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習ったことを活かす

最近、自分が以前勤めていた会社で習ったこと(←建築に関する知識や知恵)を他の人のために役立てるケースが重なって、自分自身いろいろ考えさせられます。

僕が習ってきた建築の知識や知恵は、木造の中でも少し特殊な【数奇屋】といわれる分野において必要とされるものですが、最近友人にそれを伝える機会がありました。

2人の友人に、全く別々の形で微力ながら協力しているのですが、この技術はよく考えると独立してからほとんど使っていないなぁ~ということに気付きました。
( ↑ 間接的にはきちんといつも使っていますが・・・)



で、そうやって2人にお伝えするうちに、

「やはりこの力を眠らせておくのはちょっともったいないな・・・
 この技術を必要としてくれる方のためにもう少し活かしたいな・・・」

と思うようになりました。



ということで、やはり茶道を習う必要があるなぁ、という決心が固まりつつあります(笑)。

実は約10年前に茶道を習い始めたものの、恥ずかしながらその時は3ヶ月で挫折したのですが、今度こそはきちんと身につけないと、ここまで育ててくれた僕の建築の師に申し訳ないと感じるようになってきました。

自分のためではなく、僕が受けた恩恵を社会に活かすために習い事が必要だ、なんて感じたことは生まれて始めてです。

友人2人のおかげで、いい機会をもらうことができました。

           感謝。




多分、今後僕の設計する建物は、これまでとは微妙に変化していくと思います。
でもあまりに微妙すぎて、よく分からないかもしれませんが(笑)。
これまでよりも少し色気というか艶っぽさを出していこうと思います。

( ↑ 決して派手になるわけではありません。
  クライアントの皆様、ご安心下さい。
  なんと言うか、雰囲気が少しだけ変わると思います。
  と言っても写真で見たってわからないくらいの微妙な変化ですけどね)

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あなたに合う人

9/24(月)に、京都市内で住宅の新築を計画しているNさんに設計図のご提案をしました。

2週間前に、Nさんが家に望まれる機能やご自身のライフスタイルなどをじっくりとうかがった上で、

【 夫婦二人で、1階も2階も含めて一軒の家を丸ごと使う 】
【 プライバシーを確保しない、あいまいな間仕切りの大きな空間 】

というコンセプトを引き出し、それに沿ったプランを作成して24日にご提案しました。

Nさんは他社(←うち以外)にも建築図面の提案を依頼されて比較検討されたようですが、当方の提案は異色で大胆だったらしく、うちの図面を見たときは驚かれたようです。

でもね、建物全体の形はすごくシンプルで真っ四角の平面形ですし、外観も京都らしい切妻屋根のこの上なくおとなし~い姿なんですよ。
だから、外見や色・形が大胆だったわけでは決してありません。
(プライバシーの問題があるので、平面図は公開できません。)

で、Nさんにズバっと言われてしまいました。

「今日のプランを見るとお日様の匂いと木の匂いがしてくるようでした。
 私達がついつい考えてしまう些末なことを
 すっぽり「ええやんか」と包んでくれるような。」
(「」内はNさんのメールより抜粋)

う~ん・・・(苦笑。これまでのクライアントのみなさまの爆笑が聞こえるようです)。
良くも悪くも、僕の本質と限界を捉えられています。

しかもこれは図面を見た感想ですよ。
僕と話をした感想ではありません。
でもどちらかというと嬉しかったですね。

僕はうちに問い合わせをしてきてくださる方みなさんに、下記のようなことをはっきり言います。

「うちだけを見て決めるんじゃなくて、よそと比べてみて下さい。」
「いろんな建築家の話をきいたり、建物を見たりした上で、最終的に誰に頼むか決めて下さいね。」
「僕以外にも、もっとあなたに合う人はいるかもしれませんよ」

と。

こう書くと、

「なんやこいつは自意識過剰か?」

と捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、これは別に自分に自信があって言っている訳でも何でもありません。

上記でNさんが書かれている通り、僕自身の個性と限界はちょっとはわかっているつもりです。
ですから、僕のような考え方の建築家とは合わない方の方が絶対に多いのです。
( ↑ 絶対そうです。断言できます)

だから、ちゃんとよそと比べてみて下さいね、と言っているわけです。

こういうことを言わない建築家や工務店の方はきっと多いのでしょうね。
ですから僕がこんなことを言うと、最初は大概驚かれます。

「実はこいつはやる気が無いんじゃないか?」

と感じる方も多いでしょう。

でも、もう一回言います。

ちゃんといろんな人と比べて下さい。
そうすると、あなたには下記のようなメリットが出てきます。

 〇 最終的に決めた人との関係が良好になります
   (あれだけ比べたのだから、この人に依頼したことは
    絶対に間違っていなかったと信じることができます)

 〇 家づくりにかける自分自身の姿勢が変わります。
    考え方がブレにくくなります。

 〇 後悔する機会が格段に減ります。
    だから無駄なことで悩んだりして時間をロスすることや心労が減ります

こういうことは、家づくりのパートナーを選ぶ際、きちんと熟慮していなかった場合によく問題となる事柄です。

そういうケースを僕はこれまでにもよく見たり聞いたりしていますが、はっきり言ってしまうとこれらのほとんどは専門家としての技術的・能力などの欠如が問題ではなく、お互いのコミュニケーションや相性に端を発した問題なのです。

そんなことで苦労したりしたくありませんよね。
だから、あなたにはちゃんと比べてみてもらいたいのです。

その結果、僕が選ばれなかったとしても、それは別に悔しくありません。
むしろお互いにとって良い結果だと思うのです。

と、僕は考えています。

Nさんは今回の僕の提案や僕の建築に対するスタンスを気に入って下さったようで、今回はNさんの家づくりのお手伝いができそうです。

「さとうさんに頼んでよかった~」と最後に思っていただけるようにがんばります。

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ご来場ありがとうございました

箕谷の家見学会

今日は3連休の最終日ですね。
みなさまいかがお過ごしでしょうか?

15(土)、16(日)の2日間にわたり、神戸市北区の住宅現場で完成見学会を開催しました。

今回の見学会は、施工を担当してくださった輝建設株式会社さんとの共催だったこともあり、3連休の合間の2日間で合計44名(!)という、信じられないほどたくさんのみなさまにご来場いただきました。

会場へ来てくださったみなさま、輝建設スタッフのみなさま、そして快く見学会開催に応じてくださったクライアントのSさん、本当にどうもありがとうございました。

今回の現場を見学していただくことで、少しでもみなさまの家づくりのお役に立てたようであれば嬉しいのですが、なかなかこちらの対応が至らなかったりしたこともあったかもしれません。

2日間の会期中、ご近所にお住まいの方もたくさんお見えになられました。

「いつも遠くを歩きながら、この家を見ていたんですよ」
と言ってくださる方もいて、嬉しく思いました。

そして、僕と同業の建築家の方も3組お見えになりました。
( ↑ そのうち2組は初対面)
同業者の方に見ていただけるとは光栄です。

会場では設計図も全て公開展示していたので、専門家ならではの話題についていろいろとお互いのことについて話をしました。

今週木曜日には、この家も無事引渡しとなります。

それを控えて、見学会初日の夜には、現場監督のTさんと僕とクライアントご家族で第1回打ち上げパーティーをしました♪

そこでこれまでの家づくりのことや、現場監督・Tさんのプライベートに関すること(笑)など楽しくみんなで話ができました。
( ↑ 話が盛り上がりすぎて、結局最終電車がなくなってしまいましたが)

クライアントのSさんが、木曜日の入居をものすご~く楽しみにされていて、本当にこの家ができたことをご家族全員で嬉しく感じてくださっていること、僕だけでなく現場監督のTさんがこの家に特別な深い愛着を感じてくださっていることがよくわかり、感無量でした。

これだけみんなに愛される家はなかなかできませんね。
感謝。

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使いにくさと魅力

箕谷の家-外観3


 


 


 


 


 


 


神戸市北区で今週末に見学会を行う現場の正面の写真です。
昨日現場へ行った折に撮影してきました。

昨日は室内の部分的な照度不足(一部、暗い場所がある)をどう解決するか?
ということを確認するために現場へ行きました。

他にも、ポストのこと、建具調整のことなどについてクライアントであるSさん夫妻と確認しました。



注文住宅は(特に、うちのように既製品を極力使わないスタイルでやっていると)必ずどこかに不完全な部分ができます。
大量生産している車のように、使いにくさや不具合が全くない商品はできません。

幸いにしてこれまでのうちのクライアントのみなさまは、そのあたりをよく含んでくださっているようで、あまり大きな問題になったことはありません。
(みなさま、ありがとうございます)

この問題は木という生き物を扱って商品を作っている以上、避けては通れない道ですが、その分使い手(住み手)に強いる負担も少し大きくなります。
( ↑ 新建材で固めた家よりは、という意味です)

住み初めてからも色々気を遣うので、うちで作っている木の家は慣れるまでは本当に大変だろうなぁ、と思います。
( ↑ 決してうちだけに限った話ではありませんが)



でも住んでいるうちに別の魅力が育っていきますから、大変な分だけ報われることも大きいと思います。
不具合が無い家って、すごく良さそうに思うけれども、実は物足りなく感じるんですよね。

上の表現は少し伝わりにくいと思うんですが、使いにくい家=いい家だということを言っているのではありません。
100%満足する家(不満の全く無い家)を作るのは不可能だ、ということです。
なにせ、すべて1点物ですから。
85%くらい満足がいけば、注文住宅としてはまず成功だと捉えていただくぐらいがちょうどいいと思います。

もちろん、作っている側は完成度100%以上になるようにいつも努力しているんですけどね(笑)。



この記事を読んでもらうと、もしかして今回のクライアント・Sさんが出来上がりに不満を持っているのか?と曲解される方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは全然無いようで、とても気に入ってくださっているそうです。
(と、僕が言うと全然説得力が無いですね)

でもSさん以上に僕がこの家を気に入っているかもしれません。
この家を設計させてもらえて、とても幸せです。




【お知らせ】
9/15(土)、16(日)の2日間、神戸市北区で
木の家の完成見学会を行います

詳しくはこちらをご覧下さい

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つながりと恩恵

昨日は一日中、京都市内で2組のお客さんと打合せをしていました。

お一方は京都市内に住宅を建築するべく土地を取得されたNさん。
もうお一方は同じく京都市内で、ある施設の改修を計画されているFさんです。

どちらのお客さんとも、ゆっくりととても充実したお話をさせていただくことができました。
これから時間をかけてご提案をおこなっていくのですが、ご期待に応えられるようにがんばります。



昨晩Fさんとお話させていただくうちに、自分自身で改めて認識したことがあったのでみなさんにご報告させていただきます。

実は、Fさんとは2001年の年末に初めてお会いしました。
その後何度かお会いして、施設の調査や改修計画のご提案などをさせていただいた(←まだ実施には至っていません)のですが、初めてお会いしてから3ヶ月ほど経った2002年の春、Fさんが

「さとうさん、東京へ行ってOMソーラー協会の講習会を受けてきませんか?
 そしてうちと同じような施設を一緒にいくつか見学してきましょう」

と言ってくださいました。



どうしてあの時点でそのようにおっしゃってくださったのかいまだに信じられないのですが、なんとその費用・宿泊費などは全てFさんが出してくださったのです。
(本当にありがとうございました m(_ _)m )

その時受けたOMソーラーの講習会で学んだ内容は、建物の断熱・気密・温熱環境などの設計に対する僕自身の設計姿勢を根底から覆してくれました。
(大学でも同じような内容を環境工学という講義で学んでいたのですが、大学の講義を甘く見ていた僕は、自分自身の設計姿勢を変えることができませんでした)

もう少し平たく言うと、それまでは断熱・気密に対する意識が今よりずっと低かったのですが、それを一気に高めてもらうことができたのです。



そのおかげで、2002年以降当方で住宅を設計させてもらった全てのクライアントの皆様は、この時Fさんから僕が受けた恩恵を(間接的にではありますが)実は受け取っています。

もし、あの時FさんがOMソーラー協会のセミナーに僕を参加させてくださらなかったら、現在の僕の設計する建物における温熱環境はもっとレベルの低いもので留まっていたことでしょう。

人とのつながり、人から受ける恩恵、そして自分が受けた恩恵を還元していくことの重要性を昨日は改めて認識できました。

Fさんはじめ、日頃お世話になっている皆様に深く感謝申し上げます。
どうもありがとうございます。



【お知らせ】
9/15(土)、16(日)の2日間、神戸市北区で
木の家の完成見学会を行います
(9/7 現在のお申込状況:合計20名)。

詳しくはこちらをご覧下さい

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知恵

先週の木曜日、京都市内で古家付土地の購入を検討されているクライアントから依頼を受けて、物件を観に行きました。

近隣は緑が豊かで静かな住宅地で、近くには琵琶湖からの疎水が流れており、小さな魚がゆらゆらと気持ちよさそうに流れに身をまかせていました。
(多分、うちの息子が見ると「あのお魚採りたい!」って絶対言うだろうな~)

今回のクライアントであるNさんからは、この古家をリフォームして使うつもりはないが、
1. 何か外して使える部材が無いかどうか
2. 敷地の前面道路が狭いので工事をしにくい土地のように思うのだが、
  その点について見解を聞かせて欲しい
と相談されました。

最初外観を見た印象からは、正直使えるものはないだろうなぁ・・・と諦めていましたが、中に入ってみると建具関係(障子・襖・舞良戸)に素直で品が良くて使いやすいものがたくさんありました。
和室の床框や玄関の靴脱ぎ石なども、上手に解体すれば使えそうないいものがありました。

でも、構造材にはあまりお金をかけた様子が見られなかったので、どうもこれらの建具はこの家を建てた当時(大正時代)どこかよそから貰い受けてきたのではないか?というような気もしました。
もしそうだとしたら、これこそ京間というモジュールのなせる業ですね。

こういう、モノを上手に再利用できるように考えて作るモノづくりの知恵はきちんと見直して継承していけるといいですね。

 

    【お知らせ】
    総2階平屋建てみたいな家、構造見学会を開催します(7/7・土)
    詳しくはこちらをご覧下さい

 

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山つつじ

金曜日に、神戸市北区で基礎工事中の現場へ行ってきました。
(↑そろそろこの家のプロジェクト名決めないと・・・)

クライアントのSさんご一家は現場のすぐ近くにお住まいになっていることもあり、毎日朝晩、現場の前を通っては楽しみに様子をご覧になっていらっしゃるようです。
現在は基礎工事の配筋作業工程が進行中です。

Sさんからいただくメールの文章からは、ひしひしとその喜び・興奮がにじみ出ていて(というか、むしろはじけ飛んでいる感じ♪)、設計者としてはメールを読んでいてとてもうれしくなります。
Sさん、いつもどうもありがとうございます。

現場からの帰途、飲み水を採りに六甲山へ寄ってきました。
春になってから湧き水の湧水量も冬場に比べてずっと増えました。
川の水も増えていて、自然の息吹を感じます。

今は新緑がとてもきれいですね。
山のもみじや、街中のけやき、くすのきなど黄緑色の新しい葉が目に鮮やかで、山の色もいろんな緑が入り混じり、強いエネルギーが迫ってくるようです。

山道を走っていると、ふわふわと浮かぶような山つつじの軽やかな紫色をよく見かけます。
下の写真は水を汲みに行く場所の近くに咲いていた山つつじです。

この山つつじについて少し詳しく知りたいと思ってWEB検索していたところ、すごい山つつじの場所を見付けました。
さながら桃源郷ですね。
ココ、いつか行ってみたいなぁ~。

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完成見学会開催を開催します

昨年の夏に着工した、大阪府四条畷市内の現場

『木曽のみんなが作ってくれる大阪の家』

がいよいよ竣工します。
クライアントである T さんのご協力を得られたので、下記の日程で完成見学会を開催します。

【開催日時】 2007/4/8(日) 10:00~12:30
【開催場所】 大阪府四条畷市
【参加費用】 無料

当日は午後から引越し作業を開始するので、午前中のみの短い時間での開催になってしまいますが、ご都合のつく方はぜひお越しください。

現在外壁の吹付作業を行っており、近日中に外部足場も外されるので、そうしたら外観の写真も公開しますね。
どうぞお楽しみに。

木曽の大工が木曽の木(メインは木曽檜)を使って全て手で刻み、竹小舞を編んで荒壁をつけた、筋交いを用いない伝統構法で組んだ家です。
伝統構法での住宅建築を計画されている方には、実物を見られるいい機会だと思います。

見学会への参加お申込みはこちらからどうぞ

【お知らせ】
3/11(日)に伊丹市で民家のセミナーを行います。詳しくはこちら

 

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西宮で工事が始まりました

先週から、西宮市内で3階建て住宅の新築工事に取り掛かっています。
昨日は基礎の鉄筋検査を受けました。

鉄筋もきれいに組むとなかなか美しいものです。
今回は初めてお付き合いする鉄筋屋さんが組んでくれたのですが、シャンと背筋が伸びた感じで気持ちのいい仕事をしてくれました。

うちで設計する建物の基礎は、
1. 床下の通気を良くする
2. 後々のメンテナンスをしやすくする
ために、立ち上がりを極力減らしています。

そのため、ベース筋をシングル配筋(←1段のみ)ではなくダブル配筋(←2段組)にしたり、ベースの厚みを通常の150ではなく200にしたりという補強が必要になることがあります。
この現場はダブル配筋×ベース厚200mmになりました。

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クライアントから嬉しいコメントを頂きました

前回の記事(木割とデザイン 12/26)を書いたところ、それに対して今年の3月に竣工した小花の家(兵庫県川西市)のクライアント・I さんから、下記のようなコメントを送っていただいたので掲載します。
(I さん、どうもありがとうございました!)

ちなみに、I さんは現在大阪市内の高校で美術の教師をされていますが、大学で美術(彫刻だったと思います)を専攻された方です。
これまでに、毎年1回くらいのペースで展覧会を開催されているようです。
(以下、I さんのメールの転記)

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今朝、ブログを拝見いたしまして、コメントできることをみつけたので、ぜひ感想をお伝えしたいと思い挑戦してみたのですが、「本文が長すぎます」とのことでしたので、できませんでした。
ということで、メールでお伝えします。

すごい  !!!!!!!
脱帽です !!!!!!

「木割」のお話から、ギリシャ時代の建築では、円柱基底部の半径が神殿全体の形を規定するほどの絶対的な単位(「オーダー」というみたいです)であったことを思い出しました。

美術作品をつくる(現在休止中ですが・・・)僕にとっては、とても刺激的なお話でした。

(だいぶ語弊のある言い方ですが、勇気を持って書きます)
人間として、世紀も地域も越えて絶対的な美というものが存在するのではないか、ということを最近漠然と、でも強く感じはじめている僕ですが、形づくりを突き詰めていくと、どうしてもそれ以上動かし得ないところ・・・ひとつの究極へとアイディアが収束していく、というのが作り手にとっての事実だと思います。

実はそのあたり、佐藤さんのつくる家にもガツンと出ているように感じました。
(今さらながら、佐藤さんに家づくりをお願いできてうれしく思います)

「一つの究極へと収束させていく作業を、どれだけ感覚をとぎすませて、つきつめられるか」

僕もこだわりたいと思います。

もうひとつ、「素材の持つ強さ」

「ことば」が大きな題材である僕にとって、「素材の持つ強さ」という事実は、これ
から向き合うべき大きなテーマであると思います。

・素材は素材として、既にその存在自体が美しい
・そこに作り手の思いと手数がさらに込められて、新たな次元へと導かれる(形になる)

佐藤さんとは書き方は違いますが、作り手として、きっと僕も近い思いをもっていると感じています

作品において大きな位置を占める「素材」と「過程」、僕の作品が「素材」に依存
する在り方ではないとしたら、その目に見える「素材」「過程」の強さにまけないくらいの作品の「存在感」はどこからくるのか・・・難しいですが、いろんな物をみて、自分も作る中でじっくり考えたいと思います。

今回のブログ、「ガンバレ」と背中に後ろから力一杯にドーンと喝を入れられた感じです。ありがとうございました。

(以上、I さんのメールより転記)

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I さん、どうもありがとうございました。
このコメントはとっても嬉しかったです。
今後のご活躍、期待しています。

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