先週末の土曜日、京都市右京区に行って、尼崎市・H様邸の玄関式台をなぐってもらってきました。
いつもお世話になっている京都市上京区の中儀銘木さんを通じて、これまでにも何度かお願いしているナグリ職人・原田さんがなぐってくれました。
材料はいつもどおり杉です。
厚みは50mm。
今回はクライアントのH様もご家族全員4人で京北町にある原田さんの加工場まで足を運んで下さいました。
いよいよチョウナによるナグリ作業開始。
端で観ていると、原田さんは何気なくサクサクとなぐっているように見えますが、刃物の切れや力加減、刃の当て方や一目ごとの仕上がり巾など、本当に絶妙な技です。
まずは一番大きい平面をなぐっていきます。
ずっと同じ方向からなぐり続けるのではありません。
なぐることで目を起こしてしまわないように、 木の目を見ながら途中で何度も体の向きを変えてなぐります。
平の部分をなぐり終えたら、次は側面です。
後ろで板を支えて下さっているのは、原田さんのお父さんです。
側面もなぐり終えたら、最後に角の面取りです。
面取りもチョウナで一目ずつとっていきます。
そしてついに完成です。
おとなしくて、なぐる前にはあまり個性的ではなかった板が、ナグリ加工によって
こんなに魅力的な表情に仕上がりました。
鈍い光沢がありますが、表面はハツっただけです。
サンドペーパーもあてていないし、まして何も塗布していません。
仕上がった後、クライアントのH様ご家族には、靴を脱いで足で
踏んだ時の感触を味わってもらいました。
うちの事務所にもナグリ式台のサンプルを置いていますが、
ナグリの板を踏んだ時の感触はとっても気持ちがいいんです。
H様の息子さんは、その感触があまりに気持ちよかったのでしょうか(?)
ついにべたっとうつぶせに寝転んでしまいました(笑)。
ジャストサイズ!って感じです。
今回は写真でしか撮っていませんが、過去に原田さんにお願いした折、
動画で撮影したものがあります。
東風のyoutubeページで公開していますので、もしよろしければ
こちらのページで動画も見てください。
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