仕上げます。

さてどんな風に仕上がることやら。

古材を使っていくのは頭の体操みたいなところがあって、材料を基に柔軟にデザインを変更しながら考えていく面白さがあります。
大工さんもなかなか話のわかる方で、僕よりも少し若いのですがちゃんと話が通じるので楽しいです。
(こういう仕事ができない=話が通じない大工さんの方が、今は実は多いんですよ)

竣工は1月末の予定です。

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京都で数奇屋建築の改修工事-1

数奇屋-ハツリ

今、京都市内で、あるゲストハウスの改修工事に携わっています。
元々は昭和初期に建てられた数奇屋の建物でしたが、今回大規模に手を入れて改修されることになりました。

昨日現場へ行くと、応接間の地棟(じむね)になる梁(松の丸太)が据えられていました(←左の写真)。
小屋組みの構造材として使われる松の丸太は、関西では一般に黒松が多く使われます。
黒松は別名:男松とも言われることがあり、名前の通り荒々しく曲がっていたりしていますが、その分大変粘り強く、横からの曲げ応力に強いです。

実は、黒松の反対に赤松というのもあります。
これは木の肌のきめが細かく、床柱(←皮付きで使われることもある)や床框、床板など、建物の繊細な部分に使われます。

最初の写真は、松の梁に化粧なぐりを施したものです。
チョウナという刃物を振り下ろして、表面をザクッ、ザクッと一刃ずつ削って仕上げるやり方です。

なぐり作業

チョウナを使って、なぐり加工を施しているところ

ちょうな

チョウナとは、こんな道具です。
平刃(写真左)と丸刃(写真右)があります。
これらは仕上げる目によって使い分けます。

はつり

あまり知られていませんが、実は化粧なぐり仕上げには、チョウナ以外にもヨキ(斧)を使うことがあります。
ただ、ヨキを使った場合には、正確には『なぐり』ではなく『ハツリ』と言いますが、栗の床柱などを作るときに、たまにやることがあります。
ちょうなで仕上げるなぐり目よりも、より鋭さというか、勢いのようなものがあって、僕はハツリ目の方が好きなのですが・・・。

※写真は、(株)和風建築社が発行された雑誌、『和風建築』7号の
 特集記事から引用させていただきました。
 ちなみに『和風建築』は1980年代前半に発行された木造建築を学ぶ
 良書シリーズ(全24巻)なのですが、残念ながら絶版となっており、
 入手は大変難しいと思います。
 僕の事務所には全巻揃っていますので、見たいという方には事務所まで
 来ていただければ見せて差し上げることはできます。
 ただ、大変貴重な本なので、貸し出しはしておりません。
 ご了承ください。

 

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