京都市N邸で、ついに荒壁をつける作業が始まりました。
荒壁というのは、土壁の下塗り部分のことです。
ご存知の通り、土壁は仕上がるまでにたくさんの工程を経ていくのですが、その一番最初ぬ塗りつける土のことを荒壁と言います。
これが今回塗りつける荒壁用の土です。
一般的な土と比べてあまりに色が違うので、
「色をつけるために何か混ぜているの?」
と思われそうですが、混ぜているのは藁スサだけです。
4月末に現場へ入れてから、ちょうど半年寝かせたことになりますが、その間にこんな色に変化しました。
ちなみに、4月に現場へ搬入した時の土の色はこんな感じ(↓)でした。
ねっ?普通の色をしているでしょう?
これが藁スサの威力であれだけ黒くなるのです。
オドロキですね。
そして、土壁はこんな感じで塗り始めています。
塗りつけてみると、思ったよりも土の色が黒くてビックリしています。
というか、塗りつけた瞬間は黒が割と深くて、とてもきれいな色をしていますが
土が乾くにつれて緑がかった色に変わっていきます。
塗りつけた方の面(この写真は内壁側を写しています)は上のような感じになりますが、(つづく)↓
反対側から見ると、竹小舞の隙間からこんな具合に塗りつけられた土が
「にゅう~」
っと出てきます。
いかにも、絡みついてるって感じです。
しかしこのままでは、この面に土を塗りつける時にうまくいかないので、
土が軟らかいうちに、この土の頭をコテで撫で付けます。
この作業のことを裏掻き(うらがき)と言います。
撫で付けると、下の写真のようになります。
先週は2日間かけて1階の壁を塗りつけました。
明日月曜日には2階の全ての壁を一気に塗ってしまう予定ですが、月曜日には建築主のNさんご夫妻も現場に来られて、コテを持って塗りつけてみることになっています。
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