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新木場へ行って古材を選んできました

週末の土日は東京へ行っていました。

世田谷区内で7月から着工する、Y邸リフォーム工事の見積り提出・施工者決定、
および古材を見に行くためです。

土曜日には2社から見積り提出を受け、クライアントと共に施工者決定のための協議を行いました。

見積り提出に関することも色々とお話したいネタがたくさんあるのですが、それはメールマガジンとニュースレターでお伝えしたいと思います。
(6/22 21:00に配信予定です。興味のある方はこちらからメルマガ登録をお願いします)

昨日の日曜日には、東京・新木場にある(株)ひでしな商店さんへ行ってきました。

(株)ひでしな商店さんは古材や古建具などの販売をされていて、
ストックヤードと倉庫の中は古材・古建具・民具などで一杯でした。

↑ 写真一番奥で説明をして下さっているのが、
(株)ひでしな商店の小林社長です。
右側に山のように積まれているのが古材です。

今回のリフォームに際しては、構造補強のための柱・梁が数本必要です。
梁には松の丸太を使うことを想定していましたが、柱は樹種も含めて
ストックヤードを見せてもらった時に小林社長と相談したいと思っていました。

行く前から、
「できれば栗の面白い柱があるといいなぁ・・・」
とイメージしていたのですが、行ってみると結構栗の柱や梁がありまして
クライアントにも見てもらった上で、数本の候補の中から選び出したのが
下の古材です。

もともとは桁に使われていた材料で、荒々しくはつったチョウナの痕が
残っていて、とても表情豊かな柱になりそうです。

雨が降って材料が濡れていたのでちょっとわかりにくいのですが、
白太の色目から推測すると、この木はどうやらエンジュのようでした。

画像をクリックしてみると、ハツリ目や木目がよくわかります。

エンジュというのは木偏に鬼と書きます。

信州あたりでは床柱などによく用いられる味わい深い木で、ケヤキや栗とよく似た木目をしていますが、赤身の部分はケヤキよりも黒っぽい色をしていて、しかも白太の部分はそれとは対照的にとても鮮やかなベージュ色をしている、とてもおもしろい木です。

8/2に見学会を開催させてもらう予定の大阪府・Tさんのお宅では、木曽の大工さんが建ててくれたのでエンジュを床柱と落とし掛けに使いました。
(床の間の写真はこちら

そう言えばこの記事を書いていて思いだしたのですが、10年ほど前、京都の鈴木工務店で僕が現場監督をしていた時に担当したアメリカのピッツバーグ大学(Pittsbergh univ. PA USA)日本教室でもエンジュを床框として使いました。

話が脱線してしまいましたが、もともとは梁だった古材を柱として使うのは、割とよく用いる手法です。

5年ほど前に当方でやらせていただいた I さんのお宅でも、
松の古材の梁を柱として使いました。

I さんのお宅では、息子さんたちがこの柱によく登っていったそうです。
家の中でも木登りができるのは楽しいですね。

僕もエンジュの古材を使うのは初めてです。
どんな表情になるのか、今からとても楽しみです ♪

【お知らせ-1】
2008年晩秋の新月期に伐採・葉枯らし乾燥させた静岡産の
杉・桧を使って下さる方を募集しています。詳しくはこちら

【お知らせ-2】
6/23(火)16:30より、なぐり加工の見学に行きます。
参加されたい方(限定3名)はこちらをご覧下さい

【見学会開催のお知らせ】
2007年に竣工した伝統構法の家で、2年間住んでみた感想を聞く見学会を
8/2(日)に大阪府四條畷市で開催します。詳しくはこちら

 

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

400年前の柱

昨日(5/31)は大阪府豊中市の服部緑地の中にある日本民家集落博物館で、子供民家塾というイベントを開催したので、参加してきました。

これから将来を担っていく子供たちに、古い民家や建物への関心を持ってもらおうという趣旨で、日本民家再生協会が企画したものです。

小学生の子供たちとその親ら、総勢21名が集まって、おくどさん(←関西ではかまどのことをこう呼びます)といろりに火を入れて、ご飯と豚汁をつくってみんなで食べました。

子供民家塾


 


 


 


 


 


 


 


かまどに火を入れているときの様子。
子供たちは興味津々で見入っていました。
帽子をかぶっているおじさんは、今回指導してくださった江頭(えがしら)さんです。



日本民家集落博物館の中にある、能勢の民家をお借りして今回のイベントを開催したのですが、日本民家集落博物館の中でも一番古いというこの能勢の民家が建てられたのは今から400年前=江戸時代初期のことだそうです。

この建物は普通の農家の建物だったので、ごくごく質素な材料が使われた、飾り気の無い普通の家です。

でも築400年と聞いて改めて材料を見てみると、なるほど柱はほとんど栗の木です。

400年前の柱























仕上も大鋸で挽いただけと思われる粗野な仕上で、大きさもそんなに太くない4寸弱の柱でしたが、まだまだこれからも充分耐えうる力強い表情でした。

さすが栗ですね。

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木の香りがする家

先日、うちの事務所にお招きしたお客さんがこう言いました。
「さとうさんの事務所に入った途端、すごく木の香りがしました」
僕はそうでもないと思うんですが、初めて来た方がそうおっしゃるのですから、きっとそうなんでしょう。

うちの事務所は普通のマンションの中にありますので、木造でも何でもないのです。
ただ、事務机脇のカウンター(長さ4m×巾60cm)と、打ち合わせ室(和室)の座卓は杉の板で作っています。
他にあるのはサンプル用の木材だけですから、きっとこれらの板が木の香りを発散しているんでしょう。

その話を聴いていて思い出しましたが、うちで設計させてもらったお宅の中はとても木の香りにあふれています。
使う樹種によってその香は異なりますが、僕が個人的に好きなのは杉の香りです。

うちで設計する家では、構造材(柱とか梁)を全て露出させるので、もちろん構造材からも木の香りは出ているのですが、どうもその家の香りを最終的に強く左右するのは、床材(フローリング)の樹種によるようです。
うちで設計させてもらった六甲山麓の家(Wさん宅)や小花の家(Iさん宅)では、どちらも吉野杉のムクの床板を張っているのですが、2軒とも同じことを奥様から言われてビックリしました。

「さとうさん、うちの子供とか私がよそのお宅に遊びに行くとね、『○○さんのご家族が来たら木の香りがする』って言われるんですよ(笑)。
住んでいる当の本人達は、家の中に入っても木の香りがするかどうかなんて、慣れてしまって全然感じていないのにね。」

初めてWさんの奥様からこの話を伺った時は、
「いや、それはちょっと大げさな言い方なんちゃうかなぁ。半ば冗談やろ。」
と思ったのですが、さすがに2回しかも別の方から同じことを伺うと、
「あっ、それってホンマなんや!」
と確信に変わりました。

杉の床板は柔らかいので住み始めるとすぐ傷だらけになりますが、香りがとてもさわやかだし、木目もはっきりしていて嫌味がないので僕は大好きです。
僕も自分の家を建てる時は、きっと杉の床板を張るのだろうと思います。

しかしいつになることやら・・・。

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