京都市N邸の土壁下地(竹小舞)が、主なところはほぼ編めました。
あとは設備関係の配管によって切れてしまったところの補修や、編みにくくて後回しにしたところを残すのみです。
現場では荒壁(土壁の下塗り)が始まりました。
荒壁については明日アップしますのでどうぞお楽しみに。
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昨日に引き続き、竹小舞下地について書いてみます。
今回土壁下地用に使っている竹は、国産の真竹(まだけ)を小割にしたものです。
一般によく流通している土壁下地用の竹としては、孟宗竹(もうそうだけ)を小割りにしたものが多いようですが、一般に流通しているものは工場出荷時にすでに防虫加工がなされています。
今回真竹になったのは、竹屋さんに
「防虫処理をしていない、いい時期に伐ったものを使って欲しい」
と特別にお願いした関係もあるようです。
写真をよく見ると、右と左で色が違いますね。
左は今年の秋に伐った竹、右は昨年の秋に伐った竹です。
いずれも9月~11月の間に伐っているので、防虫加工はしていません。
竹は木以上に伐り旬が短く、伐り旬を外して伐ると、後になって虫がたくさん出てきたり、すぐ腐ってしまったりします。
よく新年早々に行われるお茶会(←初釜と言います)の準備のために、年末に青竹で作った雨樋を入れ替えたりしますが、この竹も伐る時期をよく吟味しておかないと、後でえらい目に遭います。
やはり材料は奥が深いです。
上の写真は竹をくくりつけるための縄です。
今回使っているのは、麻糸を芯にして作った藁縄です。
実はこの縄も、棕櫚縄を使おうか藁縄を使おうかと迷ったのですが、作業性を考慮して藁縄にしました。
これらの材料を使って、熟練の職人さんたちが現場で壁下地を編んでくれています。
今回現場へ来てくださっている職人さんは、各地の文化財の工事などの仕事にもよく行かれるそうです。
確かに、こんな仕事をしてくれる職人さんはとっても少ないでしょうから、いろんなところへ呼ばれるでしょうね。
でもこれからはこういう建て方が見直されて、どんどん仕事も職人さんも増えていくことでしょう。
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