昨日は京都へ行っていました。
上京区にある中儀銘木店さんで、茶室などでよく使う化粧丸太を見せていただくためです。
よく知られた北山杉の磨き丸太の他、桧やあすなろの錆び丸太、赤松・香節・りょうぶなどの皮付丸太、栗のナグリやシャレ木など、様々な銘木を見せていただき、それぞれの産地や作り方・伐採~乾燥~製品化までの工程などについて詳しく教えていただきました。
(中儀銘木店の中川さん、お忙しいのに僕達のために貴重なお時間を割いてくださってどうもありがとうございました!)
下の写真は赤松の皮付丸太を作る工程です。
高温になるドライヤーのような送風機であぶりながら、荒皮を一枚ずつ丁寧にはがしていく作業です。
(以下、すべての画像はクリックすると拡大表示できます)
最初はこんな( ↓ )ゴツゴツした肌をしている赤松の丸太ですが
荒皮を少しずつ少しずつ丁寧に削ぎ落としていって
( ↓右半分は削ぎ落とす前、
左半分は削ぎ落とした後)
最終的にこんな風に( ↓ )仕上げます
赤松の皮付丸太は独立する前に勤めていた会社(鈴木工務店)でよく使っていたのでなじみの深い材料ですが、作る過程を見せてもらったのは初めてです。
産地の話なども含め、とても勉強になりました。
僕は2000年に独立してからというもの、化粧丸太を使う仕事はしていませんが、これからどんな形で自分の建物に採り入れていくべきかということを実際に考えてみると、非常に迷います。
というのは、思いっきり数奇屋のデザインにしてしまえば話は早いのですが、昨今求められる建物のデザイン傾向とは少し相容れないものだからです。
僕も数奇屋のデザインは細部まで心が尽くされていて大好きなのですが、現在の傾向はどちらかというと数奇屋風よりも民家風のデザインが好まれています。
(民家風のデザインと言っても、古色付けなど表面の仕上げとはあまり関係ありません。
ちょっと簡単に言葉では説明しきれませんが、むしろ材料としての木の使い方とか、寸法とかが違うのです。)
建物というのはあくまでクライアントのみなさまにご満足いただけるように作るのが大切ですから、ここがとても難しいところです。
クライアントの皆様にご提供する【商品】として求められるデザインと、自分の設計スタンスと、素晴らしい材料とをどこでバランスを取って取捨選択していくか。
自分なりの答えは簡単には出ませんね。
この答えが出るまでには、まだまだ数十年かかるかも・・・。
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