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自分も含めた地域のみんなでお金を寄付して、木造で建てた小学校に対する愛着とでは
それはそれは大きな違いがあるでしょうね。
また木造校舎を観に行きたくなりました。
今、どのくらい残っているのかな?
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また木造校舎を観に行きたくなりました。
今、どのくらい残っているのかな?
塩尻に行ったときの続きです。
古材の実験の後、塩尻市内にある国指定の重要文化財「堀内家」を見学させて頂くことができました。
いわゆる「本棟(ほんむね)造り」の特徴をよく残した立派な姿です。
現在、このお宅は使われてはいません。
今回の見学に当たっては、ご当主の奥様でいらっしゃる堀内様が立ち会って下さり、往時のいろんなお話をして下さいました。
お風呂は五右衛門風呂のように浴槽の下に釜がある形ではなく、別の場所にある大きな釜で湯だけを沸かし、そこから男衆が湯を運んで浴槽に入れて使っていたこと。
今は「本棟造り」という名前が大変通っているが、もともとこの地方ではこの手の建物は本棟造りという名前で呼ばれていたわけではなく、「ホンミネの家」と呼ばれていたこと。
(本棟造りという言葉は、後年、大学の先生が名付けられたものではないか?と奥様は仰っていました)
いろんなお話を伺いながら幾重にも重なった小屋組みの構造材を見上げていると、暗い小屋裏の向こうにふっと小さな明りが見えました。
煙出しを通じて入ってきた外光が、煙り出しの中の壁を照らしています。
写真下半分が真っ暗なのは、吹抜け部分に全く照明などがないためです。
これは夕方5時ごろにストロボ無しで撮った写真ですが、 現場でもこんな感じで見えました。
(露光時間が長かったので、手ブレしています)
暗い中にふっと浮かんだほのかな明りに、なんとなく心が安らぎました。
昔この家で生活されていた皆さんも、同じ明りを見ていたのでしょうね。
先週塩尻へ行ったことを前回の記事で書きましたが、せっかく塩尻まで行くのだから・・・と思い、少し足を伸ばして木祖村にある水木沢天然林へ寄ってきました。
2008年に大阪府四條畷市でT様宅の工事をさせてもらった際に何度か木祖村へは足を運んでいます。
その際にT様から水木沢天然林に連れて行って頂き、その存在を知りました。
水木沢天然林へ入るのは2回目です。
仕事柄、人工林に入ることは多いのですが、天然林にはなかなか入る機会がありません。
林業家である僕の従兄弟は、
「天然林に入ると、人工林とはエネルギーが違う」
と言います。
そんな言葉を思い返しながら、天然林の中の遊歩道をゆっくり歩いて登ったのですが、まさにその通りで、植物の発する存在感というか生命感に満ち溢れた空間です。
人の手で整備される人工林は、木と木の間隔もほぼ等間隔で、樹種もほとんどが真っ直ぐな針葉樹に統一されています。
一方、天然林は人の手が入っていないため、木と木の間隔はバラバラ、樹種も真っ直ぐな針葉樹よりはむしろ広葉樹が多くて木は曲がっているし、天然更新が絶えず行われているため、風倒木もそこかしこに残っています。
と、言葉でいくら説明しようとしても、やっぱり伝えきれません。
それならば写真で・・・とも考えたのですが、写真でもやはりあの生命感は伝えられません。
もし興味のある方は、頭の片隅にでも憶えておいて頂いて、木曽に行かれたら足を伸ばしてみて下さい。
昨今よく言われる【パワースポット】という言葉が陳腐に思えるほどのエネルギーです。
一昨日、強行軍で長野県塩尻市に日帰りで行ってきました。
長野県林業総合センターというところで行われた、古材の曲げ強度試験を見学するためです。
こんな大きな機械に古材の梁(赤松)を載せ、上から荷重をかけていき、たわみ量と変形量の相関関係を調べるというのが試験の目的です。
赤矢印は僕が写真に描き入れたものですが、両端に支持支点があって、中央付近の2点で徐々に荷重をかけていきます。
上から荷重をかけている最中に撮った写真です。
最初は見た目変化がないのですが・・・
そのうちにパキパキ音を立て始めたかと思うと「ベキッ」と大きな音がして裂けました。
昨日の試験では、裂けてもさらに載荷を続け、完全に折れるまで圧し続けました。
試験終了後、反対側から見るとこんな感じ(↓)になっていました。
中央付近で真っ二つです。
この折れた箇所には小屋束を差し込むための断面欠損があり、見事にそこで折れていました。
木材は新材の時でも、個体差があって強度にばらつきが出ます。
それが古材になると経年変化も出てくるので、曲げ破壊試験をやる前にヤング率(※)を測定し、断面積(材料の太さ)とヤング率から実際の曲げ強度を比較する、という試験を行っているそうです。
(※)ヤング率とは/出典:wikipedia
ヤング率は、弾性範囲で単位ひずみあたり、どれだけ応力が必要かの値を決める定数である。
曲げ破壊試験自体はさほど目新しいものではありませんでしたが、その後の担当教授から非破壊測定機器を使った木材のヤング係数の測りかた、最近の研究動向などについて 様々なお話を伺うことができ、とても参考になりました。
昨日(2011/8/8)、京都大学で行われた振動実験に行ってきました。
上のような2階建ての木造フレームを大きな振動台に載せ、実際にフレーム全体を地震波で揺らし、その挙動(傾きや破損状況など)を観察するという実験が行われました。
普段、木造建築を手がけている全国各地の設計士や工務店さんが見学のために集まっており、みなさんの関心の高さも伺えました。
昨日の実験の目的は
「通し柱の太い/細いによって、地震時の建物の挙動にどのくらい変化が見られるのか」
という、【通し柱効果】を確かめることです。
現在、もっとも一般的な木構造として使われている在来工法の場合は、どちらかと言うとこの通し柱効果は少ないと思います。
しかし、昔からの伝統的な古民家などで用いられている伝統構法の場合は、この通し柱効果がかなり効いていることが昨日の実験でよくわかりました。
昨日の実験を詳しく解説すると、とても難しい話になってしまうのでここでは割愛しますが、イメージとして理解して頂くために図を描いてみました。
もしよろしければご覧になってみてください。
通し柱効果とは?
木造建築 東風(こち)の伝統構法石場建ての家づくりサイトはこちら
→ http://www.mokuzo-architect.jp/
(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を
タイトルどおり、建築には全く関係ない話なのでさらりといきます。
読む人にとっては
「?」
かもしれませんが、僕は宇宙の話が大好きなんです。
興味のある方は読んでみてください。
今週の初めに、三田の西本製材所さんへ行き、テーブルの天板用の幅広板を製材してもらいました。
このテーブルは、うちのスタッフが友人から依頼を受けたものですが、一般市場で買うと1枚板はちょっと無理!という価格だったのでした。
そこでいつも頼りになる西本専務が
「よっしゃ、何とかしたろ!」
と一肌脱いで下さって、何年も前からストックしてカラカラに乾いている大きな板を出してくれました。
長さは2mですが、幅は86~90cmある大きな板です。
皮付きの板をクライアントが希望されたので、板幅は場所によって異なります。
樹種は米松で、木目もおとなしく、節も小さなものが4つしかないきれいな板でした。
東風では建築を作るときに、極力外国産材を使わないようにしています(※)が、それは外国産材が悪くて国産材が良いから、という理由ではありません。
外国産材にも、質の良い木材はいっぱいあります。
10年以上前までは、僕もよく外国産の木材を使っていたので、それは身に染みてよく知っています。
むしろ外国産材を探して使った方が、安くて良いものが手に入る、と言っても過言ではありません。
( ↑ 最近は国産材の価格が下落しているので、そうとも言い切れませんが・・・)
以前もこのことは何度か書いているのですが、東風で国産材を使う理由としては下記のとおりです。
1. 外国産材は伐採時期や葉枯らし期間などを自分でコントロールできない
( ↑ 納得のいく木材をつくることができない)
2. 国産材を使うことで、日本の林業家を応援し、林産地の活性化に寄与したい
3. 日本の林業を応援すれば、山が保全され、間接的に治水に貢献できる
4. そして何よりも、日本の木でつくる日本の建築が好きだから
東風は決して国粋主義的な考え方に基づいているわけではありませんし、盲目的に国産材だけを使っている訳でもありません。
外国産材の良さも充分に認めた上で、それでも国産材を使う意味があると考えて行動しています。
外国産材を毛嫌いする方を見かけることもありますが、外国産材も良いものがあるんだよということも広くみなさまに知って頂きたいなと思います。
(※) 東風では構造材や造作材には決して外国産材を使いません。
下地材には一部外国産材を使うこともありますが、下地材も極力国産材を使うようにしています。
2011/8/2(火)に大阪大学で【伝統工法 床構面の面内せん断試験】が行われ、見学に行ってきました。
上の写真は試験中の状態で、四角いフレームの上から厚み約3cmの杉板を釘で打ちつけたものをタテに起こし、横から力を加えて変形させたものです。
緑色の点線と黄色の矢印は僕が書き加えた線です。
杉板を張ったフレーム(緑点線枠内)が頭頂部で黄色→方向に引っ張られているため、平行四辺形に変形しています。
杉板は2階床板として床梁に直接とめられているものを想定して作られています。
この実験では、建物の床の部分が水平地震力を受けた時に、
【どのくらいの力で-どのくらい変形するのか】
という変形度合いと力の関係を調べることが目的です。
床を調べる実験なのに、試験体が垂直に起きているから、ちょっとピンと来ないですね。
フレーム変形後の杉板端部の拡大写真です。
各杉板は長さ90mmの鉄釘で打ち付けられています。
水平方向に加力されているので、フレーム全体が平行四辺形のように変形し、杉板が1枚ずつずれている様子がわかります。
変形後に板を横からみたところです。
所々、釘の頭が抜けてきて浮いています。
これは3ヵ年計画で進められている、「伝統的工法を用いた木造建築物の設計法確立」のために、木造軸組みの物理的データを集める目的の一環で行われた実験です。
実際にこういう実験を見ると、いろんなことが判ったり、感じられたりして、とても興味深いです
。
8/8には京都大学でまた別の実験が行われることになっており、それも見学してきます。
次は通し柱の効果を調べる変形実験です。
木造建築 東風(こち)の伝統構法石場建ての家づくりサイトはこちら
→ http://www.mokuzo-architect.jp/
(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を
このところ、週末はほとんど打合せが重なっています。
例年、ここまで週末に打ち合わせが集中することはあまりなくて、平日のお客様が4割、週末のお客様が6割、といった具合で適度に分散していたのですが、今年はなぜかみなさま週末の打合せを希望されています。
土曜日も尼崎と京都で打合せがあったのですが、京都のU様宅へ伺った際、ご主人がお作りになったという、自家製のジンジャーエールをご馳走になりました。
ジンジャーエールって作れるんですね!
そんな発想、全くありませんでした。
そしてこれがまたすごく美味しかったんです。
写真、撮っとけば良かった・・・と思ったのですが後の祭りでした。
U様、ごちそうさまでした。
東風でもオリジナルドリンク(もちろん非売品)の製作構想を練ってみようか・・・などと思ってみたりしましたが、さてどうなることやら。