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ボランティアによるかやぶき民家再生プロジェクト 開催のお知らせ

上郡-4上郡-4メンバー

昨年から着手した、【ボランティアによるかやぶき民家再生プロジェクト】の第5回目となるワークショップを7/22(土)、23(日)の2日間にわたって行います。
主催はNPO法人・日本民家再生リサイクル協会 近畿地区運営委員会。
これは、兵庫県南西部にある築100年のかやぶき民家を、ボランティアのみんなで少しずつ直していこう、という企画です。

今年は、通算第4回目~第7回目までの全4回のワークショップを行う予定で、すでに今年の1発目である第4回目のワークショップは5月27(土)・28(日)に盛況のうちに終了しました。
その時の様子はこちらでご覧になっていただけます。

先述のとおり、現在第5回目ワークショップの参加者を募集中です。
今回は納屋の下屋解体~母屋床上げの作業です。

お申込みなど詳しい情報については、下記ホームページをご参照ください。

日本民家再生リサイクル協会近畿地区のホームページへ

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ボランティアの恩恵

 

 

以前からこのブログにも何度か書いていますが、僕はNPO法人・日本民家再生リサイクル協会の活動に理事として参画しています。
ボランティア活動をしていると、いろんな楽しいことがたくさんあるのですが、中でも 【人脈ができる】 という恩恵はかなり大きなものです。

現在大阪府で計画中のTさんの家は、長野県木曽のヒノキを使って建てる新築物件なのですが、先日そこで使う床板にと唐松(からまつ)のフローリングを探していました。
関西では唐松が採れないので、僕はこれまで唐松のフローリングを使ったことがありません。

唐松の産地は信州が有名です。
インターネットで調べてみるといろんな会社が唐松のフローリングを販売していました。

そのうちの数社に連絡をして、製品の規格(厚み・巾・長さ)と価格を知らせてもらうように、うちのスタッフが連絡してくれました。
ついでにカットサンプルも送ってくれるように、と依頼したので、各社カットサンプルを送ってくれました。

上の写真がそのカットサンプルの山です。
うちの事務所の応接間は和室なので、畳が写っています

送ってもらって実物を見て驚いたのですが、各社かなりバラツキがあるのです。

価格や大きさ(製品の巾・厚み)はもちろんのこと、材料の比重、年輪の詰み方(細かさ)、木目、など、本当にピンからキリまでありました。
(注:ここで当たり前のことをお伝えしておきますが、各社が送ってくれたのは、全て信州産のムクの唐松のフローリングです。そして当然のことながら、製品のグレードは1等材程度で各社共通。それなのにバラツキが大きい・・・。ナゼ?)

本当に、えらいちがうのです。

しかし正直なところ、インターネットで探したフローリングの販売元の製品は、どれも使いたくないようなグレードのものばかりでした。
( → 全てがそうだとは思いません。
きっと、たまたまうちの事務所であたった会社が悪かったのでしょう)
そのくせ大名商売をしているような会社もあったりして、幻滅していました。

そこで、前述の日本民家再生リサイクル協会で一緒に活動している、
田(でん)空間工作所の本城さんに

「どこか唐松のフローリングを販売しているところでオススメの会社あったら紹介してよ~」

とお願いしたところ、すぐにメールで2社紹介してくれたので、早速連絡をとってサンプルを送ってみました。

すると・・・。

ここがバツグンにいい商品を作っているのです。
しかも格安で!
これからドンドンここの唐松のフローリング使おうかなぁと思ってしまいました。
(しかし、なんで同じ信州の唐松ムク材にこれだけのバラツキが生じるのか、どうもよくわかりませんが・・・)

インターネットのおかげで検索できる情報量が格段に増えたとは言え、やはり商品の質感や細かい仕事の内容まではどうしても伝えにくいですよね。
そうなってくると、最後はこういう人脈が活きてくるんだよなぁ、と改めて感じました。

僕は上記協会の理事を4年間務めていたおかげで、全国各地にこういうネットワークがたくさんできました。
まさにボランティアの恩恵です。

本城さん、どうもありがとう!
再度ご紹介しておきます(↓)。

○ NPO法人・日本民家再生リサイクル協会のホームページはこちら
○ 長野県で木曽の木を使った家づくりを実践している、
田(でん)空間工作所のホームページはこちら

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ボランティアによるかやぶき民家再生プロジェクト 第3回の報告

バタバタしていたら、ブログの更新がすっかり滞ってしまいました。
楽しみに読んで下さっているみなさん、ゴメンナサイ。
またいつものペースに戻していきたいと思います。

先週末の連休の2日間(9/23、24)にわたって、兵庫県西部某所にて、

【 ボランティアによる茅葺民家再生プロジェクト
  第3回~増築棟の解体作業ワークショップ 】

が、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会 近畿地区の主催で開催されました。
プロジェクトリーダーとして、僕も参加してきました。

このプロジェクトは、過去何回かこのブログでもご紹介しているので、もうご存知の方も多いと思います。

簡単に言うと、

【 ボランティア(=素人)だけで、民家再生をやってしまおう! 】

という、なんとも無謀だけれど、とんでもなくオモシロソウなプロジェクトです。
(初めての方へ:このプロジェクトについてはこちらで詳しく紹介しています)

今回は、母屋の隣りに増築された部分の解体・撤去作業を行いました。

上郡-3-屋根めくり

 

(↑)まず、屋根の波板鉄板を、一本ずつていねいに釘を抜いて外していきます。

上郡-3-波板の整理

(↑)外した波板は、きちんとまとめて整理しておきます。
これをまた後で使うためです。

上郡-3-構造

(↑)屋根が解体され、骨組み(構造体)が見えてきました。

上郡-3-壁壊し

(↑)土壁も、土を落として、下地の竹(小舞)と土とに分けます。

上郡-3-解体した壁土

上郡-3-壁土の保管

(↑)土も将来の再利用に備えて、土のう袋に詰めて保管します。

上郡-3-解体木材

解体され、取り外された構造材(柱や梁)は、釘抜きをしたあとで
雨がかからない小屋にきちんと整理して保管します。

そうやって作業を進めていって・・・・

上郡-3-下屋解体前

今回の作業を始める前には、この(↑)状態だった建物が、
2日間・延べ約35人のボランティアのみなさんのご協力のおかげで(↓)・・・

   なんと!!!

上郡-3-解体完了

こんなになっちゃいました!

すごい!

さすが、大人数で協力すれば、とんでもないことができるものです。
ついでに全員で記念撮影。

上郡-3-全体写真

このポカンと空いた中庭状の広いスペースで、来年の春には
地元のみなさんと一緒にバーベキューをしようという計画が持ち上がりました。

区長さんもたいへん乗り気で、

「早くこの村に移り住んでくれる人が出てこないかなぁ~」

などと期待してくださっています。
帰りがけには、近所の農家のおばちゃんが、いつものようにたくさんの野菜を
おすそ分けしてくださいました。
(↑おばちゃん、どうもありがとう)
地域の皆様に少しずつ受け入れてもらえていることを、ひしひしと実感しています。

この地域も、ご多分に漏れず過疎化に悩んでいます。
だから、新しい、若い人に村へ入ってきて欲しいと考えています。
しかしその一方で、素性のわからんあやしい人に入ってきてもらっては困るし・・・
というジレンマを抱えています。

このあたりのビミョーな気持ちとうまくお付き合いしながら、
ゆっくりと地域の皆さんと一緒に交流が図れたらいいなぁ、
と思いつつ、このプロジェクトを進めています。

参加してくださった延べ約35人のみなさん、どうもありがとうございました。
宿泊された方だけで行った夜の飲み会、とっても楽しかったです。
また来年、一緒に楽しくやりましょう。

<注意!>
今回のプロジェクトは、建築のプロフェッショナルが綿密に準備をし、
現場で一緒に指導をしながら作業を行っているからこそできることです。
このような作業には、大変大きな危険が伴います。
決して簡単に真似をされることがないようにお願いいたします。

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ボランティアによるかやぶき民家再生プロジェクトの報告


先週末(7/9、10の2日間)、兵庫県赤穂郡にて、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会(以下JMRA)主催イベント

 
【 ボランティアによるかやぶき民家再生プロジェクト~第2回 】
 
が行われました。
2日間で延べ35人(←参加申込希望者多数につき、定員を超えた時点で申込受付を締め切りました)が参加され、基本的に素人(=建築職人ではない人)だけで、2010年完成に向けた、築100年のかやぶき民家再生のためのワークショップを行いました。
ちなみに僕は、JMRA近畿地区運営委員でもあるため、上記このプロジェクトのリーダー(兼、使いッ走り?)として、企画・運営のあらゆる面をサポートさせてもらっています。
(↑このプロジェクトに関する、詳しい事情、これまでの経緯などについては、JMRA・近畿地区ホームページにて詳しく公開していますので、ぜひ一度ご覧下さい)
 
今回は、建物の足元(床下に隠れて見えなくなっている柱の根元部分)の傷み具合を確認することが、一番大きな目的でした。
そのために、既存床組み材(畳・床板・根太・大引など)をすべて解体し、一本一本柱を詳細に調べてまわる、という作業を行ったのです。
調査のための作業は順調に進み、予定通り(というか、みなさんのやる気が非常に高く、予定よりもかなり早く)調査を完了することができました。
ボランティアとして参加・協力してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
(後日談ですが、当日の様子をオーナーにご報告したところ、大変喜んでくださっていました)

しかし、実は今回のワークショップには、上記の作業以上に大成功を収めたことがありました。
それは、これまで懐疑的(?)な目で僕たちの活動を

『 あいつら、都会からこんなところまでわざわざやってきて、ナニをやろうとしているんだ?

なんか怪しい集団なんちゃうか?』

と、遠巻きにイロ眼鏡で見ていた近隣地域住民のみなさんが、僕たちの活動に興味を示し、協力してもいいよという態勢に少しずつ傾いてきたということです。

これが何よりもうれしいコトでした。

(地域のみなさん、どうもありがとうございます!)

実はそのために僕たちがナニをしたのか?というと、とても単純なことで、自治会のみなさんが行う、農道の草刈作業を手伝っただけなのです。
本当にただそれだけです。
でも、それで地元のみなさんが僕たちを見る目がすっかり変わったのです!

イベント開催2日目のお昼には、自治会の区長さんが直接足を運んで下さってお礼を行ってくださっただけでなく、缶コーヒーの差し入れまでして下さいました。

(区長さん、ありがとうございます)
帰りがけには、近隣のおばちゃんが
「うちの畑で採れた野菜なんやけど・・・」
と言って、たくさんの新鮮な野菜を差し入れてくださいました。
(おばちゃん、どうもありがとう)

このプロジェクトを通じて、地元住民のみなさんとの間に友好的ないい関係が築き上げていけるように、これからも頑張っていって、

1. 地域のみなさんにも
2. 民家のオーナーにも
3. そしてボランティアで参加してくださっている協力者のみなさんにも

みんなが喜んでハッピーになっていただけるようなプロジェクトにしたいと思っています。

今回のワークショップに参加してくださった皆さんは、どなたも

「とても楽しかった。
次回またぜひ参加したいと思います」

と言って下さいました。
雨が降りしきる中を、雨カッパを着てずぶぬれになりながら草刈作業をしてくださったにもかかわらず、です。
しかも作業の(金銭的な)報酬は一切なし。

現地までの往復の交通費は自己負担。
参加費用も払いながら、という状況でこのような感想をみなさんが口にしてくださるのです。

本当にやってよかったと思いました。
参加してくださったみなさん、本当にどうもありがとうございました。
そして、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


左:昼食の風景    右:参加者全員で記念撮影

注 : ここに掲載させて頂いている写真は、上記イベントで献身的な協力をしてくださった、
和歌山県在住のJMRA会員・東さんが写された写真を使わせて頂いています。
東さん、どうもありがとうございました。

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ボランティアでの古民家再生計画

僕が理事を務めている、NPO法人・日本民家再生リサイクル協会で、これから約5年間かけて築100年のかやぶき民家をボランティアで再生します。
 
場所は兵庫県西部(もうほとんど岡山)です。
 
第1回目のイベントへの参加申し込みを現在受付中です。
詳しくは、日本民家再生リサイクル協会近畿地区ホームページにて公開していますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。
 
 

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