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吉野川上村にて木材伐採ツアーを開催/石場建て伝統構法、天然乾燥、和風住宅

 
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昨年(2018年)末に開催すべく企画していたところ、都合により中止になってしまいましたが、参加したかったと多数のありがたいお声があり、再度企画しました。
場所は吉野郡川上村です。
ご興味のある方はぜひご連絡ください。

以下ツアーのご案内です。

林業家 福本正文さん(吉野チェーンソーアートスクールの校長先生)は林業家歴30年の超ベテランの方です。
伐採のことはもちろんですが、土のこと、水のこと、風のこと、光のこと、そしてそこに住む動物のことなどを熟知し、山を守り育てています。
それは200年~300年前に植えられた木を今伐採し、300年後に刈り時となる苗木を植えるという通算6世紀分の時間の中で仕事をすることです。
スピードを求められる現代においてとても特殊かもしれませんが、いま私たちに必要なことは未来の環境を想像するのも大切なことかもしれませんね。
今回は吉野の山がブランドになるように先人たちがどのように育ててきたかを聞き、今後の課題などをトークセッションしてみたいと思います。

【開催日】2月23日(土)

【集合場所】
電車の人は12:00に近鉄吉野駅改札前に集合
→ ピックアップして下記 道の駅に行きます
車の人は12:30に道の駅 杉の湯川上 集合
(〒639-3553 奈良県吉野郡川上村迫695)

【参加人数】20名程度

【参加費】¥500

【当日スケジュール】
道の駅から車移動20分
→ 伐採場所まで登山30分
→ 伐採見学1時間
→ 下山30分
→ 道の駅まで移動20分
→ お茶を飲みながら意見交換1時間程度
合計3~4時間程度

主催 (株)木造建築東風
奈良県御所市東名柄22-1
TEL:0745-66-2645
FAX:0745-66-2646

※伐採見学会は終了しました。
 ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

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世界に、300年先も美しい風景を

吉野の原木

吉野 

奈良市内で数年後に建てるOさんのご自宅に使う木材の伐採がほぼ終わったと聞いて、奈良県の吉野に行ってきました。

吉野といえば、やはり何と言っても杉です。

わざと育ちにくいように杉を密植させて、木の成長を遅らせ、目の詰まった良材をつくるのが吉野独特の植林方法です。
ですから、木材が太くなるのには長い時間がかかりますが、出来上がった木材は肌理が細かく、とても美しいものになります。

そして吉野材は土壌のせいでしょうか、他の産地の杉では出ない、しっかりした強い赤色がもうひとつの特徴です。
数奇屋の世界では、この吉野杉の赤身の部分だけを使って採った材料を【赤杉】と呼んで大変好まれます。

ちょっと話がそれましたが、冒頭の写真はクライアントのOさんが樹齢120~130年の吉野杉にまたがっているものです。
ご夫婦でものすごくうれしそうな表情をされているいい写真が撮れたので、本当は拡大して見ていただけるようにしたかったのですが、やめておきます。

この木は大きくて、とても素直ないい木です。
製材したら、感動でうち震えるぐらいいい材料が採れるでしょう。
今から木目が脳裏に浮かびます。

林業家であるお父様が木材を提供してくださるおかげで、とても豊かな家ができそうです。

僕も静岡で林業家と一緒にいろんな取り組みをしていますが、吉野はまた少しやり方が違っています。

伐採時期、葉枯らし期間、出材方法、土壌と樹芯の発色など、いろんな事情から様々な違いがあり、実際に手を下している林業家のお父様からいろんな詳しいことをお聞きできて大変勉強になりました。

同行したうちの事務所のスタッフもいろんなことを学んだようです。
やはり木は原木の状態で見ないと、もう1つ深い理解ができませんね。

人間も育った地域や環境によって人格が形成されるように、木も全く同じです。

またほんの少しだけ木に近づけたような気がしますが、まだまだ奥が深いです。
(というか、深すぎます)

そこに木造のおもしろさがあるんですけどね。

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吉野へ行ってきました

 

吉野1

昨日は奈良県吉野へ行ってきました。
滋賀県で今月末から着工するTさんのお宅の構造材の確認のためです。
案内してくださったのは、T邸の工事を請け負ってくださる梓工務店の伊東社長。

上の写真はTさんのお宅の材料を製材してくださる福本製材所さんで見せていただいた杉の製材品です。
吉野材の特徴は、赤身部分の色の良さと目合い(めあい)です。
見る人が見ればお分かりだと思いますが、とても目が詰んでいます。
この木はちょっと若い木ですけどね。

下の写真は、同じ製材所で乾燥させるために寝かせてあった少し大き目の柱です。
太さは6寸(180)角位だったと思います。
濡れているように見えるのは、木口付近に割れ止め材を塗布しているためです。

吉野2

 

材木屋さんでは割れ止め材を杢部分全面にべた~っと塗ってしまっているのをよく見るのですが、僕はどうも木に薬品が染み込んでいくような気がして好きではないので、自分で所有・管理している木にはこれまで割れ止めを一切使っていません。
でもこの程度の控えた使い方なら一度やってみてもいいかな、と思います。

他にも旬切りと色目の話など、福本製材所の社長さんにはとてもいい知恵を教わりました。

福本製材所さんにはとても性のいい杉の梁材が無造作に積まれていて、さすが吉野だなぁ~と惚れ惚れ。
きっとその時の自分は、美しい女性に見とれている時のようなうっとりした目になっていたと思います(恥)。

僕は節の有る無しよりも、性の良さや材の素直さに惹かれます。
節があっても、目が詰んでいて真っ直ぐにすう~っと芯が通っている性の良い材料は見ていて気持ちがいいし、気品があります。

節が無くて杢目が美しいような銘木は確かに素晴らしいですが、そんなものばかり使っていたらとんでもなく高くなってしまうし、そんな選り好みをして作るやり方は少し異常だと思うようになりました。

京都で数奇屋を作る仕事に携わっていたときは、こういうこと(↑)にこだわっていたのですが、自分の価値観が少しずつ変わってきているのを感じます。

それにしても、木を見るのはとても楽しいです ♪

今週は水・木・金と3日間静岡へ行って、昨秋伐採した新月材を製材してきます。
スタッフやお客さんにも静岡へ来てもらって製材を行うのですが、もう今からワクワクしています。
どんな材料が出てくるのか楽しみです。

またご報告しますのでお楽しみに。

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なぜステンレスか?

ステンレスへのこだわり


 


 


 


 


 


 



上の写真、何だと思いますか?

そう、キッチンの排水用フレキシブルダクト(配水管)です。
でもね、よ~く見て下さい。
(画像をクリックすると拡大できますからわかると思います)
この配水管はなんとステンレス製なんです。

ほとんど全てのお宅のシステムキッチンは、これが塩ビ製の配管だと思います。



もう1週間も前になってしまいましたが(スミマセン・・・)、大阪の谷町にあるキッチンのショールーム・le pur (ルプ)さんへ行ってきました。

京都市内で設計中のNさんのお宅のキッチンの打合せです。

Nさんはステンレス製の気兼ねなく使える実用的なキッチンがいいとのことで、ステンレス製のキッチンを販売されているいくつかのメーカーをご紹介したところ、le pur がいいとおっしゃったので一緒に行ってきたわけです。



le pur の平尾社長とは、昨年末に東京で行われたNPO法人・新月の木国際協会の年次研究発表会で初めてお会いしました。
明るい大阪のおばちゃん(←失礼)という感じの快活な女性、というのが僕の第一印象。

le pur さんではオールステンレスのキッチンを一つ一つ自社で設計し、製作・販売を行っています。
ホームページにも書かれていますが、製作時にエネルギーコストはかかるけれども、耐久性の高い何世代にもわたって使い続けられるものを提供したい、ということからステンレス製にこだわっておられるそうです。



でもどうも僕は腑に落ちないことがありました。

どうしてステンレスのキッチンをつくっている人が新月の木?
というところです。

で、今回ショールームに行った時に平尾社長に尋ねてみました。
「どうしてこの商売を始められたのですか?」と。



le pur さんは2000年にご商売を始められたそうですが、もともとは化学物質過敏症で苦しんでおられるお客様のために、「接着剤・揮発性有害化学物質を一切使わないキッチンを妥当な価格で提供したい」ということが起業の際のコンセプトだったそうです。

一般のシステムキッチンメーカーではオールステンレス製のキッチンであってもステンレスとステンレスの接合部には接着剤を使っていることが多いそうです。
( ↑ これは僕も今回はじめて知りました)。

しかしle pur さんでは、過敏症のお客様のに対しては接合部に全く接着剤を使わない、全て溶接によるステンレスキッチンを提供しているそうです。
(ただこれは組上げる職人の手間がかかって価格が上がってしまうので、過敏症でない方に対しては極めて安全性の高い接着剤を使っているとのこと)

そしてお客様が将来キッチンをどうしても処分しなくてはならないような事態になってしまった際には、リユースしていただけるように自社製品の中古バンクシステムも立ち上げ、それでも引き取り手が見つからずにスクラップにする場合には、そのまま全~部炉に放り込んで再生できるように、ということを考えて上述の排水ダクトまでステンレスにされているそうです。

ダクトや排水トラップの部材を全てステンレスにしているのには、排水口のヌメリがつきにくくするためという意味もあるそうです。



他にもいろんなこだわりが各所にあるのですが、全部種明ししてしまうとおもしろくないので、もっと詳しく知りたい方はle pur さんのショールームへ行ってみてください。



今回一緒に行ったNさんも感じられたようですが、やっぱり作り手の想い・こだわりが深い製品はいいものです。

僕は、物づくりおいてはコンセプトが何であるか?というのが一番大切だと思っているのですが、今回は平尾社長の口からその想いを直接伺うことができてとてもよかったです。

なんだか今回の記事は le pur さんの営業みたいになってしまいましたね(笑)。




オマケ

今回僕がいいなぁ~と思った商品はこちら(↓)

datchoven


 


 


 



リンナイの商品ですが、魚焼きグリル部分に鋳物のダッチオーブンが入れられるようになっていて、このダッチオーブンでいろ~んな料理ができるというスグレモノ。
これならピザ以外はすべてこのオーブンでできるので、ガスオーブンは要らないかも。
パン・ケーキ・グラタン・カレーなどはこれで充分できそうです。

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吉野の杉

昨日、奈良県吉野に行ってきました。
奈良市内で数年後に建てるOさんのお宅に使う木を見に行くためです。

Oさんの奥様は吉野のご出身で、お父様が林業家です。
ご先祖の皆様が代々作ってきてくださった吉野杉を使って、これから4~5年かけて家を建てます。
もちろん、今回木材を出してくださるのはお父様です。

まず今年の7月ごろに木材を伐採し、葉枯らし乾燥させます。
(吉野ではこの時期の伐採が一般的なんだそうです)

その後、ヘリコプターで出材→製材→2年間天然乾燥させてから、ようやく建て始めるので、着工は2010年の夏以降になる予定です。

昨日はOさんご夫妻を含め、総勢5名で山を登り、伐採予定現場まで行きました。
使わせていただくのは、樹齢120~130年の吉野杉です。

下の写真で木に抱きついているのがOさんご夫妻。
木の太さがよくわかりますね。
お二人とも、とても嬉しそうでした。

吉野の杉

こうやって立ち木の状態から木材を見ることができると、
「あぁ~この木からうちの家ができるんだ・・・」
という気持ちになって、感慨深いですね。

〇 木が育った山
〇 木を育ててくれた人たち
〇 製材してくれる人
〇 刻んでくれる人

など、家ができるまでには、いろんな方々が関わってくださいます。

決して高価な材料を使うわけではなくても、これら様々な人たちの想いが重なり合ってできる家は、お金の価値以上の魅力がありますし、携わってくださる人たち(作り手)も
「俺たちが作った材料はこういう人が住んでくれる家になるのか!」
と、とても喜んでくれます。

出来上がってしまってから入手すると、確かに家は
【モノ】
かもしれませんが、それだけを買うのはちょっと寂しい気がしますよね。

どの家もこういう作り方ができるといいのになぁ、と僕はいつも思うんですが、銀行融資制度などの制約があって、なかなか現実的にはクリアしないといけないハードルがいくつもあるのが現状です。
(決して、高くつくということではないんですけどね。
 周到な準備や根気がまずは必要です。)

でも、一歩一歩そのハードルを低くすべく、努力を重ねています。
どうぞご期待下さい。

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