今年の春に、僕の前の職場(鈴木工務店)の仕事を設計スタッフの一人としてサポートしていた現場があるのですが、その現場が竣工したので観に行ってきました。
京都市内のあるゲストハウスですが、この仕事には、クライアントの関係で東京の某照明デザイン事務所が関わっていました。
(いい仕事をされていたので本当は事務所名などご紹介したいのですが、諸般の事情により伏せておきます)
主要な部屋の照明デザインをその事務所が担当していたのですが、かなりいい出来栄えです。
写真のとおり、とても雰囲気のある美しい空間が出来上がりました。
今後の照明デザインに対する考え方を一新しようか・・・というぐらいのインパクトがありましたが、やはり住宅(=生活のための空間)ではなかなかここまでやり通してしまうと、クライアントの同意(←理解・・・ではないと思います)が得られないことには難しいだろうなぁ・・・と思いました。
なぜかというと、照度が低いという問題が頭をもたげてくるからです。
一般に、雰囲気のある部屋にしようとする場合、部屋全体の照度を落とす必要があります。
具体的な手法としては、
○ 蛍光灯ではなく、白熱灯を使う
○ 直接照明ではなく、間接照明を使う
○ 後付け型の照明器具ではなく、照明器具を建築化照明として考える
というようなやり方を用いていきます。
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すると当然のことながら、部屋が暗くなります。
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当然、本を読んだり、書き物をしたりするのには向かない部屋になります。
(このような部屋で読み書きをする場合には、局所照明で机の上やテーブルの上だけを明るくできるように計画します)
「それでもいいから、やっぱり美しい部屋にして!」
というクライアントからのご要望があれば喜んでやらせていただきますが、まぁそんなクライアントはごく稀でしょうね。
数十年後に建てる予定の自宅でやってみようかな。
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世界に、300年先も美しい風景を